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地球人スピリット・ジャーナル1.0

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2009年4月1日

地球人スピリット
・ジャーナル2.0


へ引越しました。

2006.09.11
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カテゴリ:地球人スピリット

地球人スピリット・ジャーナル2.0につづく



 「ウェブログの心理学」
山下清美  2005/03   NTT出版  単行本  209p 
★★★☆☆

 この本05年3月の発行だから「ウェブログ」といういい方が許されているだろうが、現在なら、これはブログと言い直さないと、本にはならないだろう。もちろん、ウェブ日記とかウェブログ、そしてブログと、それぞれに使い分けされており、それぞれに言い分はよくわかる。しかし、そこにこだわることにどれほどの意味があるというのだろう。

 最初、この本は、大学院生などが研究論文を共同出版したのかな、と思った。4人の共著であるが、人によっては、文末をすべて「である」の連続で書いてあり、とても読みにくい文章もあった。とても一般的な書物とは思えない、融通の効かないお硬い本だなぁ、というイメージではあった。読了して奥付けをみたら、それぞれに年齢のいった社会学の教授たちであったのには、びっくりした。

 たしかに私と同じ年代の教授たちではあるが、どこか思考法が古い。古いというか、センスがない。ちゃめっけがないというか、人を引きつけるなにかが欠けている。これがもしブログで展開されていたら、それほど多くの読者はつくまい。サービス精神が足らないと言ってもいいかも知れない。

 逆に視点を変えていうなら、もし大学に通っている学生たちが、どうしても単位をとらなくてはならない、という時、このような学問で単位がとれるなら、人気のある授業になるに違いないとは思った。もともとそのような社会心理学の学究たちによるウェブログの研究論であり、またこの本自体も、授業のテキストにも使えるように作られているのだろう。

 しかし、それにしてもちょっと古色蒼然としているのはいかがなものか。年齢のいった学究の証であろうが、この10年間のウェブログの歴史をひとまとめにして論じている。その時、あまりにも大まかな括りに私は唖然とする。まるで、日本人の縄文時代から現代までの住宅事情をひとまとめにして論じられているような、あまりに大きな括りに、正直、私はついていけない。

 この10年間のウェブの流れはあまりに膨大であった。その時代時代において、ウェブに対峙した個人としての人間の在り方は、さまざまに変化した。この変化を見るなら、この本のような社会的現象をそつなく一望するというだけでは、絶対にひとりひとりの人間の心理や魂や精神やスピリットなど、わかるはずがない。

 そもそも、社会心理学とはなんぞや。ネット社会に対峙するに,私はプログラマのような立場より、こちらの心理学者達のほうがより近い立場であろうと思う。技術的な理科系より、もっと情緒的な文科系の人間だ。しかし、ネット社会を対象として研究する学究の徒たちとはまた違った、正反対の、一ユーザーという利用者側に立っているのでもあった。

 だから、プログラマーがやるような意味あるプログラムを一行も書けないのと同じくらい、私は社会学的な積み上げの中で、なにごとか意味あることとしての発言はできない。しかしながら、ネット社会は、プログラマのためにあるのでもなく、研究の材料としてあるのでもない。人間社会に生きるひとりひとりに利用されるべくして存在しているのである。だから、私は一人の一利用者として、ネット社会のひとりのネットワーカーとしての視点から発言することになる。

 発行された年も違うし、発行された目的も違うが、この本と比較して見ると、梅田望夫の「ウェブ進化論」はなかなか好著であったなぁ、と痛感する。そこには、過去10年のウェブの顛末をそつなくまとめたというレポートはない。むしろ資意的に過去を凝固させ、これからの10年間の未来を書きだそうとする、挑発的な意図がある。

 だから、この本を読んではっきりしたのは、私はネット社会について聞いたり書いたりするのは好きだが、ただただ、それをまとめ理解しただけでは、なんとも物足りないということだ。これからどうなるのか、なにが飛び出すのか、何を飛び出させたいのか、と、そういうことに言及しているものでなければ,私においてはあまりに無価値なものになり下がるということだ。

 「ウェブログの心理学」のなかで、やや結論めいた言葉としてこうある。「おそらく、ただ書き続けることによって、その価値は発生するのである。」p136 そうは言い放ったが、この著者たちには、その「価値」とはなにか、見えているのだろうか。私には、むしろ、この「価値」についてもっともっと展開してほしい、という要求がある。

 この本、弓矢で言ったら、弓について研究し、ひとまとめしてホッとしているところがある。しかしながら、その弓から飛び出していく矢については、ほとんど何もかかれていない。私は、その矢に強い関心がある。

 現在、人間社会に登場したネット社会は、ネット社会としてただただ自足するために生まれてきたのではない。そのネット社会は、あたらしい、人類の未来をさししめすべき新しい価値観、新しい存在、新しいライフスタイル、新しい哲学、新しい世界観をうみだすべく登場してきているのである。私はそれにとりあえず、「地球人スピリット」という名前をつけておく。

 今、飛び出さんとしている「矢」をこそ見よ。





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Last updated  2009.03.30 08:37:34
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