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放送日:2007年12月24日 月曜 13:55~15:20
年末の番組ですが、先日も書きましたように、気になるコーナーがありました。 日本の医療制度について結構丁寧に突っ込んだ話がされていました。 長くなりますがテキストに起こしてみました。 不完全な部分もありますがお付き合いいただければ幸いです。(赤字、強調、注は淡紫によるものです) ふかわ=ふかわりょう 西川=西川史子(医師) 河野=河野太郎(自民党) 原口=原口一博(民主党) 宮崎=宮崎哲弥 八代=八代英輝(国際弁護士) やく:やくみつる 南原=南原清隆 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (「国民保険料は各自治体によって保険料に差がある。大阪は国が定める上限に迫る保険料になっている。」との説明あり。) ふかわ:なぜ、このような事態に陥ってしまうのか? 西川:「その背景はなんだ」と。 (テロップ)保険料に差が出る理由 ・高齢者増加で医療費が増大 ・不景気で国保の不払い者が増加 ・自治体の財政難 そういうのが合わさって負担する額する額が、市の、すごく増えてしまったと。 南原:でも、保険料を高くしたら不払いする人もまた増えちゃうわけでしょ? 西川:すごい悪循環が起きてるってことですよね。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 西川:今、国民健康保険加入者の19%、480万世帯が滞納していると。払ってない。 ふかわ:これによってなんとこんなことが起きてしまったんです。 (テロップあり) 「治療費が払えなくて死亡」と! さあ、どうなんですか。「国民健康保険」って大丈夫なんですか? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 西川:でもね、医者は病気の人が来たらお金を払わなくても診なくてはいけないんですよ。それは法律で決まってるんですね。 (テロップ)医師は、診察治療の求があった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。 (医師法第19条より) で、3年たつと時効になるっていう法律もあるわけですよ。 (テロップ)治療代の不払い⇒3年間で時効 ※民間の病院の場合 (民法第170条より) そうすると、今度、病院側が赤字になりますよね。で、やっぱり人件費をどんどん削っていこうとするんで、医者とか看護師さんの数を減らそうとするんですね。そうすれば、医療っていうのは、いい医療を行えなくなるじゃないですか。 私は、医療制度の改革、あの平成18年にあった(注)、ああいうものもいっぱいしわ寄せがきてるわけですよ、医療現場にいる我々にとって。 どうなんですか?自民党。(注:平成18年度診療報酬改定で過去最大の引き下げが行われた) 河野:要するに、いい医療をやろうとするとお金はどんどんかかっていきますから。そうすると際限なくお金は掛かるけれども、それをじゃあ、ほんとに負担ができるのか。じゃあ、保険はやめて「自分のお金でやって下さい」ということになると、お金のある人は医療を受けられるけども、お金のない人は(手を下げて)ここまでしか受けられませんよということになってしまって、格差が出てしまっていいのか?いろんな問題がありますから。 ふかわ:でも、だとしたら、ちょっと治療費とかもうちょっとおさえられないものなんですかねえ? 西川:国が出してくれればいいわけですよ。例えば公共事業を減らしたりとか、もっと削れるところがあるのに、あのほら、年金なんかのグリーンピアを建てたりとか、そういう無駄遣いをしてるから医療費に回って来ないんじゃないですか? 原口:そこが一番で、本来だったら足りない保険料の部分は、みんなが大事だって言うんだったら、税で埋めりゃあいいんですよ。 宮崎:基本的に日本の医療っていうのは、この国民皆保険制度・国民全員が医療保険に入ってるという制度のおかげで、最も安くて・安価で、最も安くて最も質の高い医療を実現してきたわけ。この間までこれが国の誇りだったわけです。 ところがこれが崩れてきている。崩れてきている最大の原因は「高齢化」。この高齢化は、じゃあどうするかという問題で、原口さんね、原口さんはやっぱり「税金で賄うしかない」とおっしゃる。だったらやっぱり「税金を上げなきゃいけないんじゃないの?」という議論につなげていかなきゃいけないんじゃないですか?税金を上げてこの医療制度というのを守っていくのか?というのが選択の時に来ているんじゃないんですか? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 南原:あるところまではこれで良かったんですけれども、でも明らかに今これでは自分達の暮らしの中では不自由になってきている。もうそろそろ変えてもいい時期じゃないか?という。 ふかわ:ここからが本番です。 もし国民健康保険がなくなってしまったらどうしますか?でも、世界には日本のような国民健康保険がない国もあるんです。それがこちらです。 (テロップ)アメリカ はい、アメリカですね。 (ナレーション) 今年、全米を揺るがす衝撃的な映画が公開されました。それは「シッコ」。監督はあのマイケル・ムーア。この最新作で斬りこんだのは「アメリカの保険制度」。国民皆保険制度のないアメリカでは、民間の医療保険が中心。