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地球人スピリット・ジャーナル1.0

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2009年4月1日

地球人スピリット
・ジャーナル2.0


へ引越しました。

2006.11.19
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地球人スピリット・ジャーナル2.0につづく



 

「オウムと全共闘」 
小浜逸郎  1995



 先日、何気に手にした一冊の新書本がこの小浜逸郎の著書だった。この人についての予備知識はなんにもなかったのだが、友人の指摘でこの著者にはたくさんの著作があり、しかも私が関心を強くもちそうな本が何冊もありそうだ、ということが分かった。

 先日、ある会議があって、同じ建物の中に市の図書館があったので、あらたな図書館開拓のつもりで入ったら、この著者の本が何冊もあった。なるほど、こんなに読まれている人だったんだ、と初めてわかった。しかし、この人を読み始めるのなら、この本は欠かすことはできないでしょう、と選んだのがこの一冊。しかし、すでに一般書架にはならんでおらず、リクエストして「閉架書庫」から出してもらわなくてはならなかった。

 現在においては、麻原の死刑が確定し、ほかの門弟たち10数人の死刑が決定した現在において、一般マスコミなどでオウム事件はほぼ過去のこととして書かれることが多くなった。事件としては、おびただしい情報が飛び交った時代を経て、現在では、その始まりから顛末までの一部始終、全体像が見える時期になってきたといえる。

 こんな時期だからこそ、あえて、もういちど振り返って見てみようとする姿勢は必要だろう。今朝のNHK教育テレビの「週刊ブックレビュー」では
「さよなら、サイレント・ネイビー 地下鉄に乗った同級生」を取り上げていた。地下鉄でサリンを撒いた豊田亨の大学時代の友人が、事件から10年を経て書き下ろした小説で、第四回開高健ノンフィクション賞を受賞したという作品である。

 こちらの小浜の作品はなんとも1995年の12月という、実に事件直後のあわただしい社会情勢の中で書かれている。この時期にこのようなまとめができているということは、この人が、「物書き」としての相当な自覚があった、ということだろうし、自らを全共闘世代(1947年生まれ)と規定しながら、自分を決してオウム世代(精神世界世代)とは見ていなかったということが大きいだろう。逆に麻原とほぼ同じ年齢の私は、適度な距離を持つことには難しい面があった。

 私はこの本を読んでいて、オウムと全共闘を対比するのはどうかなぁ、と思った。オウムと連合赤軍なら、よい対比になるだろうし、精神世界ムーブメントと全共闘運動は良い対比だと思う。一口に全共闘というけれど、全学連、学生運動、反体制運動、70安保紛争、反戦運動、労働運動、などなど、さまざまな動きがごっちゃとなっていて、その中から一つこの概念だけを取り上げるということはなかなか難しいものだ、と感じる。

 私は小浜の6学年下の世代だから、いわゆる団塊の世代を自称する小浜たちの弟分にあたり、たしかに、裏切られたという思いを持っている年代であることはたしかだ。しかし16才で70年安保・沖縄反戦デーのデモにでたという体験から考えると、私もまた、団塊の世代のいちばん最後っ屁であったということができる。

 しかし、大学生を中心とした運動の主体が、共犯幻想とともにやがて「体制」の中にドロップインしていくのをみていて、なんだかなぁ、としらけたことは確かだ。69年の東大安田講堂の攻防は、中学三年生の冬、高校受験を控えて、コタツで勉強しながら、テレビでみていた。あの当時のことを考えると、まだ私は、左翼少年ではなかったようだ。むしろ、田舎の中学校で、生徒会の役員をやる程度の、まずまずのユートー生的な中堅的な生徒であった。

 高校生時代の体験からすると、上の世代があれだけ疑問視した「大学」というものに、すなおに受験勉強して入っていくということは、私にはできなかった。高校を卒業した私は、大学受験もせず、就職もしない(というのはウソで、3ヶ月間働いて、日本一周ヒッチハイクの資金を稼いだが)という道を選んだ。そして、仲間と共同生活しながら、旅をして各地の運動を記事にまとめてミニコミを作ったのだった。

