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地球人スピリット・ジャーナル1.0

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2009年4月1日

地球人スピリット
・ジャーナル2.0


へ引越しました。

2007.10.12
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「ジャパンクールと江戸文化」奥野卓司 2007/06 岩波書店 単行本 229p
No.820
★★★★★

 (略)この本を書かなければならない個人的な必然性もいくつかはあった。まず何よりもぼく自身が、落語や浄瑠璃、三味線が好きだからに他ならない。それはたぶん、京都、祇園の甲部歌舞練習場の路地の一軒で生まれてしまったことに、どこか関係しているのだろう。その後、株でもうけた父親が脱サラし、河原町通りに出て書店を開業した・・・p226

 なるほど、著者の背景がなんとなく彷彿とイメージできる。本書には著者を含むスナップ写真が何枚か挿入されているが、p59やp109のご尊顔を拝見すると、かつて「パソコン少年」としては、かならずしもジャニーズ系ではなく、むしろ吉本系(失礼! m( _ _ )m )と思われていた著者も、こうしてヨワイを重ねてくると、実にいい感じのご風貌になられるものだなぁ、とあらためて敬服いたしました。

 この本、著者の過去の幅広い研究の粋を統合しながら、先にでた
「日本発イット革命」2004/12のクールジャパンを受け継ぎながら、さらに先を急いだ一冊だ。「東西とーざい」で始まる前文としての「口上」に始まり、日本文化、とくに庶民の文化についての論及が、著者ならではの視点と切り口と語り口で、つぎつぎと述べられており、まさに満身の力をこめた一冊となっている。
 
 平成中村座の座頭である中村勘三郎は、彼が勘九郎だった1970年代に、唐十郎(当時、状況劇場主宰)が赤テントを設営して上演したアングラ芝居を観て、地面に敷かれたゴザの上に座る観客たちの間を役者が走りまわり、最後にはテントそのものをこわして芝居と現実の街を溶かしあわす演劇に感動し、これこそ江戸時代の芝居小屋が現代によみがえったものと考えて、自らも歌舞伎の世界でそれを再生したいと、平成中村座をおこした。p35

 たしかに、当時の芝居の世界は黒テントや
天井桟敷夜行館、大駱駝鑑などなど、とてつもないエネルギーが渾然と渦巻いていた。さて、このジャパンクールといわれる現代日本の文化だが、意外とドメステックな鎖国状況であることは、実は大きな問題でもある。

 あなたがこの一週間にインターネットで交わしたメールの中に、外国からのものはあっただろうか。それどころか閲覧したホームページに、外国のものはあっただろうか。たしかに日本では、光ファイバー網もかなり普及したし、企業や大学だけでなく、小中学校や家庭のほとんどがインターネットで結ばれている。だが、そこで交されているメールは、日本人同士が日本語で書いたメールであり、日本人の誰かがつくったホームページやブログである。インターネットの「インター」が、世界中の大小さまざまなネットワークを結びつけていることを意味するとすれば、日本のネット状況は、「インターネット」ではなく「ドメステック・ネット」と言うべきであろう。p74

 このことは確かにいえる。私個人は日本以外のSNSやセカンドライフを通じて、英語以外にも仏語やポルトガル語、ドイツ語、ハングルやアラビア語(送られてくるだけで、ほとんど読まないが)などの外国語に触れてはいるが、発信する情報としては、圧倒的に日本語が多い。このブログも実はなんとか英語版を作ろうとして、ある箇所には実験的ではあるが英語版が存在している(笑)。

 デジタル化が進んだ今、情報の「黒船」は、もう日本列島のそばまで来ている。このまま鎖国的な情報受発信を行っていれば、世界中からのさまざまな情報コンテンツが、通信衛星やインターネットを介して、日本国内に際限なく流れこんでくるだろう。p76

