自分の国をもてたら――国防問題
昨日の話の続き。 無人島を買い取るなどして、そこを自分の国にする。 それができた場合、国防の問題はどうするか。どうやって自分の国を守るか。 いちばん良い解決策は、「何も持たない」事だろう。 軍備を持たないというだけではなくて、他国が侵略して奪い取る価値があるようなものを、何も持たない。そうすれば他国が攻めてくることはない、と言う考えは一考に値するのではないか。 そう言う訳だから、その島には資源など無い方がいい。 原油が出るなどもってのほかだ。(ありえないか。) 油田が無ければイラクだってアメリカに攻められる事はなかっただろう。 金属資源もいらない。 付近の海で魚が取れなくても良い。 そういう、とことん利用価値の無い島が良い。 建物も、他人に利用価値があるかもしれないような、工場などは作らない。 産業はゲームソフト制作関連のみ。これなら工場は要らない。開発だけやって、生産・販売は他の国(多分日本)の企業に任せる。 これで良いような気がしたのだが、事態はそれほど単純ではない事に気がついた。 昨日の記事のコメントにのんくさんが書いているように、小さな独立国と言うのは、テロリストなどの犯罪組織に狙われる可能性がある。日本から独立したら、日本の法律では罰せられなくなるからだ。犯罪組織にとっては重宝な場所になるかもしれない。 そう言った勢力に対向するために、ある程度の戦力は必要だ。 拳銃ぐらいはアメリカかどこかから輸入して、国民にはある程度の戦闘訓練を受けさせるべきだろうか。 まて。拳銃で対向できるのは、せいぜい軽装備の歩兵が相手の時だけだ。 テロリストが船で攻めてきたとき、敵が上陸するまで何の手出しも出来ないのでは心もとない。もしかするとヘリコプターで攻めてくるかもしれない。 バリバリの重戦車や、戦艦と戦う事までは考えなくて良いと思うが、せめて軽装甲の車両・船舶に対する攻撃手段ぐらいは持っていないと不安だ。 しかし、そう言った武器を持てば、それがさらなる問題になる。 最初は日本からの独立を認めていた(日本政府が独立を認めた、と言う前提で話を進めている)日本政府も、僕の国が拳銃、そしてそれ以上の武器を調達している事を知ったら、あまり良い顔はしないだろう。独立国の認可を取り消して、銃刀法違反か何かで逮捕しに来るかもしれない。 日本が僕の国の武装を許しても、他の国が拒否反応を示すかも。 テロリスト集団と間違えられて、アメリカが攻めてくるかもしれない。(油田が無いから大丈夫だとは思うが。) 北朝鮮の反応も心配だ。 北朝鮮は、日本が軍備を増強するための隠れ蓑だと思うかも知れない。とんでもない誤解だが、しかし日本の一部が独立国になれば、そういう利用法もある、と言えばそうかもしれない。どうも国土にする無人島は日本海側は避けたほうが良いようだ。(それで済む話でもないが。) 軍備をもって、なおかつ他国に警戒されないためには…。そうだ、とことん自衛しか出来ない戦力しか持たないと言うのはどうだろう。 日本の自衛隊は軍隊ではないと言う事になっている。 憲法上軍隊は持てないので、自衛の能力しか持たない、自衛隊だけしか持てない、そういう話だったと思う。 だが、普通の軍隊と自衛隊の違いって何なのだ。 他国を侵略するための装備を持たない、と言う事だったと思うが、その「他国を侵略するための装備」って具体的には何なのだ。 主力戦車もあるし、兵員輸送車もあるし、イージス艦も持っている。国産の戦闘機も開発しているし、戦闘機はアメリカからも買っているのではなかったか。今羅列してて気が付いたが、空母は持っていないのか。あと、空中給油できる戦闘機も持ってはいけないと言うことだったか。 軍事の素人には良く分からない話である。 なんだか、自衛隊でも、他国の侵略ぐらい出来そうではないか。多少不便かもしれないが。 そんな事だから、湾岸戦争、イラク危機などの国際有事に、「軍隊を派遣しろ」と言われるのだ。 と言うわけで、わが国の持つべき軍隊は、「明らかに他国を侵略できない装備の軍隊」だ。 歩兵の主武装は、ネバネバする物体を射出して敵歩兵の行動を封じる「トリモチバズーカ」だ。 捕獲ネット射出装置も携行すると良い。 麻酔銃ライフルも有用かも。 閃光で敵の目をくらませるスタングレネードは実在するし、いいな。 催涙ガス、麻酔ガスなんかで敵を無力化するのもありだ。 どこかの軍事関連の企業が、「ものすごい悪臭で敵の戦闘意欲をそぐ」兵器を大真面目に開発していると言う話を聞いた覚えがあるが、それも実用化されたら欲しい。 船舶等を攻撃するためには、残念ながら殺傷能力のある兵器を使わざるを得ないだろう。 兵器に詳しくないので良く分からないが、機銃の類を使う事になるのだろうな。 そう言った装備は、港に固定しておいて、持ち運びが不可能にしておけば、「明らかに他国を侵略できない」と言う条件を満たす、かな? 本気で考え出すと次から次に問題が出て来て、切りがないので今日はここまでとする。 この問題を考えれば考えるほど、「なるほど、今の自分は日本と言う国に守られてるんだなあ。」と言う事を実感してしまったのは奇妙な収穫だった。