紹介文
ミアンゲイト館でいったい何が起こったのだろう、かつては笑声に満ちていた貴族の館に?ソンムの会戦で帰らぬ人となった父。自分を生んだ直後に世を去った母。館の客人を見舞った殺人事件―。リオノーラ・ギャロウェイは生きる情熱を、館にたちこめる謎を解くことに捧げたのだが、ある日…。重厚なミステリー・ロマンの傑作。
先日日本人会(だったかな?)のバザーで古本があるというので
かなり遠かったのですが出かけてきました。
遅い時間に行ったためかあまり本の数はなかったのですが
それでもせっかく行ったので10冊ほど購入。
この本はその中の1冊で全然期待しないで
購入した割りに面白くて一気読みでした。
1老婦人の出生の秘密が何人かの人物によって
語られ、だんだん謎が解けていきます。
謎自体は大したものではないのではないのですが
イギリスの瀟洒な貴族の館を舞台に
語られる物語がとても魅力的。
たとえ語られる登場人物が嫌なヤツばかりであろうとも。
一番の悪人は主人公のうら若い継祖母ですが
コイツがほんと~うに陰険で自分勝手で嫌なやつなのに
物語を盛り上げているのはきっと彼女が美しい女性という
設定だったから。
また、陰鬱な物語なのに気持ちよく読めたのは
悲惨な少女時代を送った主人公が今は幸せな状態であるという
前提があったからかな。
主人公の父親は結局生きているのか死んでいるのかが
最後までわかりません。
でも最後にちゃんと決着をつけてくれている
ところも好感好感。
最近謎ばかり投げかけておいてきっちりケリをつけない
小説も多いですからね。
そーゆーのは苦手なんです。
だから何なんだ~誰か教えてくれぃ!きぃ~!!
*数々の本を思い出して暴れています。
すべての謎が分かった後読み手も一瞬清々しい
キモチになったりしますが良く考えると
トーチャンちょっと薄情者。
娘を人質に待ち構える美貌の継母(主人公の継祖母)に
男らしく立ち向かってみろよ?
って言うかその前に母親が友人の元でお産で亡くなっちゃた時に
間髪居れずに娘迎えに行けよ?
少なくとも自分の実の父親は生きているのだから
主人公が正当な血を引いた子供だと伝えろよ?
どれもしないから主人公はいじめられまくる幼少時代を
送ったのだから。
まぁ、主人公
多分今が幸せだからもういいわって感じで
最後には許しているみたいなんでいいけどね。
本当にこの主人公の旦那さんて出来たヒトで。
途中まではあまり重要な位置ではないですが
最後のほうでいいヒトぶり発揮。
夫の鏡ですね。
包容力があって理解があって。
しかしそんなオトコ、本当に実在するんでしょうかね?ウタグリ。