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カテゴリ:スピリット・オブ・エクスタシー
(p60)
伝説の人物・力道山には数多くの伝聞があり、その太く短い人生は、ひとつの人間の生き方の典型として広く語り継がれている。その中にあっても、側近や妻という立場以上に、実子が書いたこの本には、さすがに実子でなければ書けないような真実がある。遠慮や突っ込みがあり、そして灯台下暗し的なあやふやさも、感じないわけではない。 しかし、それはまだ、小学校にもつかない子供たちへの手紙であり、4歳で読み書きができたという長男への配慮だったのである。豪放磊落にして、きめ細かい愛情にあふれた父親でもあったのだ。もちろん、他の要件の手紙も掲載されており、そちらはキチンとした漢字交じりの達筆である。 自動車もスポーツ・カーをはじめとして外車を何台も取りかえ、世界一といわれる高級車ロールス・ロイスも手に入れた。皇太子殿下が英国の女王の戴冠式に参列されたとき使用した二台のキャデラックがホノルルのシャーマン・ギャレージに払い下げられたと聞くと、さっそく父は、二台とも売ってくれとシャーマン・ギャレージに申し込み、二台とも手に入れた。黄色いオープンカーと新田新作氏にプレゼントしたブルーのキャデラックがこの二台である。この一件も、二台とも欲しいというところがいかにも父らしくておもしろい。p59 ベンツの300SLを手に入れたときなどは、新聞社が正月用の写真を撮りにくると、父親はこの300SLのドアを半開きにして半身をのり出してこういったものだ。 (p63) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.07.19 07:50:59
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