 もうすでにそれは始まっている。日本人のネットワーカーとしての弱点は、とにかく英語力と自己表現力の問題だと言える。
セカンドライフに参加するには、「英語力」「財務力」「ITスキル」そして「創造力」といわれている。その黒船は、もうすでに到着していると言っていいだろう。

 アメリカの未来学者、
アルビン・トフラーの「第三の波」に代表される欧米流の「情報社会論」では、産業革命以来の工業社会への転換の後に、情報社会が出現するということが前提になっている。つまり、「脱工業化社会」の実体が情報社会である、というわけだ。p100

 30年前のトフラーの指摘は、大筋で間違ってはいなかった。すでにトフラーが指摘した情報社会は到来してしまっている。しかし、トフラーの中にみた、ちょっとハイになるような楽園的視点が、今、私たちをとりまく社会の中にキチンと見つけることはできるだろうか。

 奥野のいうような江戸文化というものには、あまり触れてこなかった私ではあるが、NHKテレビ木曜日7時半
「コメディーお江戸でござる」は毎週毎週楽しみに観ていた番組だった。解説者として登場していた杉浦日向子の江戸文化の紹介もとても楽しかったが、彼女もまた、もと漫画家であった、ということを思い出すと、ちょっと意味深いものを感じる。

 上方・関西は、江戸時代から今日まで、新しい文化・情報のインキュベーターではあるが、それを商品として全国に情報発信し、全国的ブームをつくるのは、(上方贔屓のぼくとしては残念ながら)やはり江戸・東京なのである。p174

 奥野のなげき(あるいは納得)は、江戸でも上方でもない文化のなかで育った私にもよくわかる。

 京都は1960年代末には、北山修のザ・フォーク・クルセイダーズなどの関西フォーク、京大西部講堂などがアングラ文化の拠点だったことをふまえて、いずれは京都こそがジャパンクールの世界的な家元となるのかもしれない。p179

 などという、ちょっとした悪ふざけ(だと思うが)にも、私個人としては何の違和感もないが、時代やイベントを共有しない人たちにはなんと映るかなぁ・・・・

 マクルーハンは「メディアはメッセージ」「クールとホット」などの現代社会をあらわす刺激的なキーワードを掲げて登場し、とくに世界の広告、マスコミ業界から、テレビ時代の大衆文化状況を的確に予言する学者として大いに歓迎された。p204

 
マクルーハンについては、今後、ゆっくり読み直してみよう。

 1960年代の日本は、大衆社会なのか、管理社会なのか、どちらだったのだろうか。60年代後半におこった東大、日大、京大をはじめとする全共闘運動や、ベトナム反戦を唱えたべ平連などの市民運動を考えたとき、また寺山修司、唐十郎など、東京、新宿を中心としたアングラ演劇の隆盛を考えたとき、それが当時の社会の抑圧的雰囲気に対する大衆の反発だったとも言えるし、また大衆が自由にそれぞれの主張を発信しえた時代だったとも言えよう。p204

 タイトルも目的もなしに2年ほど前に、突然始まってしまったこのブログの旅だが、いくつかの糸口は見つかってきた。現在は読書を通じてのエントリーで過ごしているわけだが、まだ、「この一冊」という風にまでは絞込みができないが、敢えてこれまでの流れでいうなら、ケン・ウィルバーの
「瞑想」に、奥野卓司の「世間」があれば、事足りるのかな、とさえ思える。「十牛図の十番」という「牛の影」の影、ちょっとは見えてきたかなぁ。

 60年代に圧倒的な力をもっていたテレビという大衆メディアの影響力が急激に低下し、今日では個人メディアであるインターネットの影響力が拡大している。こうしたメディア状況の変容にともなって、社会学の分野では、ふたたびインターネット社会における自由と管理の問題が論議さえている。p206

 
竹中労に教わった「表現の自由を求めるな、自由を表現せよ」という言葉を思い出した。





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Last updated  2009.01.22 12:40:09
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