カテゴリ:その他
昨日の区間エントリーですが、やはり東海大村澤は5区ではなく2区でした。他の大学も「打倒柏原」ではなく、「触らぬ山の神に祟りなし」といったオーダーで、がっかりしました。
それでは、前回に続き、今回は復路のコース紹介をします。 第6区(芦ノ湖から小田原20.3km) いわゆる「山下り」区間です。距離が延長される前の5区の逆コースです。言うまでもなく、最初少し上ったあと、一気に山を駆け下ります。極端な下りは膝にくると言われますが、箱根の山下りは、カーブがきつく、さらに膝に負担がかかります。私は、よくテレビで見ていた大平台のヘアピンカーブを見てみたくて、箱根に行きましたが、、車では相当スピードを落とさなくては曲がりきれませんでした。だいたい、6区は時速25km位で走っているので、想像を絶する負担がかかっていると思います。その証拠に、走り終えた選手が「最後の平地が上りに感じた」と口を揃えて言います。たまに、平地になったところで脚がフラフラになり倒れる選手もいます。一気に駆け下りなくてはならないのですが、オーバーペースになるのもダメなわけです。 このコースは、トラックやロードの持ちタイムより、適性が重要になります。あの「山の神」柏原でさえ、6区以外なら区間賞をとれると言っているくらい、6区は難しいコースです。 これだけの特殊コースなのですが、世界陸上マラソン金メダリストの谷口浩美は、6区の選手で、意外と山下り選手は、その後も活躍する人が多いみたいです。 この6区のタイムの基準は明確で、60分を切るかどうかが、良し悪しとなります。さらに、たまに58分台で走る選手がいますが、駒澤大の千葉は、1年生の時に59分台の区間賞で、前回大会の2年生で58分11秒という驚異的な区間新記録を樹立しました。今回は夢の57分台にもてが届きそうです。 しかし、意外な落とし穴があるのがこの6区で、慣れてくると、というより慣れたと思い込んだとき、よく失敗します。山登りのほうが、明らかにキツそうだと思うので、気を引きしめるのに対して、山下りは一度成功するとナメてしまいます。結果、オーバーペースになり、失敗してしまうわけです。千葉の今回の山下りは、要注目です。 ちなみに、意外と知られていないのですが、私が応援している中央大学は、なぜか最近この区間に強く、この15年で8回の60分以内を達成し、さらに60分は切れなかったのですが、60分1秒で区間賞というのも1度ありました。昨年、下りのスペシャリストである山下が卒業し、山下りの系譜が今年に伝承されると良いのですが。 7区(小田原から平塚21.3km) 何となく復路の山を下る6区までが華のある区間なイメージで、山を終えたあとは、各校とも余力で走る感じです。しかし、この辺りから優勝する大学が絞られてきて、シード権を獲得する10位争いも熾烈になります。要するに、箱根駅伝は、どれだけ余力があるか、すなわちトップクラスの選手の差より、7から10番手くらいの選手の力の差がものをいってきます。とくにシード権を目指す大学は、下の方の選手も20km走らなければならないですから。 この7区は、7年前までの4区、つまり20km以上あった時の4区の逆コースです。 よって、余力で走るといっても、4区は、アップダウンのある準エース区間だったので、逆コースの7区も結構ハードなコースです。 8区(平塚から戸塚21.5km) 完全に3区の逆コースです。3区は、最初坂を下って、湘南海岸沿いから平坦なコースでスピードが出やすいため、スピードランナーを起用する大学が多かったのですが、8区は、最初平坦で最後に遊行寺の坂を上るという、3区よりハードなコースです。 7区8区は地味なので、あまり良い選手を起用しないことが多いのですが、意外にハードなので、そこを狙って、強い選手を起用する大学もあります。 「復路の順大」といわれる順天堂大学は、この辺りに力のある選手をきっちり置いてきます。また、中央大学みたいに、大エースはいないけど、全員平均的に良い選手が揃っている大学は、このあたりで巻き返してきます。 9区(戸塚から鶴見23.2km) 一応、復路のエース区間と呼ばれています。 2区の逆コースですから長いためそう言われますが、難易度は2区より落ちます。2区は、最初平坦で、中盤に権太坂の上り下りがあり、最後に遊行寺の坂を上りましたが、9区は遊行寺の坂の下りから始まり、後半は平坦です。 とはいえ、長いコースですから、余力の残っていない大学は、一気に順位が落ちていきます。 強豪校は、まだまだ余力があるので、優勝の行方は、そろそろ決していことが多いのですが、10位前後はあまり余力が残っていませんので、各校とも疲れて落ちていくのが怖くて、牽制してる間に、後ろから追い付かれて、シード権争いがさらに激化します。 10区(鶴見から大手町23.1km) この区間は、ほぼ1区の逆コースですが、終盤に少し遠回りをするため、1区より長くなっています。 とはいえ、ほぼずっと平坦ですので、トップが逆転されることは、あまりありません。優勝争いが過熱することも稀にありますが、シード権争いが焦点になる場合が多いです。 昨年は、10位と11位の差が、史上最短の3秒でした。しかも10位の國學院大の1年生寺田が最後にコースを間違え、一瞬ロスするも、なんとか追い付くというアクシデントがあり、話題になりました。 シード権は非常に重要で、獲得するしないで、文字通り天国と地獄です。翌年の予選を通過しなければ、次回大会に出られないのはもちろんですが、その他にも様々な弊害を受けます。 弱い大学が予選を通過した場合、山登りや山下りの選手を急遽選ばなくてはいけなくなり、2ヶ月で準備しなければいけません。また、箱根駅伝に出れるかどうか分かりませんので、力のある新入生が入りにくくなります。 強豪校がシードを逃した場合は、本当は強いためまず予選は通過しますし、大学のネームバリューで新入生も力がある選手が入ってきます。問題は10月中旬の予選会の約3週間後に全日本大学駅伝があります。無下にできない予選会で20km走った3週間後に、強豪校なら優勝が目標の全日本を走って、2ヶ月経たないうちに箱根駅伝を迎える超ハードスケジュールになりますので、調整が非常に難しくなります。 という感じで、箱根駅伝区間紹介をしてきましたが、明らかに往路の紹介(半分愚痴)が長いじゃないかと突っ込まれそうですが、復路は往路の逆コースなので勘弁してください。 1月3日、大手町読売新聞本社前にトップで戻って来るのは果たして中央大学なのかどうか。楽しみです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[その他] カテゴリの最新記事
|