映像20枚】ニース海岸夕景~コートダジュール:荒れた海辺
パリのリヨン駅から乗ったフランスの高速鉄道TGV(速度は世界一)は、地中海側随一の港町マルセイユを過ぎて、しばらくすると海に沿って走ります。南ふらんす。なまりいろのそらが、だんだん不安な色に変わって来たと思ったら、吹き降りの激しい風雨になりました。映画「ジャッカルの日々」なんかに見られるように、ニースからモナコへの海岸線は「コルニッシュ(corniche)」というずっと切り立った崖になっていて、くねくね道。たぶん日本だったら、やんちゃな走り屋さんの兄ちゃんたちの腕試しスポットといったところでしょうか(でもここで走るのは、フェラーリかポルシェ!)。ローカル線にのるとイタリア・ジェノヴァまで、ずっと車窓右手に銀色に輝く地中海が広がり、気分は最高!(晴れていれば・・汗)TV番組「世界の車窓から」気分~♪で、7時間電車に揺られればミラノです。ヨットは、すべて繋されている港で身を寄せ合って、きれいに整列。映画祭で知られるカンヌ駅を過ぎるころになって、やっと少しおだやかな雨に。"CIEL BLUE,SOLEIL ET PLAGE,C'EST RADIO RIVAGE !"(フランス語教科書'Avec Plaisire'より)のうたい文句通り、青空と太陽とビーチに恵まれた地中海沿岸。古代ローマ帝国時代から、小アジアやアフリカなどへの玄関としての歴史があるけれど、いまや、ニース(Nice)、カンヌ(Cannes)、アンティーブ(Antibes)など、誰もが知っているヨーロッパ、いや、世界随一のリゾート【コートダジュール】として知られます。アンティーブやカンヌの海辺は砂浜ですが、なぜかニースはこぶし大の石の転がるビーチです。日が長くなって、21時過ぎてもまだ明るいサマータイム。オープンエアのカフェは夜中過ぎてもかなり騒がしい!雨がほとんど降らずに乾燥して、山火事が頻発することも。日中は30度を越えますが、夜間は20度前後と比較的涼しい。服装は半そで、半ズボンでOK。・・・のはず、だったけど今は珍しく荒れ模様のお天気。なまりいろの空の下。ニースの駅舎。街角を曲がったら、道の向こうにひとけのない海があった。たそがれのあいまいな霧の流れる異国の路上で、途方にくれたようにたたずむ恋人たちを見ながら、僕は思った。人や街並みは移り変わって行く。何もかもが時の流れとともに、止めるすべもなく変化して行く。現在の自分の年齢がどんなものかと、思う。これまでの歳月は、何だったのだろうか、と。それらの月日を、僕はうまく整理できないでいる。18才のときにそうだったように、もしかしたら58才になったときも、そうなのかも知れない。きっと僕は今、現在の自分の年齢に疲れているんだろう。プロヴァンスがカラッとした印象なのは、夏の3~4ヶ月間、ほとんど雨が降らない地中海性気候のために、湿度が低く乾燥しているため。これは、サハラ砂漠からの暖気団が、中央高地によって大西洋側の湿った低気圧から守られているから。年間をとおして強い日ざしと雨が少ないのが一番の印象です(年間日照時間約2500時間、年間降雨量約650ミリ)。これが、ブドウの栽培に適しているわけです。四季がありますが、日本より春と秋が短いようです(現地の人に「日本の方が四季という感じがする」といったところ不服げな顔をされましたが)。ちなみに日本との時差は8時間。サマータイムの時期は7時間となります(サマータイムは、3月の最終日曜に開始し、10月の最終日曜に終了だそうです・・・思ってたより、ずっと長いなあ)。あるいは、おそるおそる世の中と接触を開始した思春期のころから現在まで、過去を振り返らずに、ただ前ばかり見ようとして走ってきた自分の、折り返し点を手探りしてるんだろうか。けれど、マラソンレースと違って、折り返し点を示す親切な円錐を見つけることはできない。とにかく、過去のことを何かひとつでも整理して、ひきだしにしまってみよう。ひとつが上手くゆけば、後は次々に上手くできるはず。のらいぬがぽつん。道の真ん中でいつまでも、こちらを見ていた。雨粒が、ふいに烈しくなる。日本という国の街並みとはまったく異質なんだけれど、「ことば」も「かおり」も、ひとのぬくもりみたいな部分で、どこか共通している気配がふいに顔を出す。その、妙な「ずれ」が歩いている、この背中を押している。好奇心のなかで、くらやみよりも向こう側のネオンサインの輝きが、なんだか怖い。明かりが点いている店が海岸通りにも点在してるけど、あらしのよるには客は誰もいない。開店しているはずなのに、人影のない店が続いてた。みんな、何処へ行ったのだろう。裏通り。いつの間にか、異界への入り口に突き当たっていた。僕は胸がいっぱいになった。シルエットになった人々が、音も無く談笑し、食事している・・。少しだけ、眠ろうと思った。そう思うと、身体じゅうに気だるい快感が押し寄せる。旅の果ての、感触。少しだけ、眠ろうーーー。霧になった雨は、あまりに心地よいし・・。それに多分、今。ぼくは目に見えない折り返し点に、ひとりで立っているんだろうから。この翌日には、まぶしい陽射しと青空が同じ海辺に広がるなんて信じられなかったけれど、真実でした・・・。☆ここに掲載した撮影写真は、すべて2005年6月の旅行中のものです。。。人気blogランキングへ ↑アジアを始めとする世界各地、選りすぐりの旅行好きたちのHPが、ここで見られます♪(もし、お気に入りいただけたら、ぽちっと1票お願いしますネ)////////////////////////////////////////////////////////☆今年に入ってから今まで、あやしいほむぺにUPした新映像を、まとめてご覧いただけるように、こちらに整理してみました・・♪デジタル映像あるばむ総合メニュー(3)現在は、35のアルバムに570点以上の映像が収録されてます。☆嵐の海辺で、人っ子一人居なかった昨日が嘘のような、まぶしいニースの海辺で酒とイタリアンが並んだ、はるるたちのテーブルです。 南仏シャガール美術館。★もっともっと沢山、見たい人には・・・。こちらに、一人旅の映像アルバムなど32種類、ぜんぶで900枚以上の写真が収録されてるよん! ↓デジタル映像あるばむ総合メニュー アオザイ姿のある風景☆サイゴン。★さらに、そのつづきで、こちらにはアルバムが20種類、550枚ほどの写真を収録。ーーまだまだ現在進行形で増殖中です。 ↓デジタル映像あるばむ総合メニュー2