「気がつくと机がぐちゃぐちゃになっているあなたへ」 <1>
リズ・ダベンポート /平石律子 2002/09 草思社 222p
No.799 ★★★★★ 原書ORDER FROM CHAOS 2001
突然始まった、家族総出による年寄りの介護で、悠長に読書したりブログを書いたりというスタイルが継続できなくなってしまった。枕元に重ねた20冊ほどの借り出し本も読み続けることができずに、一旦は返却し、「これから読みたい本リスト」の100冊ほどの予定も、とりあえず白紙に戻した。
ブログを書くことが生活習慣になってしまえば、それもまた楽しく生活の一部だが、突然のサドンデスでブログがストップしてしまうと、いままでいかに多くのエネルギーを消費していたかも痛烈に感じることになる。日常的に継続している職業上のルーティンワークにも支障がでるようになって、このまま、このブログがフェードアウトしていくのも悪くないかな、と考えた。
しかし、コミュニケーション型のSNSと違い、ブログという形態は、新しいエントリーがなくても、来訪者は次々とやってくるものらしい。確かに新書き込みをした時よりは減少するが、ある定数があり、そのアクセス数は一定していて減ることがない。それだけの発信力があるとするならば、このブログをもうすこし続けてみることも一興かなと思いなおし、久しぶりに書いてみることにした。
現在は正確に数えなおして798冊読んだことになる。予定通り、1000冊、あるいは1024冊を目指して読書を進めていくことにしようか。
それにしても、一般的なマインドは奈辺にあるか、と一般の公立図書館の開架図書を中心に読書を進めてみたが、とてもとても、数百冊や数千冊程度では、現代人のコモンセンス、などというものを俯瞰することなど、とてもできない。ましてや、さまざまな価値観があふれかえっている今日においては、その試みは嵐の中に手漕ぎボートで船出するようなものだ。
いままで思い立って図書館の本を読み進めてきたが、そのトリップはすこしお休みにして、手元に残っている本や積読本を中心に再読して、残りの冊数を埋めて行こうかな、と思い始めた。
趣味と仕事の線は、どこかでしっかり引いておかなくてはならないので、仕事場からは趣味の読書の本は排除している。だが、座右の書、とまではいかないまでも、わが事務所に長くとどまっている本が三冊あり、そのうちの一冊が、この本である。
「気がつくと机がぐちゃぐちゃになっているあなたへ」。 なんとも身につまされるタイトルである。ああ、そのものズバリで恥ずかしい。もともとは「ORDER FROM CHAOS」というタイトルなのだが、草思社のセンスにかかるとこういうタイトルになる、という好見本のような本だ。私はいままで、何度もこの本にお世話になった。各ページ、傍線とマーカーの書き込みでいっぱいだ。一時期は、辰巳渚の「『捨てる!』技術」と双璧をなしていたのだが、辰巳本は「捨てる技術」の習得によって、本そのものが捨てられてしまった。しかしダベンボード本は、何度も何度も復活してきては、カオスの中にほおり投げられて途方にくれている私を救ってきた。
準備ステップ 「空きスペースをつくる」
ステップ1 「デスクをコックピットにする」
ステップ2 「毎日の『管制塔』を持つ」
ステップ3 「書類の”駆け込み寺”をつくる」
ステップ4 「いま!決める」
ステップ5 「つねに優先順位を見きわめる」
ステップ6 「毎日の習慣」
書いてしまえばこれだけのことなのだが、実に叡智に満ちている。そして、このステップを断行することによって、私の日常的な業務のルーティンワークは驚異的に進展するのである。ダベンボードの指摘通りにはできないことも多くある。デスクの配置がベストのU字型ではなく、L字型であったり、手帳は業務用の小型手帳であったりするし、仕事上、電話をサイレントモードにすることなどはできない。
だから彼女のコーティングそのものズバリを実行にはできないのだが、その視点は正しいものだと私には思える。思えるし、実行できるはずなのだが、ステップ4~6あたりになると、いつのまにかルーズになっている自分を発見する。つまり、「気がつくと机がぐちゃぐちゃになっている」のである。このサイクルは半年に一度ほどくるようだ。
まずはともあれ、久しぶりにこの本にマーカーで更なる傍線を引きつつ、机の上をかたづけ、今日は一日、彼女のアドバイスどおりわが仕事場のシュレッダーをフル稼働することにする。
<2>につづく