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カテゴリ:マルチチュード
「不都合な真実」
アル・ゴア 枝廣淳子・訳 2007/1 ランダムハウス講談社 図書館に頼んでおいてからだいぶ時間が経ってしまったが、ようやく私の番がやってきたようだ。すでに書店で立ち読みしてしまっていたから、ほぼ内容は分かっているが、あらためて自宅で寝っころがって読む楽しみはまた格別なものがある。ましてや、このような美しい(あるいは衝撃的な)画像がいっぱいある本は、ゆっくり見たい。 内容は、正直言ったら、取り立てて目新しいことはない。すでに何度も何度も叫ばれてきたことだ。でもここまで来てしまっている。はっきり言って、自分もどうしたらよいかわからない。だけど、現実は毎日毎日ヒートアップし続けている。 地方の農家の大家族の中に育った私が、幼い頃に住んでいた環境は、今と比べたら、はるかにエコロジーだったことは間違いない。田畑を耕すのは人間と牛や馬。家畜のえさは、田畑の傍らにある雑草たち。農薬などなかったから、そのまま食べさせても害はなかった。家畜の糞尿は堆肥となって、作物を育てた。育った作物は、家庭内の消費材のかなりのものに加工された。味噌、醤油、こんにゃく、納豆、梅干、干し柿や、餅菓子などもあった。 にわとりの卵も自家製だし、ヤギの乳も搾った。残飯は豚のえさになり、豚は大きく育つと町に売られて現金収入になった。柿、梅はいうに及ばず、いちじく、梨、りんご、ぶどう、栗、柚子やグミ、それから季節の野菜を取り上げたらきりがない。それらの大半は自家消費されたが、また出荷もされた。そして、それらを食べて、人々は労働にいそしんだ。眼の前で、物事が循環していた。 ところが、村を真っ二つに割るように、国道のバイパスが出来た頃から、農村の暮らしは激変した。農薬を使い、農機具を使うため、現金が必要になった。人々はその現金を求めて、建築現場や工場で働くようになった。時代は「高度成長」時代と言われた。家族は少なくなり、野菜は、どこの農家でもスーパーで買うことが多くなった。こどもたちも、森の陰の沼に張った氷の上で、下駄スケートなどで氷すべりをしたものだが、いまや、子供さえ上がれるほどの氷なんて張らなくなった。あきらかに温暖化しているのである。 農作業用の車も入ってきて、私も中学時代から敷地内は車を運転して遊んでいたものだが、青年期は意識して免許を取るのを拒否していた。しかし、それも21歳程度まで。生活上、車の免許はなくては生きていけなくなった。勿論、車も必要になった。かつて住んでいた家はすでに築300年も経過したがっちりしたものだったが、茅葺きの家など、維持できるような材料も村の組織もなくなってしまった。今すんでいる家はどこでも、30年もすれば建て替えなくてはならない、「使いすて」の家だ。 嘆いてばかりもいられない、せめてもの行動と、河原を清掃したり、マイ箸を考えたり、クールビズに積極的になったり、ゴミの分別に敏感になったりと、やることはいろいろありそうだ。環境問題を考えるなら、アル・ゴアの本もこんなカラー刷りの本の分厚いものではなくて、もっと質素なものでもよいのではないか、なんてちょっと皮肉も言いたくなる。冷房の効いた涼しい部屋で、地球温暖化対策の会議を開かれているような、そんなちょっと違和感がないでもない。 保険業界は、地球温暖化のまぎれもない経済的な影響を、すでに感じている業界の一つである。この30年間、保険会社は、異常気象の被災者への保険支払額が15倍にはねあがるのを目のあたりにしてきたのだ。p102 たしかにその通り。敏感にならざるを得ない状況がずっと続いてきている。 西部では、かつてはマツクイムシが広がっても、寒い冬がやってくるとその数が減るために、破壊的なほどマツクイムシがはびこるということはなかった。しかし、霜の降りる日が減っている現在、マツクイムシはどんどん増え、松の木は破壊的な状況となっている。p155 ここでは、モンタナ州ブレーンズの森林の画像が紹介されているが、先日行ってきた松島湾や牡鹿半島でも同じことが起きている。 将来を守るため、私たちはもう一度、立ち上がらねばならない。 p300 それはそう、確かなことなのだが・・・・・ 気候の嬉々の解決に、手を貸すためにできること p305 自宅の省エネを進めよう p306 移動時の排出量を減らそう p311 消費量を減らし、もっと節約しよう p314 変化の促進役になろう p319 おっしゃることは、ひとつひとつごもっともなことだ。だけど、このような本が、大発熱地帯である都会で作られていることに、私は最初から疑問を感じ続けてしまうのだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.02.08 21:54:29
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