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地球人スピリット・ジャーナル1.0

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2009年4月1日

地球人スピリット
・ジャーナル2.0


へ引越しました。

2008.02.11
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カテゴリ:環境心理学


「自由的アクティビストの冒険」 料理対決編 
荒 岱介:編著, 山根 克也:編著 1999/5 実践社 A
5判 132ページ 
No.986★★★★☆

 「かくめいてき」な一冊、と言わなくてはならないだろう。すくなくとも画期的とは言える筈である。拙い私の読み込みによれば、長く30年来、堅い結束のもと、マルクス共産主義を旗印にして、日本における革命の前衛たらんと覇権を競い合ってきた「かげきは」組織の一つ、戦旗・共産同という組織が、それまでの暴力的手段を放棄して、その共同性をキャンプ場における料理大会で確かめ合いながら、コンテストをしようという話しである。

 これをかくめい的といわずして、なにをかくめいと言おう。私は基本的に賛成である。荒岱介のその他の著書と一緒に読み進めてみると、なんとも異色であり、かつ英断を必要とするイベントではなかったのか、と思う。時代は、95年をピークとする麻原集団事件を背景として、ソビエト連邦の解体や、エコロジー意識の高まりが遠景に見え隠れしていたに違いない。

 「解散」「解体」すべき組織である、というのが本来の考え方でろうが、まだ逃走中の「どうし」たちがいた。少なくとも、この数人の逃走中の仲間の時効を勝ち取るまでは、なんとか「そしき」を維持しておく必要があった。街頭デモや三里塚のでの武装闘争の時代でもない。両手つないだり、歌を唄ったりの時代でもなくなっていたのである。「料理対決」することによって、組織としての共同性を維持しようとした。

 どこかの電気部品工場の工員たちが、派遣労働者に占められることが多くなり、工場全体の共同性の低下を憂いた経営者側が全国あるいは海外からの工員達を一箇所に集めて、一時休止していた全社あげての運動会を催した、というニュースとどこかでダブって見える。

 憲側からすると、偽装解体と見えなくもない。何もここで比較しなくてもいいだろうが、あの象の被り物で笑いを取っている時に、麻原集団が裏でなにごとかをしてしまっていた事実を見るとき、このような表面的な「かいたい」にだけ注目して、こちらの疑念を解くのはちょっと早すぎる。あるいは北朝鮮の美女軍団を見て、その裏の世界を忘れてしまってもいけない。

 あまりにも的外れな見方かも知れないが、すくなくとも、戦旗・共産同という名前で行われてきた活動と、この「料理対決」を見るとき、ホントかな・・・????、という大疑団が起こることは仕方がないことだ。そして、このようなカラー写真つきのレシピ集をみるにつけ、ははは、「かくめいてき」だなぁ、と冷笑せざるを得ない。

 ーゲルはナポレオンのイエナ入場に「絶対精神」の体現者をみたと記していますね。しかし人類の歴史は決して英雄や神がつくるものではなく、人間の諸関係がおりなす相互作用による協働連関の組み換えによって動いていくものですよ。とりわけ食文化の伝搬といったことは、ある個人が一度伝えただけで民衆の食文化に定着するとは考えられない。なぜなら食文化は、当該社会の社会的生産力および生産関係の一定の発展を前提としているからです。p20

 「パスタ対決」大会の委員長のあいさつも、どこかかくめい組織の片鱗を残していて、堅苦しいやら可笑しいやら。

 西太后が死に瀕して指名したラスト・エンペラー溥儀が即位した3年後、辛亥革命によって中華民国が誕生し、中国3000年にわたった王朝時代は幕を閉じたのです。「グルメ栄えて国滅ぶ」といったところですか、その時代の協働関連の相から見た場合、宮廷の贅沢三昧に問題があったということになります。p43

 とおっしゃっているのは、「中華料理対決」大会の顧問。

 Qくん ラーメンは総合芸術作品で、人智の結晶というようなに私なぞは思いますが、それとは別に自然法則のようなものが作用していると。
宇野 そう、その自然法則の歴史的貫徹に私はこだわっている。つまり私は、科学としてのラーメンと言いたいのですよ。
p65

 おやおやこちらは「ラーメン対決」大会でのお話しですね。かくめいてきマルキストたちのおっしゃることはさすがに格調がたかい。こちらの胃袋が化学工場になりそうな気がする。

 でに今世紀の前半に現象学の鼻祖・フッサールが「生活世界への回帰」を唱え、ハイデガーが「用在的世界」を問題にしております。いまや食文化についても、それ相応の研究がなされてしかるべき時がやってきているといえましょう。p91

 ふむふむ、こちらは「家庭料理対決」大会におけるおはなしですねぇ。これからは、自宅でメシを食うときでも、フッサールやハイデガーをおかずにして箸を動かさなくてならないのでアール。なんだか、真面目なんだか、おちょくられているのだか、今のところは、私には判断がつかない。

 ント・ワークショップ料理大会パン対決は、7000年とも一万年とも言われる長い期間にわたって人類が工夫と改良を重ねてきた「パンづくり」の奥の深さをあらためて実感させた。パンづくりに従事した多くの参加者が、その難しさ・たいへんさに舌を巻いたのである。p114

 パンをつくるのになにも「対決」したり、「資本論」まで持ち出さなくてもいいようなものだが、「21世紀に向けて現代世界にもの申す豊かな文化と感性を宿した知的共同体を建設していこう」という「ブントの主張」p5には即しているらしい。






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Last updated  2008.02.27 09:43:45
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