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カテゴリ:ブッダ達の心理学1.0
「チベットのモーツァルト」
この「チベットのモーツァルト」は81~83年に「現代思想」「思想」「海」などに散発的に発表された文章を一冊にまとめたものである。「あとがき」319pにあるように「1978年にはじまるぼく自身のチベット体験が色濃く反映されている」。そういえば、この時代に私も一年間インドに渡りOshoの元に滞在したのだった。当時としては、それなりの時代背景があり、私は私なりの経緯でインドに渡ったのだが、中沢には中沢の必然があった。 ぼくは、いわゆる精神世界とも神秘主義ともほとんど無縁の方角から、チベット仏教の世界に出会っていった。とりたててカリフォルニア文化から影響をうけたという記憶もなく、もともと仏教の素養すらあやしいものだったぼくをチベット仏教の世界に押し出していったのは、むしろ構造主義以後の思想的展開がもたらしたインパクトのほうだった。そのため、この本にあらわれている言葉づかいも思考の身振りも、どちらかというとポスト構造主義の思想的コンテクストに属するもののように見える。p319 この本は、ほとんど中沢のルーツの原点に属するものだが、これよりさらに以前の著書というと、「虹の階梯」~チベット密教の瞑想修行 (ラマ・ケツン・サンポとの共著 1981.7 平河出版社→中公文庫) がある。この本は、以前より所蔵しているので、近日中に読もうと思っている。95年には、「哲学の東北」がでている。これらを総合していくと次第に中沢の全体像が見えてくるだろう。 この鬼才の繰り出すワールドには、目を見張るものがあるが、特に「マンダラあるいはスピノザ的都市」p205は、このブログとの関連ではなかなか面白い位置を占める一文であると思う。その書き出しはこうだ。 スピノザの思想が現代知のなかでしめる重要性と異質性は、こんにちますます輝きを増しつつある。イタリアの哲学者アントニオ・ネグりはスピノザ哲学はぼくたちの未来に属する哲学だと書いてその重要性を強調し、またそれを「野性的な異例者」であると呼んで、ほかのどんな西欧哲学の体系にも還元することのできないその異質性に注目している。p205 また「夢見の技法」という文章の最後はこうまとめられている。 この地球上にいまだ消え去ることなく伝承されている人間の知恵(その多くは夢見の技法のように身体をなかだちにした知恵である)をつうじて、それを学んでいるぼくたち自身のほうが変わらなければならない。そうでなければ、人類学はいつまでたっても西欧知の一変種にすぎないだろうし、それがかたちづくる循環論から抜け出すことは不可能だろう。人類学というものが、夢見の技法のようにぼくたちの知のあり方をほんとうに変えてしまうことができたrならば、そのときはじめてぼくたちは人類学をつうじて、21世紀の知にめぐり会えるかもしれない。p233 この四半世紀前に書かれた文が、現在の「芸術人類学」に連なってくるとすれば、興味深い一文である。 ------------------------ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.02.01 22:49:04
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