突然、燃え上がった若者の頭、心臓だけ腐った男の死体、池に浮んだデスマスク、幽体離脱した少年…警視庁捜査一課の草薙俊平が、説明のつかない難事件にぶつかったとき、必ず訪ねる友人がいる。帝都大学理工学部物理学科助教授・湯川学。常識を超えた謎に天才科学者が挑む、連作ミステリーのシリーズ第一作。
折角、昨日まで東野さんのデビュー作から3作目まで順番に読んでいたのに、この作品で大きく飛び越えてしまいましたw
昨日買った二階堂黎人さんの「魔術王事件」を集中して読もうと思い150ページ位読んだのですが、ふと気分転換に短編を1つだけ読もうと「探偵ガリレオ」に手を出すと帰れなくなりましたw
この作品は、友人の草薙刑事から持ち込まれる奇妙な事件を湯川助教授が解決して行くという設定的にはスタンダードなミステリなのですが、面白いのは事件の奇怪さで「突然燃えた頭」「失踪者そっくりのデスマスク」「心臓が壊死した死体」「海上での爆発」「幽体離脱して見た物を描いた絵」等の超常現象のような事件を湯川助教授が科学の力で解体するのが、とにかく面白いです。
俳優の佐野史郎さんをモデルにしたというキャラクターも想像し易くてよいですし、適度な変人加減も好印象ですし、終盤に警察関係者から「ガリレオ」という通称で認識されるのは言い得て妙ですねw
トリックも理系の知識を巧く使ったものですが、誰でも聞き覚えのある物を利用したトリックが多いので、そこまで複雑でもなくフムフムと納得しながら読めました。
ただ、読者にも易しく見せている為か湯川助教授が「天才科学者」というのがピンとこないですねw
この作品の続編「予知夢」も手元にあるので早速最初の短編を読んでしまいましたw
しばらく「魔術王事件」に戻れそうにないですw