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中国ビジネスにおける<2005年問題>
[ 中国の日本企業・日本人 ]    

コンピュータの2000年問題というのがありました。多額のコストをかけて対策を施し、何が起こるかドキドキしながら、1999年の大晦日を会社で過ごしたシステム担当者も多かったのではないかと思います。結果としては、世界中が大混乱するようなことにはなりませんでした。あれだけ騒いでお金もつぎ込んだのに、と拍子抜けした方もいらっしゃるかもしれません。
2000年問題は、事前に問題が生じる可能性を分かっていたからこそ、対策も練れたし、警戒もできたのです。災難と言うものは予測できないから被害も大きくなるのですから、こんなお人好しの災難はめったにありません。
こうした意味でも、中国における「2005年問題」は、既に問題が生じる可能性を把握できるのですから、対策を講じておいたほうが良いに決まっているわけです。

さて、中国における2005年がどんな年かと申しますと、対日戦勝60周年にあたる年なのです。
抗日戦線で活躍した共産党を持ち上げることで、13億の民をまとめて行こうとしている中国の現政権にとっては、記念すべきアニバーサリーなのです。
では、もっと切りが良い50周年であった1995年に何か問題が生じたか、と言うと、特筆すべき日中間の問題は起こっていないようです。でも、1995年と2005年では何となく中国の状況が違います。「反日教育」は90年代、江沢民さんの時代になって、一層顕著になりました。日本における歴史教科書の記述や閣僚や首相の靖国神社参拝について中国メディアで大きく取り上げられるようになったのも1995年以降のことです。10年前と比べて中国における日本の印象は悪い方向に傾いていますから、中途半端な60周年ではあっても、2005年に問題が発生する可能性は大きいと考えておくべきでしょう。

今年の9月にはこんな騒ぎもあったそうです。日本のBBSなどでも話題になっていましたが、私は北京に居ながらもこの事実を確認したわけではありませんので、記事の引用に留めておきます。なお、この記事のオリジナルをネット上で検索したのですが、既に削除されているようです。


【北京25日時事】満州事変の発端となった柳条湖事件73周年に当たる今月18日、キヤノンが日本国内を対象に新型デジタルカメラを発売したことに対し、中国国内でクレームが相次ぎ、北京の日系企業に困惑が広がっている。中国の日系企業は柳条湖事件のほか、8月の終戦記念日(抗日戦勝記念日)や7月の盧溝橋事件の発生日など「反日感情」が高まる日に中国国内で大規模なセールスなどを行うことを控えているが、「日本国内の動きにまで細心の注意が必要になった」との懸念が出ている。キヤノンのケースではインターネット上で「こんな日に発売するな」と中止を求める書き込みが相次いだ。現地法人「キヤノン中国」(北京)にも電話の問い合わせが2件あったという。 (時事通信)


この報道が事実だとすれば、2005年問題は一層深刻に捉えるべきでしょう。
記事にもあるとおり、8月15日や9月18日をはじめ、5月4日(列強排斥を目指した五四運動が始まった日)、7月7日(盧溝橋事件発生の日)など、列強侵攻や日中戦争に所縁のある日には、常識的な日系企業は中国で派手なイベントを差し控えるようにしていますし、中国在住の心ある(?)日本人も夜遊びを控えたりしています。
73年前に柳条湖事件があった日に、日本で新製品の発売を開始しただけでも、中国のバッシングを受けてしまうような酷い状態だとすれば、対日戦勝の年からちょうど60年の2005年は丸一年間、日本企業や日本人は中国に叩かれ続けることになってしまうかもしれないのです。中国における派手な企業活動や夜遊びも丸一年間お預け、かもしれません。

とは言え、中国で展開する日本企業や中国で働く日本人が、丸一年お休みするわけにもいかないでしょう。リスクを見越した対策を練っておけば良いのです。
中国の2005年の経済成長率と同じくらい日本ブランドの製品の売上が伸びるという予測は差し控えたほうが良いかもしれません。念のため、日本ブランド不買運動の可能性まで見込んで、来年の営業計画を立てておいたほうが懸命です。自分の会社が「反日」の槍玉にあげられた場合のことも想定しておきましょう。反日運動が過激化して在住の日本人が危険に曝される場合のことも想定して、中国脱出計画を練り上げておくことも大切です....

もちろん、こんなことは無いに越したことは無いのですが、コンピュータの2000年問題にはどの企業も熱心に対策を講じてきたではありませんか。中国ビジネスにおける2005年問題は、予測可能な災難なのです。


Last updated  2004.12.14 22:24:41
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