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地球人スピリット・ジャーナル1.0

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2009年4月1日

地球人スピリット
・ジャーナル2.0


へ引越しました。

2006.11.12
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カテゴリ:地球人スピリット

地球人スピリット・ジャーナル2.0につづく



「村上春樹、河合隼雄に会いにいく」 <1>
河合隼雄・村上春樹 1996 のちに1999年に文庫本化

 村上春樹について、私は根本的な勘違いをしていた。70年代に吉祥寺で日本ライブハウスの草分け
「ぐぁらん堂」のマスターだった人が、やがて小説家になった、と思っていたのだ。連れ合いの、ゆみこ・ながい・むらせ夫人と一緒の活動もなんとなく知っているような、いないような、漠然としていたものだった。

 ところが、ごくごく最近になって、新書本で村上春樹を扱った本が連続して出版されたので、どおれ、と調べてみて初めて分かった。私は村瀬春樹と村上春樹を混同していたのだ。

村瀬春樹 むらせ・はるき
1944年、神奈川県横浜市生まれ。エッセイスト。早稲田大学政経学部卒。70年代にライブハウス「ぐわらん堂」を主宰、80年にハウスハズバンド(主夫)となる。住宅、家族等をテーマにエッセイを執筆。著書に『怪傑! ハウスハズバンド』(晶文社)、『本気で家を建てるには』(新潮文庫)、コミックス『住宅探偵におまかせ!!』1~4巻(講談社)、コミックス『熱血棟梁! 一平太が行く』シリーズ(日経BP社)の各原作など


村上春樹 むらかみはるき
1949年1月12日に京都に生まれる。兵庫県芦屋市で思春期をおくる。芦屋市立精道中学校、兵庫県立神戸高校、早稲田大学第一文学部演劇科卒業(1975年、7年間かかった)
在学中の1974年にジャズ喫茶「ピーターキャット」を国分寺で開店。
1979年「風の歌を聴け」でデビュー(群像新人文学賞)。
1981年専業作家に。
1982年11月「羊をめぐる冒険」で野間文芸新人賞受賞。
2006年チェコのフランツ・カフカ賞、アイルランドのフランク・オコナー賞受賞。
代表作に「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」(新潮社。谷崎潤一郎賞受賞作)「ノルウェイの森」「ねじまき鳥クロニクル」(新潮社。読売文学賞)「海辺のカフカ」(新潮社)など。レイモンド・カーヴァーやスコット・フィッツジェラルドなどの翻訳もある。いまの日本で広く読まれている純文学作家の一人。同時に、ロシアや米国など、世界的に読者を持つ。この意味で、現代日本を代表する作家の一人であるともいえそうだ。
近年では彼の影響を大いに受けていると指摘される「春樹チルドレン」と呼ばれる作家も出現している。

 こうして二人の経歴を並べてみると、なるほど私が混同するには、すこしは理由があったなぁ、と思う。1944年と1949年と生まれは5歳ほど違うが、早稲田大学を卒業したあと、70年代に中央線沿線でお店をやっていて、80年にお店をやめた。そのあとは、専業主夫として、あるいは専業作家として変身をとげていったという経歴は似ていなくもない。吉祥寺と国分寺、ライブハウスとジャズ喫茶の違いだって、それほど大きな違いはないではないか、と自分では思う。

 さすがに村上春樹と村上龍を混同することはなかったが、二人の春樹をこれほどまでに漠然とした認識で来たのは、この辺の感覚は、同時代的に体験してきたことであり、本を買ってまで読まなくてはならないような内容ではないだろう、という甘えというか余裕があったのだろう。それにどこか小説というジャンルに、甘さを感じていたのは事実だ。

 その村上春樹が、最近ではノーベル賞候補に、と噂されるほどになっているのだから、遅ればせながら、この人の小説を追っかける必要性を感じるようになってきた。さっそく図書館にいってみたが、どこから読んだらよいか分からないので、とりあえず、一番簡単そうなこの本を選んだという訳。

 河合隼雄については、カウンセリングを学んでくる過程ではどうしても避けることができない人だったので、私なりに知ってはいるが、村上春樹という対談者を得て、新たなる側面もみせている。この対談は、あのオウム騒動のあった1995年の12月に京都で行われている。

 20代をずっと何も考えずに必死に働いて過ごして、なんとか生き延びてきて、29になって、そこでひとつの階段の踊り場みたいなところに出た。そこで何かを書いてみたくなったというのは、箱庭づくりではないですが、自分でもうまく言えないこと、説明できないことを小説というかたちにして提出してみたかったということだったと思うのです。それはほんとうに、ある日突然きたんですよ。p66

 1949年生まれの村上春樹29歳ということは1978~79年、なるほど、この時代というのがよくわかる。

 ぼくは実は今、ノンフィクションの本を書こうと思って、そのリサーチのようなことをしているところなんです。ちょっと小説のほうは一服して、この一年はそれは集中してやってみたいという気持ちでいます。テーマを定めて徹底的に調査をして、一人でも多くの人に話しを聞いて、まとまったかたちの「非小説」をひとつ書きたいと。いろんな意味でそうすることが自分にとっても必要じゃないかと感じるんですね。p78

 たしかに1995年は、オウム以外にも、阪神淡路大震災やウィンドウズ95の発売など、フィクションとノンフィクションが交差してしまったような、そんな時代であったことは確かだ。

 かたや河合隼雄のようはこういう。

  ぼくは何をしているかとうと、偶然待ちの商売をしているのです。みんな偶然を待つ力がないから、何か必然的な方法で治そうとして、全部失敗するのです。ぼくは治そうとなんかせずに、ただずっと偶然を待っているんです。p128

 結局は、まぁ、言ってみれば、器の勝負みたいなもので、彼よりもぼくが大きい器を持っていたら彼に会えるし、彼の器が大きかったらもうだめですね。だから、ほんとうに人間と人間の勝負です。それはもう不思議なことに、6歳の子でも、ぼくより器が大きかったらこっちは負けるわけです。p149

 ぼくらのようなやり方は、宗教家の方法に近いとも言えますね。ただ、ドグマを持っていないのです。「念仏を唱えたら救われますよ」というようなことは絶対に言わない。むしろその人が自分で見つけるものを尊重する。ただし、その人が見つけるものが現代社会と共存できるかどうかについては、一緒に考えていくわけですね。p150

 心理療法家と小説家、というまったく異なる業域に生きる二人の発言の交差する点がありそうで、なさそうで、なかなか読ませる。しかし、よくよく考えてみると、とても常識的な内容の対話である。このあと、世紀末や9.11を経て、二人の活動がどうなってきたか、という視点でとらえなおしてみるのも面白いだろうなぁ、と思った。

<2>につづく






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Last updated  2010.02.19 09:11:21
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