そのため、安い保険にしか入れない人は保険のきかない病気にかかると高額の治療費を請求され破産してしまうことも。 また、民間企業が運営するため、多くの弊害も生まれています。利益を最優先するため、病気になりそうな人は保険会社に加入を拒否されるケースが多いのです。 さらに、なんとこちらの女性の夫は保険会社が支払いを拒否したため治療を受けることができず亡くなってしまったのです。 現在アメリカでは毎年1万8千人もの人が治療を受けられず亡くなっているといいます。はたして近い将来日本がアメリカのようになってしまうことがあるのでしょうか? 南原:怖いね~。八代さん、これ、アメリカ…。 八代:私も実際民間でしか入れないので入ってましたけども、月10万円以上の保険に入って、それで、それは歯科治療がカバーされないんですよ。で、虫歯の治療2本するだけで15万ぐらい掛かるんですよ。 例えば救急車を呼ぶのにも有料なんですよ。クレジットカードか保険証、民間の保険証なんですけども、そのカードを持っていないと救急車に乗せてくれないんです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 八代:やはりね、低所得者層、一般層の切捨てがひどい。お金を出せば世界最高の医療が受けられるんですけども、そうでない人は治療の機会すら持てない。 河野:ただね、アメリカって一番最先端の器械がすぐ導入されるし、薬もすぐ導入されるんです。例えば日本に来てる外国の大使が病気になるとアメリカの病院へ飛んで行くっていうようなことがあるの。高いお金を払うんだったらアメリカの方が進んでるからアメリカへ…。 西川:アメリカの方が進んでるって考え方は違うと思う。 宮崎:河野さんは要するにそういう、高いお金を払ってアメリカみたいに高額の所得者はそういういい医療を受けて、あの、あまり豊じゃない人っていうのは悪い医療で甘んじるべきだって…。 西川:「貧乏人は死ね」って言ってるんですよ! 河野:だから、日本はそれなりの、上もないし下もないし、そこをなんとか健康保険でカバーしてるから… 宮崎:そう言ってるじゃない、さっきから。 河野:これを、どう上手くやってくか。ただし、それがベストかと言うと…まあいろんなオプションがあると…。 ふかわ:やっぱ、福祉国家とすれば、スウェーデンとか北欧のね、国みたいに、なんかほんと安心して生活できるものって、日本には求められないのかな? (不明):でもそういう国って消費税20%とかですよ。 (テロップ)北欧諸国の消費税(付加価値税) スウェーデン25% デンマーク 25% ノルウェー 24% フィンランド 22% 八代:北欧は最新の医療とか教育受けられますけども、消費税20%以上ですよね、付加価値税。その部分についてコンセンサスが得られるかっていうと、日本の政府・官僚は、きちんと国民の税金を使ってるっていう国民からの信頼がないと思うんですよ。だからそれだけの税金を払おうって気になれない。 やく:もっぱら保険料を納める方の立場から破綻のことを言ってますけど、この間、かかってる歯医者さんが、逆に治療する側ね、ほんとはやりたいんだけど、ポイントっていうんですか?治療した際に…(原口:診療報酬)それがどんどん下がってって、そっちの方からも破綻しかかってるってのを、どっかで言ってくれよって、ちょうど言われましたね、この間。 西川:ほんと、病院がどんどんバタバタ潰れてるんですよね。 やく:お医者さんの側は、もっと声高に言ってもいいんじゃないんですか? 西川:医者が儲かってるんじゃないかとか、病院が儲かってるんじゃないかって…。 南原:あなた見たらそんな感じがするもん、だって(笑)。 西川:あたしが悪いと思います、それは。あたしのせいですね。だけど、実際は儲かってないんですね。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (テキスト起こし以上) 今回、西川先生は医師として正論を言っていると思います。 そして、河野太郎氏の発言を聞く限り、自民党は国民皆保険制度は崩壊してもいいと思っているようです。アメリカ型でいいじゃないか、と。 河野氏の言う「オプション」とは、混合診療や自由診療のことと思われます。 正面から国民に「税金を上げてでも、今の医療制度を守りますか?」という真摯な問いかけをする気はないようです。 それでも私たちは考えなければいけないし、その結果を政府に突き付けなければならないと思います。 私の思いはこちら でも書いたように 『国は、国民のことを本当に考えるのならば「安全や安心を確保するためには、お金が必要」ということをきちんと説明し、私たちもそれを受け入れなければならないと考えます。』 というものです。 もちろん国が無駄使いをやめて、企業の利益だけは守られる仕組みを変えることが前提ですが…。 私の県でも、このお正月介護疲れが原因と思われる殺人事件がありました。 国の医療費削減政策に則った、「病床数削減」「在院日数短縮」「介護保険療養型病床群廃止」「医療保険型療養型病床群削減」および「特養老人ホームの不足」などのため、このような悲劇は今後頻発すると思われます。「後期高齢者医療制度」の実施はそれに拍車をかけるのではないかと危惧します。 医療資源は有限で、それも枯渇しつつある状況だと思います。 そのことをよくよく考えていかなければならないと思います。 [医療・介護]カテゴリの最新記事
この間、ニュースで歯医者が多過ぎて、患者の
