ヒーリング・カウンセラー溝口あゆかイギリス便り

イギリスは今先週雪に覆われておりました。イギリスに住んでいてはじめての大雪。でも、北海道や新潟の雪には足元も及ばないのですが、交通機関はメチャクチャ。

さて、前回の記事にはコメントをたくさん頂きありがとうざいました！　疑問、反論、質問、チャット、私もびっくりする盛り上がりでした。そして、狭いスペースに分かりにくいことを簡単にまとめて書いてはいけないという反省会を一人で開いておりました。（笑）

ということで今回は、前回の記事をもう少し引きづります。

さて「あなたはバカね」と言われて、ケイティが「確かに私にはバカなところがある」といった受け答えをしたことにですが、もちろん目指すのは、楽になること、幸せになることで、なにごとにも怒りをもたない立派な人になることではぜんぜんありません。

ですから、もちろん怒りを抑圧して、受け流しましょうということでも、まったくないです。（絶対成功しないし、余計苦しくなるだけ）

ケイティはいつも、"私はスピリチュアルなことは何も知らないけど、何が苦しみを生んで、なにが苦しみを生まないかだけ分っています"と言っています。ですから目的は、苦しみを終わらすこと、ただそれだけです。良い人、立派な人、聖人になるとか、なにかに到達するとか、またはなにか意味あることをするとか、まったく関係ないです。

怒らないということが、無理して怒らないことと解釈してしまうと、たぶん納得がいかないでしょう。また、「あなたはバカね」と言った人は悪い人で、言われた私は被害者という目で見ているとやはりケイティの受け答えは納得がいかないかなと思います。

奇跡の学習コースには　「防衛心のないところに真の平和あり」　と書いてあります。しかし、多くの人は、防衛してこそ平和が守られると思っているでしょう。しかし、防衛は必ず攻撃につながります。（他者攻撃や自己攻撃）また、防衛しているという事実そのものが不安に基づいているので、平和な安心した状態ではありませんね。

では、どういう心が防衛がなく、安心している状態かというと、自分のネガティブな部分も含めてすべて受け入れている状態です。例えば、私の中には、バカな部分も、傲慢な部分も、卑屈な部分も、冷たい部分、卑怯な部分などなどすべて存在しています。

恐らくみなさんもときに"きゃぁ、私ってバカ！"とか、"私って、なんてずるい！"とか自分のことを一度は（私の場合、何度も）思ったことがあるでしょう。そんな自分のいわゆるネガティブな部分を批判せずまるごと受け入れていれば、バカじゃない自分、ずるくない自分に見られないよう（防衛）頑張らなくてもよくなり、人から「あなたってずる～い！」と言われても、「そうなんです。ごめんなさい」で済むでしょう。（何度も書いていますが、受け入れたほうが変化が起せます。）

しかし、そんな自分のいわゆる負（ネガティブな）な部分を、悪いことだと批判し、受け入れず、封じ込めていると（抑圧）、誰かから「あなたはバカね」と言われると、ものすごく痛いし、傷ついてしまうものです。深いレベルで自分の悪いと思っている部分を正面きって相手に言われるわけですから。

また同じように自分への批判がものすごく強く、それを抑圧していればしているほど、批判ではない言葉も批判に聞こえたり、悪意のないところに悪意を見てしまったりもします。そして、たいていは、相手が悪いと本気で思ってしまうものです。

だから、結局自分を受け入れていないあなたがいけないのです、と言っているのではなく、これが人の心のメカニズムだということです。ですから、楽になるためには「相手がいかに悪いか」に集中するのではなく、「私はその言葉にどうしてこんなに傷つくのだろう？」と振り返ることですね。

また、「あなたバカね」と言った人がいつも悪意を持っているとか、悪い人だとも限らないでしょう。過去に誰かに対して「あの人へん」とか「あの人なにバカなことして・・・」と思ったことが誰にも一度は（私の場合、何度も）あるはずです。相手に言わないから私は失礼じゃなと思う人もいるかもしれませんが、思っている限りそこに大した差はないでしょう。

そして、私たちが人を批判の目で見ているとき、悪意や意地悪な思いより、たいてい「自分は正しい」という思いがあるものです。

さて、今まで書いてきたことの意味で、もし誰かがほんとうに自分を傷つけようとする意図をもち、ひどいことを言ってきたとしても、それは完全に相手の問題です。その人はそれぐらい不幸感でいっぱいで、自分の中の心の傷や抑圧を何一つ解決していないということです。

そのときは、「なんか、すごく興奮しているみたいだけどどうしたの？（ケイティ風）」と行くか、「逃げるが勝ち」でいくか、または「あなたの言葉に私は傷ついた」と自分の気持ちを正直に表現するか、自分にとって一番楽だと思う行動を取れば良いのだと思います。

もし、いかにそれが悪いことか相手に知らせたい、またはふっかけられた喧嘩は必ず買うというのであれば、それももちろんOKでしょう。やってみれば分かりますが、あなたが江戸っ子でもない限り、かなり疲弊すると思います。（経験者多いと思う）

さて、最後にシャワーの件です。これもたくさん疑問、質問を頂きました。私の事実説明不足だったぁとこれまた反省。どなたかが上手にコメントでまとめてくださっていましたが、事はいたってシンプルです。

夜中の1時半ぐらいにボイラーの音で起され、そのあと私があんなに腹を立てなければ、15分後ぐらいにはまたすやすやと眠りにつけていたのに、怒りの思考のせいで目がぱっちりしてしまい、朝方まで寝付けなかったということです。

ですから、起されたのはボイラーの音ですが、その後の眠り（平和）を妨げたのは、私の怒りです。たぶん、起した音がボイラーの音ではなく、救急車やパトカーだったりすれば、またすぐに眠りについていたと思います。（夜中に何台も走ることがある）

で、もしまた彼が12時半以降にシャワーを浴びたら（私が起きているとまた思ってしまい）、今は相手を正したいという怒り（＝恐れ）よりも自分を大切にする（愛）ほうに完全に意識がシフトしたので（楽～）、さっさと眠りにつき、翌朝「ボイラーの音で起きちゃった。約束守ってね。」と"普通"に言うだけです。腹は立っていませんが、安眠は妨害されたくないで。（←このへんを、腹を立てない＝相手に何も言わないと解釈している人がいるかもしれません。自分の"希望"は、きちんと伝え（＝愛）れば良いですね。）

う～ん、今回もいくつかのポイントが混ざってしまいました。（反省したばかりなのに・・・、まっ、そんなものです）

そして、私は心のメカニズムを学び、自分にも10年以上もいろいろなワークをしているのに、ボイラーの音で起されて腹が立って眠れなくなり、まだワークをしております。みなさんもそんなに時間がかかるよということではないですが、焦らず、自分に時間をたくさんあげていきましょう！