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中林さん

中場満の痴観妄想(ちみもうそう)コラム4

-『サンタさんのプレゼント』-

文/中場満 text= Mitsuru Chuba
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やあ諸君、元気かね?

先日、とあるイベント会場で、
このコラムのファンという無垢な女性と出会い
ハグを交わした。

フッ、フッ、フッ・・・

ところが、帰り際に、
そのイベントを主催しているおやじとも
ハグを交わしてしまった。

嬉しいような、悲しいような、
何とも言えない微妙な気分で一日を締めくくった。

ところで、突然の質問だが諸君は、
「肥えた女性」と「料理の本」って話を知っているかね?

では、「高校生」と「汚れた袖」って話はどうだ?

それじゃあ、
「中年男性」と「眉間のしわ」って話は知っているかな?

この中の一つでも知っていると答えてくれた諸君!

私のコラムを読んでくれていたんだね。

ありがとう。

三つとも読んで知っていると答えてくれた諸君!!

諸君は、私の同志だ。

諸君との出会いを心から歓迎する。

そして、諸君はもう立派な妄想族の一員って言ってもよい!!

フッ、フッ、フッ・・・

さて、このコラムも今回でもう4回目だ。

馴らしはこれくらいにして、
そろそろ暴走するとしようではないか。

今回は、妄想族である特別な諸君のために、
とっておきの艶っぽい話を紹介しよう。

あれは、年の瀬のある日の夜のこと、
私は仕事を終えて靖国通りを歩いていた。

すると、前方に髪の長い若い女性が一人、
何やら辺りを見回しているのが目に入った。

私が彼女に近づくと、
「あの~、ちょっとお聞きしてもいいですか?」と、
その彼女が私に話し掛けてきた。

んっ、なんだろう?

もしかして、おじさんを狙った詐欺かな?

このままどこかで一緒にお茶を飲んで、
気が付いたら、高額の宝飾品や絵画、学習教材なんかを
買わされてしまっている。

そんな話を聞いたことがある。

すると、彼女は「靖国通りってどこですか?」と
尋ねてきた。

えっ?靖国通り?

靖国通りを歩いている私は一瞬耳を疑ったが、
すらっとした長身で清楚な感じの彼女は、
人を騙すようには見えない。

人を見る目に長けている私は、
すぐに、彼女は本当に道に迷っていることを察し、
「目の前の大通りがそうだよ」と答える。

すると、「○○って紳士服店は近くにありますか?」と
彼女はさらに尋ね返してきた。

「○○は知らないが、君はどこへ行きたいんだね?」と
私は逆に彼女へ問い掛けた。

彼女は、「小川町へ行きたいんです。」と
答えた。

「それなら、この道をむこうへ真っ直ぐ歩いて行ってごらん」と
私は優しく教えてあげた。

それから四・五日経ったある日のこと、
私は新橋で用事を済ませた。

時間は、未だ20時ちょっと前だ。

折角、ここまで来たのだから、
久しぶりに、昔好んで行った店でも寄ってみようかと思い、
その店が入っているビルを目指した。

私のお目当ては、
『サン・スーシー』という名前のBARである。

もう、十数年も行っていない。

この店は、交詢社ビルの1階に入っており、
入口は西五番街通りに面している。

隣には、『ピルゼン』という名の
チェコ風のビアホールがあった。

たしか、この『サン・スーシー』というバーのトイレと、
『ピルゼン』というビアホールのトイレは、
互いに店の裏で繋がっている同じトイレだったように記憶している。

諸君の中にはご存知の方も多いと思うが、
交詢社ビルは、明治時代に福澤諭吉が結成した
日本最初の実業家たちの社交倶楽部『交詢社』のために創られた
近世式ゴシック調の趣のある建物である。

今、思い出すだけでも、実に懐かしい気分だ。

果たして、今でもその店は残っているだろうか?

交詢社ビルに近づくにつれ、次第に私の心が高ぶった。

ところが、それらしい場所へ行っても、
お目当ての店も、私が知っている交詢社ビルもなかった。

そこには、真新しいビルが建っていた。

交詢社ビルは、建替えられていたのであった。

少し気落ちしてビルの前に佇んでいたわたしの耳に、
「あの~、ちょっとお聞きしてもいいですか?」と、
若い女性の声が聞こえた。

声のする方を向いた私に、
「○○ってどこですか?」とその女性が尋ねてきた。

あれっ、どこかで彼女と会ったような?

ストレートで綺麗な長い髪と、
すらっとした長身で清楚な感じの彼女・・・

そうだ、あの時の靖国通りの彼女だ。

出会いというのは恐ろしい。

何と言う偶然だ。

何だか懐かしいような、嬉しいような気分になっていた私は、
数年来の友人に話すかのように、「そこの交詢社通りを左に曲がって・・・、
銀座通りにぶつかったら右に曲がれば分かるよ」と教えてあげた。

が、彼女の表情は何だか不安げのようであった。

お目当ての店が無く、時間に余裕のできた私は、
彼女の心中を察して、その場所まで道案内することにした。

彼女は未だ私に気付いていない様子だった。

道すがら、彼女に靖国通りの話をすると、
ようやく彼女も私に気付いてくれた。

彼女に笑みがこぼれた。

この瞬間、私と彼女の間の距離が、
一気に縮まったように私には一方的に感じられた。

余り会話はできなかったが、彼女のお目当ての場所に着いた。

「ここだよ」と私が教えると、
「あっ、もう閉まっている」と彼女の微かな声が聞こえた。

彼女を案内し終えた私は、彼女のことが気になったが、
「じゃあね。」といって振り向き、帰宅の途につくことにした。

すると、背中の方から「あの~、ちょっと時間ありますか?」
と彼女の声が聞こえた。

振り向くと、「どこかで飲みませんか?」と
彼女からのお誘いが・・・

えっ、えっ~、本当に! !

夢みたい!!!!!

サンタさーん!

そんな出会いのプレゼントを私にくださーい。

「そんな夢のような出会いなんてある訳無いだろ~、
年末なんだから、もっと真面目に仕事しろ!
この妄想族が・・・」

そんな声が、天から聞こえてくる。

そうですよね、分かりました。

・・・・・・・・

あの~

それじゃあ、お年玉でもダメですか?

んっ? 未だ言うか・・・

ごめんなさーい。

残り少ないですが、今年は言動にチューいします。

そして、来年はそんな戯言もぉ~言いません。

諸君!今年はこれでお終だ。

少し早いが、良い年を迎えてくれたまえ。

フッ、フッ、フッ・・・

(日常評論家 中場満) 

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覆面ライター中場満(ちゅうば・みつる)こと 中林猛季プロフィール

・知財コンサルティングのエキスパート。Heizにはナカバマンがついている!

「自分のビジネスの価値は何?その価値はいくら?価値が見えるから、適正な値付けが出来る。あとはその価値をお客様に見せるだけ・・・だから、理由のない値引き競争や値下げ競争には巻き込まれないでください。」


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交詢社のビルって今は銀座6丁目にあるんですね。中に「サン・スーシー」はなかったのが残念。。

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Heiz銀座広報誌【新価値通信BE☆SEE 第10号】 


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