楽天市場
紹介文
署内で一括保管される三十冊の警察手帳が紛失した。犯人は内部か、外部か。男たちの矜持がぶつかりあう表題作(第53回日本推理作家協会賞受賞作)ほか、女子高生殺しの前科を持つ男が、匿名の殺人依頼電話に苦悩する「逆転の夏」。公判中の居眠りで失脚する裁判官を描いた「密室の人」など珠玉の四篇を収録。
動機 横山秀夫傑作短篇シリーズ(5)-【電子ブック版】
短編集なんですが、表題作より『逆転の夏』のほうがなんだか印象に残りました。
妊娠した高校生が堕胎のお金欲しさに男を引っ掛け、男が出した金額が少ないと喚きだしてその女子高生を黙らせようとはずみで殺してしまった男。
そして13年後すべてをなくして出所した男に復讐のために偽の殺人依頼をする女子高生の父親。
その他にも過去を偽って男の保護司になり別の復讐を企む及川老人や、妊娠中に事件を起こされた妻などが出てきて男はどうなるのか?殺人依頼主は誰なのか?となかなかハラハラドキドキ読めました。
けどねー、誰が一番悪いって生まれてくる子供抱えて自分の妊娠中にスケベゴコロを起こして女子高生と遊んじゃった挙句殺人まで犯した汚い中年男の家族として辛酸なめた妻以外、みんな悪いと思いますが。
だけど娘の実態を知らされても犯人を許さない、と言う父親、許さなきてもいいけどもう少し前向きになれないものかと。
妻が精神に異常をきたしてしまった悲惨な現実を前にはそんなことも考えられないのかなぁ。
復讐は復讐しか呼ばないと思うのだけれど。
最後に男がすがろうとしていた元妻が現れて再婚するから邪魔するなと釘を刺されて涙する男が一瞬可哀想にも思ってしまうけど、そもそも逃がした魚は大きいだけで結婚していた時も妻のことを大事にしていたとも思えないし(なりゆきで結婚したと記述あり)自業自得だよね。
むしろ妻のほうが立ち直るまで10年以上もかかったと思うと妻側のストーリーも読んでみたいきもします。
そういえば登録しっぱなしだったのを思い出しました(照)
よろしければポチっと☆