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からくり・・・ この単語には憧憬に似た想いを描く。 技術者でなくとも、男でなくとも、 カラクリと言う響きには興味を持つはずだ(断言 カラクリ細工と機械は異なる。 機械とはテクノロジーだ、 利便性を追求した、歴史が研鑽してきた人の牙だ。 だが、カラクリは芸術だと思う。 ごく単純な物理現象の精巧な組み合わせ、 そこには強固な意思が宿り、 魂すらも顕現する。 そんな伝統芸能だと思う。 本作のタイトルにあるカクレカラクリとは何か。 天才カラクリ技師、磯貝機九朗の渾身の遺作=隠れ絡繰り が、 とある村に隠されていると言うストーリーから始まる冒険劇だ。 村を左右に分断する豪族、 山の真知家と谷の山添家。 犬猿の仲で知られる両家がある日互いに協力し合った時があった。 それが、120年前のカクレカラクリ製作のスポンサーになったことだった。 120年後に動き出し、両家に祝福をもたらす。 そういう言い伝えであったが、 120年前と言えば1900年よりも前になる。 電気も今ほど広くは普及してないだろうし、 メカニズムは現代と比べるまでも無い。 ハッキリ行って現代の技術を持ってしても、 メンテも無しに120年間起動し続ける機構は難しいだろう。 当時のエネルギーと言えばゼンマイか、水車か、重力か、 果たしてどのようにエネルギーを取るのか? どうやって120年後に正確に動くように仕向けるのか? 時代の壁は分厚く、絶対だ。 当時の天才と言えど、現代の工学部生レベルのテクノロジーだろう。 懐古趣味(誤字ではない)の工学生達が、 機九朗の思考をトレースして脳をフル回転させる。 作ったのが人間ならば、 それを解くのも人間である。 巨大なカラクリの痕跡を廻る冒険。 もう、コレだから森博嗣は止められない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.04.24 22:00:48
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