<数年前>
じゃあな、ジャック。また明日ー!
ああ、クイント。また明日……
(ジャック・ロンドリオス。当時高校生の彼は、将来を有望視された少年だった。特に、彼は野球を幼い頃から好んでやっていたためか、将来はメジャーになりたいと言う夢も持っていた)
(彼は毎日、家からの帰り道に自主練を行っている。川原での素振り、その後はランニングしながら帰る。何時もの日常である)
だが、そんな日常は誰かが来ただけで、硝子のように砕け散る程に脆いものだった
あっちゃー、しまったな! まさか突然雨が降るとは、ついてねぇ!
やあ、少年。
? ああ、どうも……濡れますよ?
私の心配はいいよ。だが、君は見ていて興味がある。組織は引き入れろ、と言っていたが、まあいい。後で始末書程度は書いてやるさ
? 何を……
いい人生を、ジャック君。楽しんでくれたまえ
カッ!
(光ったのは紫の光だったか。兎に角、あの光を浴びた日から何かが狂い始めた。突然の両親の離婚、学校での苛め勃発、親父のギャンブル、借金取りからの逃亡生活……)
―――今まで上手く行っていたのが、まるで夢だったかのように思えた。そんな風に思える『壊れた日常』―――
(……気付けば、『ジャック』は共に夢を追い続けたバットを握り、自分を追い詰めた者を
打ち抜いた)
(警察がやって来た時もバットで打ち抜くだけだった。やってきては殺し、追いかけて殺し、追われたら殺す。バット一本でよくここまで出来たものだと、正直自分に呆れてしまう)
(そして気付いた時には、刑務所に入れられていた)
後の出来事は皆知っての通りだ。神鷹・カイトの目につき、流されるままに奴に付き合わされる羽目になる。
そして、最終的にやって来たのは、改めて自由になれるのか試される日だった。
だが、もし自由になれたとしても俺はどうすればいいのだろうか。
―――分らない―――
いや、それ以前に、今は結構ピンチだったな。
生か死か……昔の俺に、こんな光景想像できたかなぁ?
でけぇ!? こいつ等、この青髪がどうなってもいいってのか!?
(ジート)
甘く見ないで貰おうか。主たちの最大の標的は貴様だ。こちらのダメージはそちらよりも遥かに小さくてすむ
(ん? コイツ、確か青髪だったはずだよな? ……あれ? 何で見えないんだ?)
カッ!
(何も見えない……何も感じない……何も出来ない……何だろう、何かとても不思議な……)
どごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!
続く