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地球人スピリット・ジャーナル1.0

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2009年4月1日

地球人スピリット
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2007.11.02
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カテゴリ:2nd ライフ

「パソコンを疑う」 岩谷宏 1997/08 講談社 新書 212p
No.858★★★☆☆

 
そしてそれから2年経過したとは言え、1997年とは現在から10年前のこと。ドッグイアーと言われるIT関連世界において、この時代はまさに原始時代のごとくはるかな昔のできごとであるような気さえする。この本を読む限り、われらが岩谷宏はひとり気を吐いている観がある。

 今この本を読んでみれば、おかしいことが数々あり、ああ見当違いの、ああそれを言っちゃいけないの、と、さまざまな感想が次から次と思い当たる。しかし、ハードやソフトの成長過程について、ほかの本が正しくて、この本だけが著しく間違っていた、ということは絶対にない。すくなくとも、パソコンやインターネットを取り巻くハードの成長過程において、あくまでもプロではなく、通常のユーザーの立場から、一人、気概を持って立つ、岩谷宏には、ネットワーカーというより、一人の革命の志士の面影さえ宿っている。

 こまかいディティールについては、いまさらここで技術的どうのこうのということはやめよう。私はもともと専門家ではないし、この10年についての記憶も定かでないところがたくさんある。だからこまかいことは言わない。ただ感動するのは、彼は理想社会を強く夢見ているということ。そしてその実現のために、走り続けようとしていること。かつてはロックにその夢を託し、この97年の時点においては、パソコンに夢をもち、インターネットに期待しながら、彼の視点からみた、その技術の未熟さを突きまくる。

 24時間365日全員常時接続、などはある意味、現在においては実現されているとはいえるが、彼の言っているのは、プロバイダにつなぐのではなく、直接誰もがインターネットに接続すべきだということ。そして日常的エクリチュール(書くこと)として誰もがプログラムを書くべきだ、と主張する。彼の言うことはある種の理想というより、暴論だ。

 しかしインターネットに誰もが積極的に参加すべきだ、という意味では、これから後に花開くケータイ文化に、その可能性がでてきているのかもしれないし、ブログのトラックバック機能に、彼の説いた本当のインターネットの姿の片鱗が見え隠れする。この本においてもUNIXが過大に評価され、Linuxの文字もでてくる。
 
 Linixは現在のパソコンの上で使える本格的なUNIXオペレーティングシステムであり、UNIXの歴史に裏打ちされた安定性の高さで定評がある(アメリカの中小企業や地方自治体などもでの採用が多いほか、貧乏な(!?)な低開発国でネットワークを構築するためによく採用されている)。Linuxのソースコードは、完全に公開されている。またLinuxに関しては、多くの人の寄稿により、多くのhow to文書(使い方に関する文書)もそろっている。p206

 なにもいまさらLinuxの性能を云々することもないが、この時点での著者の思い込みは必死な絶叫にも聞こえてくる。もちろん、Linixは
リーナス・トーバルスが「それがぼくに楽しかったから」JUST FOR FUNと、さらりと言ってのけたところにさらにその魅力があるわけだけれども、岩谷にとっては、必死の形相で主張すべきなにかのようであった。

 だからこそ、これから5年後にはその思いが、私を傍線ひきひきキーボード曼荼羅に引きづりこんだ
「リナックスの哲学」に結実していったのだろう。この本を、2007年のネットワーカー達が笑うことは簡単にできる。しかし、それはハード技術的な進化過程からみた場合で、あって、ソフトウェアのあり方や、利用技術、そしてすすむべき本来の人間のあり方、という側面から見た場合、まったく的をはずしていないばかりか、今こそ、もう一度、岩谷宏リバイバル・ブームが起こってもいいのではないか、とさえ感じる。

 それは、また、ある意味、IT技術にはまったく疎いであろう、そして長く牢獄にあった
アントニオ・ネグリが、ネット社会の進展をにらみながら、自らの哲学をマルチチュード」という概念に凝縮しようとしている過程と、どうやらダイレクトにつながっているのではないか。まぁ、すくなくとも、この1997年の段階では、マルチチュードという単語もまだ明確なものとして打ち出されなかったかもしれないが、今、私は、ひとつのマルチチュードのたしなみとして、日常のエクリチュールとして、このブログを(プログラムでないところがかなしいが)もうすこし続けてみようかな、と思っている。著者については、もうすこしおいかけてみよう。





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Last updated  2009.01.22 09:13:40
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