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北京ビジネス最前線改め中国ビジネス後方基地

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2004.12.07
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カテゴリ:ビジネス習慣
以前中国におけるスタッフの「私益」(バックマージン)について書いたことがありましたが、北京でコンサルタント会社にお勤めの方が日経BPのウェブに興味深い記事を投稿されていました。
「優秀な営業担当者ほど、バックマージンに関わっている」と言う点では、私と同意見です。

先日中国市場視察と現地での情報収集のため、日本からお越しになった大手企業の役員の方に、いきなりローカルスタッフのバックマージンについて尋ねられました。中国の現状をお知りになるためにいらっしゃったクライアントさんですから、私も正直に「ある」とお答えしました。その途端にその方は表情を硬くされ、「そうした不正行為を黙認する日系企業とは付き合えない」ような論調に変わってしまいました。
グローバル・スタンダードを自負するアメリカの大企業の経理不正操作に端を発したコンプライアンス重視のトレンドは、かの国に右習えの日本企業にも浸透しました。とは言え、西武や読売にみられるような問題の発覚は、外部からの指摘によるもので、コンプライアンス、コンプライアンスと言いつつ、日本企業が果たしてどこまで遵法精神に乗っ取り、透明性の高い経営をしているのかは、甚だ疑問です。それなのに、日本企業は、ことさら中国ビジネスに関して、コンプライアンスを求めたがっているようです。

中国でビジネスを展開している日系企業の多くも、コンプライアンスを重視するあまり、当地の商習慣になっているバックマージンに関して、思いのほか目くじらを立てます。バックマージンなど「不正」の温床にならないから、と敢えてコスト高の日系企業との取引を選択することさえあります。そうした「信頼のおける」日系企業が、中国人スタッフのバックマージンに対して寛容だったりすれば、取引先の日系企業は態度を硬化させたりするでしょう。
とある日系企業で、中国人スタッフのバックマージンについて暴いた日本からの駐在員がいらっしゃいました。彼は正義感から「不正」を正そうとしたのですが、「不正」を暴かれた当人のみならず中国人スタッフに総スカンを喰らってしまい、ご本人の些細なスキャンダルを日本の本社に脚色入りで告げ口される、と言う仕返しまで受けてしまい、任期半ばで帰国してしまいました。
この種の問題に、日本人が絡むとロクなことはありません。

日系企業と言えども、ビジネスのフィールドは中国なのです。「郷に入れば郷に従え」で現地の商習慣というものを無視するわけには行かないと思います。中国人スタッフの「私益」(バックマージン)に関しては、先に述べたとおり、「私益が他益に、そして公益に繋がっている」構造が認められますし、有能なスタッフほどバックマージンに関わっているわけです。ただ、長く異なる商習慣の中でビジネスをしてきた日本人にはなかなか理解しがたいシステムですから、日本人がコントロールするのは困難だと思います。こんなことに日本人が絡むとロクなことはありません。中国で働く日本人は、あくまでも「潔白」であれば良いと思うのです。もちろん、こうした「私益」が会社経営上有効に機能しているかどうか、しっかり管理する必要はあります。有能で信頼のおける中国人マネージャーにコントロールしてもらえば良いのです。

バックマージンのみならず、中国における現地法人の設立や会計処理についても、日本企業はコンプライアンスという名のもとで「カタブツ」とも言える対応をしているケースが多いようです。でも、中国にはいろんな「抜け道」があるわけで、他の企業はそうした「抜け道」をうまく活用していると考えるべきです。コンプライアンス重視で臨めば、ライバル会社と比べてより時間を費やしたり、決算が悪くなったりしてしまいます。欧米系の大企業は案外この「抜け道」を利用して、危ない橋を渡りながら日系企業を引き離しにかけたりしているのです。中国トップクラスの外資系量販チェーンが「名義借り」で店舗数を拡大してきたことは多くの人の知るところですし、メガ・エージェンシーと言われる欧米の広告会社の中国法人の設立方法や税務処理などを日系企業に真似できないでしょう。そうした世界中のライバル会社と、遵法精神と透明性を建前とする日本企業が、中国市場で遣り合っていくのですから、いろいろと大変なわけです。

私は、違法行為をお勧めしているのではありません。合法と違法の間にいろんな仕組みがあるのが、中国です。日本人は、善悪、合法・違法というマルかバツかの思考で判断しないほうが良いと思うのです。





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Last updated  2006.04.13 15:50:27
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