テーマ:本と出版について(527)
カテゴリ:あゆみのたわごと
「死にたくないな。
書店で会いたい。 本屋でセットで買ってくれ」 * * * 4月17日20時1分。 ひとりの作家が、息を引き取りました。 冒頭の言葉は、死の一日前に彼のブログにかかれたものです。 奥山貴宏、享年、33歳。 彼は生前、ブログに、こんな言葉を残しています。 「ガン漂流とガンエヴォの読者のおかげで いっぱしの作家になることができました。 つまんなかったらブックオフに売ってチャラにしてください」 そう、皮肉にも 彼を作家として有名にしたのは、自身のがん闘病のことを書いた 31歳ガン漂流と言う作品だったのです。 ごめんなさい。 あゆみは、彼の作品を読んだことはありませんでした。 昨日、身内ががんでなくなった話を書いて、たまたま 内藤みかさまのブログを見に行って、この訃報を知りました。 胸が締め付けられそうになりました。 「死にたくないな。 書店で会いたい。 本屋でセットで買ってくれ」 この3行に、彼は「小説」と言うタイトルをつけていました。 小説を書き上げて、それが本屋に並んで新刊にサインをしている自分 そんな姿を、イメージしていたのでしょうか。 最後の最後まで捨てなかった生きることと作家であることへの執着。 この3行の最後の言葉に、461ものコメントが寄せられていました。 誤解を恐れないで言うならば 彼は、幸せだったと思います。 「死にたくない」とたくさんの人に言える幸せ。 最後まで、輝いていた自分を見届けてくれる人のいる幸せ。 何者かになって、作家として、生涯を生ききった人。 どんなに痛くても、苦しくても 締め切りを落とされたことはなかったと 出版社の方の書き込みがありました。 これからあなたの無念を、心に刻んで生きてゆく人がたくさんいるでしょう。 これからあなたの著書を、手に取る人がたくさんいるでしょう。 心より、ご冥福をお祈りします。 読んでくれてありがとう。愛のクリック頂けると嬉しいです 楽天ブログランキング、今日はここにいます お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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