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カテゴリ:ネットワーク社会と未来
「ヒルズな人たち」 IT業界ビックリ紳士録 佐々木 俊尚著 2005/5 小学館 B6判 / 253p この本が発行されたのはまだ1年前のことだ。まだまだヒルズはパンパンに張り裂けんばかりに膨れ上がっていた。その後、ライブドアのHモン事件があったとは言え、現代の何かを強烈に表現していることにはかわりはない。 この本を読んでいて、私はつくづく食わず嫌いな人間だなぁ、と思う。一年前は、この本のタイトルだけで、眉唾ものと判断して、毛嫌いしていただろう。基本的にこういう本は嫌いだ、と自分で思ってしまっている。 この十年間、インターネットが一般化してから、本当に本を読まなくなった。読むとしても、それはパソコンの技術書的なものが圧倒的に多かった。しかし、不思議なもので、昨年の春にmixiに参加して、他の仲間たちにうながされるように本を読み始めたら、いつのまにか、乱読につぐ乱読が始まってしまって、なかなかとまらない。 本は面白いな、と思う。特にこの本は面白い。この本のタイトルから察するより、はるかに真面目でジャーナリスティックな本だ。 まず、この本を読んで最初に感じた驚きは、この本に登場する10人のほぼ全員の浮き沈みが激しいことだ。「総じて言えば、ネット企業家たちの人生は轟音を立てて走るジェットコースターのようなものである」p248と著者はエピローグで語っている。 これだけの浮き沈みの中での人生だ。あのHモンだって、まだまだ浮かび上がってくるに違いない。そう、それは間違いない。 そして、それに続いての驚きというか、やっぱりな、と思ったことは、彼らの生い立ちにまつわるいくつかの符号だ。それは、日本人ではない、ということ。いや、それはなにも差別的な意味ではない。事実として、この本は淡々と書いている。 ソフトバンクの孫正義は、その名前から大陸系だとは思っていたが、「在日三世である(現在は日本籍)。祖父は戦前、働き口を求めて朝鮮から九州・筑豊炭鉱に渡ってきた。父・三憲は孫が思春期を迎える頃にはパチンコ店の経営などで財をなすようになったが、孫が生まれたころはまだ、佐賀県のJR鳥栖駅に近い通称「無番地」のバラック長屋で貧困にまみれた生活を送っていた」p68 オーケイウェブの兼元兼任は「もととも在日韓国人である。名古屋で生まれ育った。高校の時、両親の意思で家族ごと帰化し、日本国籍を得た。子供のころに受けた差別は、今もえぐられるような痛みとなって、心の底に残っている。」 青年時代になってからもドラム缶で寝泊り(p139)したことさえあったという。 ライブドアに対する新たな救世主となったUSENの宇野康秀の「父・元忠は、華僑だった。宇野は29歳の時に帰化している。」 前身である大阪有線放送社は「違法な行為を延々と続け、国家権力と対立し続けた不穏な企業でもあった」。p154 この本に紹介されている「IT紳士」は10名である。そのうちの3名が少なくともこのような背景をもっていたことにあらためて驚いた。 私は通常の一般人と多分おなじだろうけれど、別にヒルズに住みたいとも思わないし、ヒルズに住んでいる人をうらやましいと思ったことはない。むしろ、避けたい。しかし彼らの人生や仕事の背景をみていると、明らかに、現代の日本の根幹を揺るがす何事かの仕事を推し進めてきていることは間違いない、と思えてくる。 この本の最後に登場するのは、かつて一世を風靡した光通信の重田康光だ。彼の会社の電話営業にはほとほと迷惑したので、私は彼が大嫌いだ。かつて、米経済誌「フォーブス」国際版で個人資産が「世界代5位」とか言われたとしても、まったく嫌いだった。それは今も変わらない。 彼の半生もまたジェットコースター人生だったとして、彼は今、どの辺のコースを走っているんだろうか。私にはまったく関係ないよ。もともと、あんまし、関心もないし・・・・。 しかしである。なんとなんと、彼は復活を遂げているのであった。しかもなんと、その業種は保険代理業。おいおい、それは、あのぅ、私と同じ業種なのですが・・・・。 これは無関心でいられない。2005年上半期の保険事業の売り上げは32億円超(p244)まで達しているという。この売り上げのカウントの仕方はいろいろあるので、簡単に比較はできないが、いくら社員を抱えて法人組織で販売しているとしても、代理業としては超一級の売り上げだ。 うむ。すごい。 やっぱ、金儲けの才のある人たちは違うな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.03.29 12:34:02
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