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カテゴリ:行事・記念日
それは1週間前に始まりました.
十数年前に地元で英語指導助手として働いていたイスラエル人から,先週木曜日の夜,突然メールが入りました. 地元に滞在中,外国人のホームパーティーでほんの数回しか会ったことがなかったんですが, 帰国後はメールのやり取りをしたり,Facebookで近況を語り合う女性でした. それが突然, 「休暇をとってイギリス旅行中,ノースウェールズでホテルに帰る途中,拳銃で脅され,現金とクレジットカード,携帯電話を盗まれてしまい,かろうじてパスポートだけ盗られなかった.大使館と警察に届けたけれど,問題が解決されるまでに2週間かかると言われてしまった.飛行機はすぐ出発するので,チケットは無駄になったが,それよりもホテル代を払わないとホテルから出してもらえないので,とりあえず1,400ポンド送金して欲しい」と言うのが最初のメールでした. しばらく悩みながら,イギリスの友人(ほんの数年前に我が家で習字を教えていた男性)にそのメールを転送して,解決策を練りました. 郵便局へ出かけて,国際送金について聞きました. イギリスへ送金するには約1週間ぐらいかかること. イギリスに銀行口座を持っている人は簡単だけれど,他の国からの旅行者には難しいとの返事. メールで内容を返答すると,世界中にWestern Union Transfer Officeがあり,年中無休でやっているので,日本のどこにあるか調べて,そこから現金を送ってほしいとの返事. そこで,一つ疑問が出てきました. 彼女にはFacebookで約300人ぐらいの友人がいます. 家族や親戚には誰も助けてくれる人はいないのだろうか?ということ. どうして私を頼ってくるのか?ということ. すべて質問してみました. すると,友人や親戚,家族にはそれこそいっぱいメールを送り,お金は少しずつ集まってきたけれど,まだ足りないので,やはり1,400ポンド送金して欲しいとのこと. 勤務先には休暇を延長してもらい,来週の火曜日までイギリスに滞在しているので,とにかく送金して欲しいとか. 国際交流でいろいろお世話になった青年にも,先日のバーベキューの時に,すべてのメールを見せてチェックしてもらいました. 彼のアドバイスは全額送金をせずに,ほんの少しだけにして,大使館や警察が解決するまでの2週間,いろいろ理由をつけて延ばしてみてはどうかという意見. 結局,ずるずると日曜日まで延ばしていました. Facebookの方へメッセージを送ったので,Facebookに返事を書いてとお願いすると,今はFacebookに入り込めないとか,携帯を持っていないので,携帯からは話が出来ないとか,私の携帯に電話したが,結局繋がらなかったとのメールが届きました. そして,夜中に数回メールが届き,私を信頼しているので明日か遅くとも明後日までに送金して欲しい. 帰国したら,絶対にお金を返すと最初から約束しているじゃないの. 私がもしあなたの立場だったら,あなたよりももっともっと真剣に助けてあげるのに. 私を疑っているなんて,恥ずかしいことだわ.等など・・・ こちらもいろいろと家庭の事情で,送金場所へはいけないことを告げました. その間,Facebookで彼女にメッセージを送っても,本人からFacebookには何の返事もありません. 地元滞在中に共通の友人であったアメリカ女性にもFacebookでメールを送りましたが,何の返事もありません. 半信半疑でしたが,やはり彼女はイギリスで困っているのかしらとか,共通の友人は詐欺に会って怒っているので返事をくれないのかしらという考えがちらついてしまいました. そこで,滞在期限の切れる昨日,台風の影響で大雨洪水警報の出る中,アッシー君(ジージ)に頼んで,名古屋の中心街にあるWestern Union Transfer Officeへ出かけました. ジージはテニスレッスンを休んでまで,ポコちゃん&ペコちゃんを乗せて連れて行ってくれたのでした. 雨がフロントガラスを激しく打ちつけ,前が見えないぐらいで本当に大変でした. そんな中,必死で出かけ,Western Union Transfer Officeの窓口で送金しようとすると,窓口の女性はそれまでの経緯を聞いた後,それは危険なので止めた方がいいという返事. 今まで日本で「おれおれ詐欺」にあったことがないし,彼女を信じていたので,窓口の女性の反対を押し切って送金してもらうようにお願いしました. メールだけのやり取りは怪しいこと. 送金前に携帯メールで彼女と直接話をして,彼女の生の声を聞いてからにしてはどうか? 二人だけに共通の話題を話すとか,二人の共通の友人に電話してそのようなメールが届いたかどうか,今彼女は本当にイギリス旅行中なのか聞いてみて,送金はそれからにしては,等など・・・ 窓口で長いこと押し問答をしました. 最近イギリスとナイジェリア向けの送金は「振り込め詐欺」が多発しているので,気をつけたほうがいい. 日頃の経験が職業上豊富な窓口の方に止めた方がいいと言われても,今日が最終期限だと律儀に送金してしまったのです. ところが,最近日本人の被害者があまりにも多いので,すぐには送金処理をせず,カスタマーセンターから確認電話が入り,詐欺の疑いのないことの確認が取れ次第,送金処理をするとか. 6時間の間に3回,電話がかかってきて,電話が繋がらない場合は送金処理を行うそうです. 私は帰宅してすぐカスタマーセンターから電話がかかり,いろいろ質問に答えているうちに,よく似たケースで引っかかって送金した女性が最近いたので,やはりこの送金はストップしたほうがいいので止めますと言われました. 家族もそれは怪しいので,今後あれやこれや巧みにメールがきても無視しておくように,今後一切返事はしないようにと厳しく言われてしまいました. 1週間が経って,今日やっとイスラエル女性からFacebookの方にメッセージが届きました. なんでもメールボックスを犯罪集団にハッカーされてしまい,今回詐欺騒動でいろいろと迷惑をかけてしまったこと. これからメールでどんなことを言われても絶対に信じないで下さいという内容でした. 彼女はイギリス旅行なんかしてなくて,イスラエルで元気に生活しているそうです. 今回は未遂で済んだのでほっとしています. 今まで警察小説をこんなにも読んできたのに・・・ どうして「おれおれ詐欺」にひっかかる人が跡を絶たないのかしらと,いつも不思議に思っていたのに. 年を取ったんだなぁ~!,こんなことに引っかかってしまうなんてと反省しています. 今回,英語をちょっとかじっているばかりに,ひどい目にあいました. どうも最近,英語を使った「国際版・振り込め詐欺」が非常に多発しているそうです.. 敵も手ごわいというか,本当にしたたかです. パソコンと携帯でのメールのやり取りはかなりの長文で10数回にも及びました. 完全に信じ込ませるテクニックを持っています. 皆さんくれぐれも気をつけてください. 自分の恥をさらして,皆さんに自分の経験をお話しました. ※ 悪い記念ですがカテゴリを記念日に入れました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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