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A to Z of SCI

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2007.05.23
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カテゴリ:カテゴリ未分類
頸髄を損傷して集中治療室で目覚めたとき、全く動けないことに気づきました。この時、立ちたい、歩きたい、と猛烈に思いました。立って歩いて何かをしたかったわけではありません。昨日までできていたことが今日からはできないという事実、この事実を受け入れられなかったのです。立ち歩くことそのものが目標でした。
入院生活の間中、入浴と排便では恥ずかしい思いをしました。これが現実、これからはこうやって生きていくしかない、奥さんの方が大変、ということをスタッフが私に刷り込もうとします。私も流れ作業としての入浴と排便には慣れていきます。でも恥ずかしい思いは消えませんでした。ベッドから立ち上がり数歩移動するだけの能力があれば、シャワーキャリーに座れます、トイレの便器に座れます。ベッドで裸にされてリフターで吊られることもありません。食事もする病室を異臭で満たすこともありません。リフターを使わない、トイレの便器に座る、これが目標となりました。ベッドから立ち上がり数歩移動するだけの能力が手段として必要でした。
だからこそ、日々の鍛錬の目標は立ち上がることと歩くことに決めました。

在宅リハを4年続けて、曲がりなりにもベッドから立ち上がり数歩移動するだけの能力を獲得しました。
結果として、目的は達成できませんでした。ベッドサイドには購入したリフターが最初からあります。私の転倒のリスクや介助者の負担を考えると、日常生活ではリフターの使用が得策です。また、排便にグリセリン浣腸が不可欠な私は洋式便座を使えません。
納得しています。敗北感はありません。

目的があって手段があります。必要は発明の母です。
計画通りに行かないこともあります。せっかく手段を獲得しても目的を果たせないこともあります。そのときは、計画を見直します。
新たに獲得した手段が無駄なはずはありません。 一段高い世界を見せてくれます。できること、試せること、水平方向に今までにない広がりを期待できます。
ベッドから立ち上がり数歩移動するだけの能力とともに、受傷後初の実家訪問を計画しています。





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Last updated  2007.05.23 10:00:16


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