 私は父を早く亡くしたので、それまで、母親と一緒に小さな私塾を経営して生計を立てていた。しばらくはこれで食っていけるし、サラリーマンよりは時間もできる。そう考えて私塾経営を継続することにした。「まともな就職」もせずにフリーターのような生き方を選んだことは母親を大いに嘆かせることになった。それは、あえていまに引きつけていうなら、「オウム」からの脱会過程を、母親の目の前で、しかしその内的なプロセスを理解させることができないままおこなうようなものであった。p43

 私は、この著者についてごくごく最近気がついたのだが、「宝島30」や「諸君」などに書いていた、というのだから、たぶん、それほど遠いところにいた人ではないのだろう。どういう生き方をしてきた人か知らないが、上に引用したようなプロセスだったとしたら、ある意味、非常に好感のもてる、信頼できる人であったのだろうと思える。

 もちろん、賢く社会にドロップインしていった全共闘世代もたくさんいたが、例えば、先日ようやく読んだ
青柳純一なども、小浜より2学年ほど下だが、彼もまたとび職のようなことを長いことやっていて、そしてやがて韓国に渡り、現在のような活動につながってきている。いろいろな光と影があった。

 当時のあの状況のなかで書かれたとするなら、この「オウムと全共闘」はとてもよくまとめられていると思うし、例えば、島田裕巳や中沢新一、あるいはオウム当時の吉本隆明などに対する評価は、私もほとんど同感する以外にない。とくに島田は私とほとんど同じ年齢であり、また、山岸会という共同体体験を経たあとの、宗教学者としては最低のブザマな醜態だったので、いまだに島田に対しては、アホ、と言ってしまう。

 最近、新書を求めて図書館に通うようになってから、よく島田の本を見かけるが、いまだに私は彼の本を手にとって読む気にはなれない。もう少し時間が経過して、他にやることがなくなったら、まとめて読んでもいいかな、と思うが。

 この1995年当時において、私はオウムとの距離感は明白であったが、マスメディアにおいては、極端なカルト括りの中で、Oshoが「オウム類似団体」としてカルトとみなされた誤報道が連続した時は、自分たちで出来る範囲でマスメディアへの講義活動をした。当時の細かい活動については、手元に資料がのこっているし、テレビや新聞、雑誌などのマスメディアがどのような誤報道をしたかは、ビディオを含めて多数残っているので、いつかはまとめる価値があるかもしれない。当時の活動の一端は、友人達がまとめた
「世界からOshoに贈られた評価」にその片鱗をみることができる。

 ここでは書ききれないことは山ほどあるので、後日に譲るが、基本的には、1)麻原一派は予言されていた偽マイトレーヤーとしての役割を果たしてしまった。2)ある秘術として使われるべきパワーを彼らは誤使用してしまった。3)連合赤軍が当時の反体制運動に水を刺してしまったように、麻原一派の一連の事件は、当時の精神世界やニューエイジといわれていた世界の動きに大いなる悪影響を与えてしまった。そういう意味で、極めて犯罪的であったと思っている。

 私は、連赤にもオウムにも必要以上の親近感をもつことなく、彼らの起こした事件をばっさりと切ることができるが、その母体である、いわゆる反体制運動(全共闘世代)や精神世界などといわれる社会的な風潮については、おおいに自分のものとして考え、そこに自らの足がかりを見出し、やがては、今日、あるいは未来へも続いていくべき、なんらかの指標を見出したいとは思うことがある。

 私は95年以降について、いつかは振り返る必要があるだろうとは思ってきた。しかし、時代はあまりに流動的であり、発言や表現するにしても、その場や形態のありかたに確たる方法論がなかった。このようなブログでも、実際は、どこまで使いきれるのか分からないというのが、現在のところだ。だが、舌足らずでも、未熟な総括でも、誤字脱字だらけでも、事実認識誤認であっても、多少の批判やバトルや、あるいは炎上も覚悟の上で、すこしづつでも表現していくのもよいのかなぁ、とも思う時もある。

 本書についてのまとめにもなにもなってないが、小浜については、他にも著書があるので、もうすこし読み進めてみようと思う。






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Last updated  2009.03.29 13:06:58
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