初めて会った時はまさか、と思ったが、まさか本当にお前だったとは思わなかったぜ、アトラス。
く!
あー、すまない。予想外の展開は嫌いじゃ無いんだが、できれば説明頼む。
……アトラス・ゼミルガーは俺達30人のジーンの内の一人で、
俺と同じ試験管で生まれた男だ。
なるほど、だから『義兄さん』なわけか。
義兄さん、俺はもうジーンナンバー8のアトラスじゃない。ガーディアンに所属するアトラス・ゼミルガーだ!
あんたが知るアンドロイドじゃない!
そんなに憎いか? 俺が。
違う、俺が憎いのは俺達を作り上げたあの大人たちだ! 俺達全員を道具として扱い、最終的には飽きた玩具のように処分していった、あの親達だ!
……だが、もう彼等は皆死んでるんだぞ?
確かに、俺達の世界ではそうさ!
だが並列世界や異世界での俺達は!?
……まさかお前!
俺は全ての世界を行き、
プロジェクト・ジーン自体を全て抹殺する! 勿論あんた等ジーン全員を含めてだ!
馬鹿な! お前達ジーン30人は兄弟も同然。そいつ等を殺すってのかお前は!
………怖いんだよ。
俺の心臓が発動させるこの血が! 身体が! 意識が! 心が! 魂が! 能力が!
呪われているかのような感覚だぜ…………こんな物、存在しちゃあいけねぇ。
あんただってそう思うから戦いを仕掛けたんだろうが!
…………
義兄さん。俺達はあの冷たい牢獄の中であんた達が助けてくれるのをずっと待ってたんだ。
俺達をあの時唯一救ってくれる希望の光だと思って、ずっと!
けど、アンタ達は来てくれなかった! 俺以外皆死んじまったんだよ!
お前は……
……皆死んで、俺だけになった瞬間、ガーディアンという組織からスカウトされたんだ。俺は助かる為に、そして何時か仲間達を殺した連中に復讐する為に組織に入った!
お前は……!
もう、戻れないんだよ……
炎は一度点火したら止まる事知らず広がって行く。被害を食い止めたいなら、速いうちに『鎮火』するんだな!
逃げる気か!?
アトラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアス!!!!
……さよなら、義兄さん。次に会う時は
殺しあう時だ!
……逃げられたか。
…………アトラス、炎を鎮火する為に、俺に何を望む? なぁ、義弟。
続く