浅見光彦シリーズのわりと後半の作品のようです。
このシリーズは順不同に読んでいますが
数ある探偵シリーズではかなり好きなほうです。
今回も旧坑道でなぞの死を遂げる男のイントロダクションから
興味をそそられ、がらりと変わった舞台での
これまた謎の男や事件とどう関係があるのか最初はちっともわからない
離婚したての編集者が出てきて今回浅見探偵の出番はなんと
81ページ(ばみ調べ)までありません。
いつもの“**殺人事件”という題名ではないことと
浅見探偵の出番が遅いことで途中まで浅見シリーズと
気づかなかったほどです。
(よく見たら裏表紙に書いてありましたが)
さくさくと進むストーリーに引き込まれかなりよいペースで
読めました。
娯楽モノとしては☆4つってところでしょうか。
ただ、西島千恵という駆け出しタレントがなぜかぱっとしない&暗い
なぞの男につきまとい好きになるのですがこれはちょっと
無理がある設定かな~。
だって、雑誌やテレビに出るような女の子がちょっと興味を持った程度の
男のために華やかなキャリア捨てます?
一応理由としてはタレントの祖父と男の父親が同じ日に
事故で亡くなったから・・としていますが
・・・だから何?
登場人物も同じことを言っていますが。(笑)P350
そして後に不知火のせいにしてますが。P434
この男、特にハンサムといった設定でもないし、ニヒルとかって
感じでもなくどっちかというと暗いオタクっぽく描かれているため
(彼が暗いのには理由があるのですが)余計にそう思いました。
ハンサムって設定しにしてくれていたら
この辺のことすべて
すんなり理解できたのに~。
ワタシだけ??
あと怪しげな放射線物質が出てきてこれは国家レベルの陰謀か?
と思いきや結局何のための密輸だったのかはっきりしなくて
黒幕もへなちょこに話が終了してしまったのが惜しかった。
北朝鮮へ売るためならマレーシアに工場を建てたように外国から
直接取引きすればいいのに?
それに
ラジウム温泉って・・。
最後はこぎれいにまとまっていますがこのあたりのツメが甘くて
現実感に欠けますが暇つぶし+αくらいの読書感でした。
このシリーズなら他にもっと面白いものがあったと思いますので
そちらは後々書いていきますね。