取り合いで潰れるっていうのをやってました。 その理由が毎年、歯科大を卒業したら歯医者と して開業するからってことでした。 そこでふと、なんで歯科大より医学部の方が 多い上、卒業生の数も多いはずなのに、なんで 医者不足になるんだろうとか。 何かが違うんでしょうね。(2008.01.08 23:36:16)
こんばんは。
正しい答え、あるいは求めていらっしゃる答えではないかも知れませんが、思ったことを。 市中の開業歯科は重病は診ませんよね。そして基本的に歯科医師一人と歯科助手何人かがいれば開業できるのではないでしょうか。それと、歯科は混合診療・自由診療が認められています。一旦混合診療が認められてしまうと、新しい治療法が出てきてそれがスタンダードなものになっても保険診療にはなかなか組み込まれないそうです。ちょっとソースを失念しまして正確な数字ではないかもしれませんが、ここ20年ぐらい、保険診療の枠は変わっていないそうです。たぶん国はお金を出したくないということですね。 自由診療なら儲かりそうなものじゃないかと思いますが、全ての人がお金を出して自由診療を受けられるわけではありません。私自身、差し歯は自由診療のものの方がいいと分かっていますが、お金がなく保険内でやってもらいました。でも、保険点数は低く抑えられているため(これは医師も同じです)儲からないということのようです。自由診療も、自由だからこそ他院との競合などもあり、保険外の高い材料を使ってもなかなか高い値をつけられず、低く抑えると結局儲からない。 歯科の例からも混合診療になると保険診療枠が広がることはないということがわかる、と何かで読んだことがあります(あやふやですみません)。 長くなりました。続きます。 (2008.01.09 00:43:49)
続きです。
医師が足りない、困ったというのは、現状では特に病院勤務医が足りないということを指しているかと思います。24時間365日最高の医療を求める人たちに対応するには、マンパワーが圧倒的に足りません。病院の場合、一人の患者を診るのに、一人の医師では無理なんですね。重症であればあるほど、医療が高度になればなるほど医師の数も看護師ほかコメディカルの数も必要になります。それが足りなくて過労死や逃散が進んでいるのが現状だと思います。 で、病院をやめて開業しても(開業させないようにするためかもしれませんが)、これも診療報酬の削減や、開業医を24時間いつでも対応させようと、今いろいろな提言がなされています。 また、医師が開業するには一定以上の看護師や技師などが必要だと思いますし、今の世の中ある程度以上の設備・医療機器が必要なわけで、そういったものを賄ってさらに儲けるだけの診療報酬になっていないということだと思います。 まあ、歯科は一科目ですが、医師は多くの科があります。数だけでは比較できないのだと思います。「医師は偏在してるだけ」と言い張ってた国ですが、この間厚生労働大臣が「医師不足」と発言したのを聞きました。もう認めざるを得ないのでしょう。 長文・駄文すみません。話もとっちらかってしまいましたね。すみません。 間違いもあるかと思いますが、お許しを。 コメントありがとうございました。 (2008.01.09 00:44:39)
おはようございます。
この番組は見ていなかったのですが、起こしていただいた文面から状況がよく伝わってきます。 今週号の週刊東洋経済に、まさに登場人物である八代教授のコラムと、北欧の教育・福祉事情が特集で掲載されています。 コラムについては言いたいことが山ほどあるのですが、文面の最後に、 国の説明について の言及がなされてありました。 この国はいつになっても、官報に載せれば、ネットで掲載すれば(それがたとえ見つけられないようなリンクであっても)周知徹底したことになりゴーサインが出ることが不思議でなりません。 見たことも聞いたこともないのに、新しい制度がドンドン始まっている。 そしてその数年後には、黒船に食い散らかされた焼け野原の日本が待っています。 お偉い方々は、この国をどうしたいのでしょうか。 そして、そんな状態であっても、彼らは既得権益を維持できると考えているのでしょうか。 (2008.01.09 10:12:47)
こんばんは。
この番組もそうだったんですが、医療が危ないぞ、ということが昨年後半あたりから徐々にではありますが言われ始めていると思います。 地方で暮らす人は病院が潰れたり、後期高齢者医療制度の実施を控え、現実感をもってきている人も増えているのかな、と思いました。 政府だけが自分のこととしてまじめに考えていないということじゃ困りますね。 この番組で、河野太郎氏はなにか含みのある言い方をしていて、「はっきり民間保険を導入したいならしたいっていえよ!」と思ってしまいました。やたらアメリカを持ち上げたがってたように見えたし…。 「国の説明」は必要ですね。 今のままではコンセンサスは得られないというのはそうかも知れませんが、そこは性根を据えてきちんと解るように説明して欲しいです。 外国の顔色を伺わない、ほんとに国のためを考えている政治家がでてこないかな~なんて夢のようなことを考えてしまいます。 コメントありがとうございました。 (2008.01.09 18:33:17) │<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く │ 一番上に戻る │ |
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