幻の光
"How can you help me, if you don't believe me?"私が映画、The Sixth Sense の中であげる、ふたつの名場面のひとつが、この台詞のところで、もう、かなり前から本丸でもこの台詞を抜粋して使ったりしてきた。日本語版を見た事がないので、そのシーンがどのように吹き替えられているのかは知らないし、知ろうとも思わない。主人公のカールがペニーを机の上に、人差し指で滑らせて、目に涙をいっぱいにさせながら、この台詞を言う。この場面がなかったとしたら、私はその映画を見る事はなかったと思う。私は決して優れた人間ではないけれども、それでも、自分で少しは長けていると思うところは・・・多分、歌でも映画でも、会話でも、他の人が見過ごしがちなところを的確に見つけては、それを捉えるところにあるのだと思う。以前、本丸の管理人室にリオン・ラッセル(日本語発音ではレオン・ラッセル)のタイトロープの歌詞の一部を載せていたら、私の年齢で、おまけに日本人なのにそんなに古い歌詞の、一番大切な部分と思われるところを抜き出しているところに驚いたというメールをアメリカの人から受け取った。ニューヨークタイムズ紙のインタビューのために、ニューヨークで往年のアメリカの伝説的コメディアンであるジェリー・ルイス氏に会った時も、私は彼が若かった頃の、まだモノクロでディーンマーティンとのドタバタのコメディを見ていたので、率直にそのことを伝えたけれども、私の年齢から言って、見ているはずがないと、笑って信じてもらえなかった。ジェリールイスと私のツーショット写真はタイムズ紙のエディターが「一番ジェリールイスらしいから使いたい」と言ったのを、その撮影を担当した友人が反対して実際に使用されることはなかった。おまけに、著作権の関係でサイトに載せることもできず、個人的にメールに添付して見せたりはしているけれども。そう言う写真ばかりが多い。私は何故か、どんなに有名だったり偉いと言われている人を前にしても平然としていて、どちらかというと、相手のほうが素に戻るというようなことの方が多かったりする。クラプトンはその最たるもので、何故か、私がまだ子供の頃から、私の言うことはきちんと聞いてくれていた。光は、秒速30万キロメートルでひたすら前へ進む。その速さをもってしても、230万年かかって地球に到達する光。今はもうないかもしれない光は、それでも、ひたすらに、輝いては、そこにあるように見せてくれる。太陽に照らされた地球の美しい「光」もまた、どこかに向かって、ひたすらに、秒速30万キロメートルの速さで進んでいる。あなたがいても、いなくても。わたしがいても、いなくても。あの人がいても、いなくても。『もう会えないんだよね。でも、明日会うみたいにさようならを言おうよ』「そうだね。じゃあ、また、明日」 (from the sixth sense)たとえもうないとしても、光が降り注ぎ続けさえすれば、たとえそれが幻の光だとしても、明日があるような、そんな気持ちになれる。でしょう?『明日また会えるみたいに、さようならを言おうよ』