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A to Z of SCI

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2007.03.10
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頸髄を損傷して救急病院のベッドで目覚めたとき、動けないことよりも何よりも普通に呼吸できないことが最大の苦痛でした。1ヶ月くらいお世話になりましたが、人工呼吸器と気が合うことは最後まで一度もありませんでした。不規則性に我慢がなりませんでした。

人工呼吸器をつけていては眠ることもできません。集中治療室では眠剤を服用していました。ネルボンという名前でした。
坊やはよい子だねんねしな、ということでしょうか。

ある日、眠剤なしで眠る訓練を始める、と婦長に言われました。
人工呼吸器から離脱しないと一般病棟には移れない、とその人は言います。よくわかります。
在宅では眠剤なしで眠れる方がよい、とも言います。異論はありません。
しかし、だから今日から訓練を始めます、と言われても納得できません。まずは人工呼吸器からの離脱を成功させ、一般病棟で眠剤からの離脱に挑戦すればいいのです。眠剤に依存する期間が長くなるほど離脱が困難になると言う理屈もわかります。それでも、人工呼吸器をつけていては眠ることはできない、という本人の言葉に耳を傾けてください。この時期に一晩眠れないことの危険性を想像してみてください。入院を通じて私を悩ませ続けた彼らの非論理性です。
妻が婦長の意見に賛同していることを知って、私は抵抗することをやめました。
訓練は行われ、予想通りの夜が過ぎ、予想通りの朝がきました。
その訓練は二度と行われませんでした。

人工呼吸器を使いながら生活せざるを得ない方々のご不便を想えば、離脱できた私は恵まれています。

在宅でも眠れないことがあります。暑さと寒さです。慎重に予測し十分な対策をとったつもりでも対応できなくなることがあります。四肢麻痺+体幹麻痺の身では、涼を求めての寝返りが打てません。暖をとるために丸まることができません。やむを得ず家人を起こして助けを求めます。

せめて眠らせてくれ、とお互い思います。
私の場合、さらに、二度と目覚めなくてもいいから、と思います。





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Last updated  2007.03.10 14:41:24


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