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カテゴリ:agarta-david
この本をふたたびめくることになったのは、またまた玉川リストにこの本がラインナップされていたからである。たしかに20年代後半からの思想界の流れを包括的に振り返ってみるとするならば、この本は明記しておかなくてはならない一冊だ。日本語初版は1979年だが、原書英語版は1974年にでている。原書英語版は1982年に改訂され、日本語版は1989年に改訂されている。 日本のいわゆるニューサイエンスものとか、ニューアカデミズムものという流れの原点にこの本があり、大きな潮流を生み出した一冊であるといえる。翻訳者の吉福伸逸らは、これ以降、いわゆるトランスパーソナルものへと、この潮流を方向づけていったのだが、その仕事全体の是非については、いずれ包括的に再点検される必要があるだろう。吉福は「トランスパーソナルとはなにか」がでた1987年当時までに、3万部を超えるぐらい出ている(P3)、と述べている。翻訳者のひとり、島田裕巳は最近のブログでこの本について触れている。現在は改訂16版ということで、最近でもまだまだ売れ続けているようだ。 私は個人的には、彼らの一連の仕事は功罪なかばすると踏んでいる。しかし、歴史に、もしも、はないにせよ、もしも、この潮流にもっとアエアネスがあったとしたら、日本の読書界や精神世界はもっと違ったものになっていたのではないか、と思うことがある。 最初の頃、「パワー植物」がわたしを導いてくれた。心がいかに自在な流れを得、スピリチュアルな洞察が自在に立ちのぼるかをわたしに教えてくれた。初めてのときのことは今でもはっきりと憶えている。詳細な分析的思考に何年も費やした後だけに、体験はあまりに衝撃的で、カスタネーダの場合のように目から涙があふれ、こみあげる思いを紙に夢中で書き綴ったものだ。初版p10 この一説などは、フランス文学翻訳者の平野威馬雄「隠者の告白」を思い出す。「パワー植物」など使っていることをほのめかすことは、21世紀の現在、あまりおすすめできるものではない。 東洋の世界観の基本的概念が、現代物理学の生み出す世界観のそれと等しいことが明らかになるはずである。そして、東洋思想---より一般的には神秘思想全般---が今日の科学理論の一貫した哲学的背景と成り得ることを明らかにしていきたい。科学の発見が人の精神的目標や宗教的信念と完全に調和しうるようなひとつの世界観が可能なのである。この世界観の基本となるテーマは、すべての現象の合一性ならびに相互関連性と、宇宙が本来ダイナミックな性質をそなえていることのふたつである。極微の世界を探究すればするほど、現代の物理学者は東洋の神秘思想家と同様に、世界を相互に作用しあい、不断に運動する不可分な部分よりなるひとつのシステムとして、その不可分な部分として人間を内包すると観るようになるのである。初版27p このようなセンセーショナルな宣言は注目を浴びやすいだろうが、現代物理学からも東洋神秘主義からも、すぐには同意を得ることはできないであろう。 物理学と神秘思想のつながりは単に興味深いだけではなく、きわめて重要なものである。それは現代物理学の成果が科学者が辿るべきふたつの大いなる異なる道を切り開いたことを示している。極端な言い方だが、そのふたつの道とはブッダへの道と核爆弾への道である。どちらの道を選ぶかは、個々の科学者の肩にかかっている。科学者と技術者の半数近くが軍のために働き、すべてを破壊するますます巧妙な手段を開発し、その限りない巧緻と創造性を浪費している時代にあっては、ブッダの「心ある道」が強調されすぎることはありえないとわたしには思われる。改訂版vp このような形での科学や物理学への警鐘となることは、本書のもっとも重要なテーマであるはずである。すでに改訂版からでさえ四半世紀が経過している。「科学者と技術者の半数近くが軍のために働」いている状況は、今でもなんら変わっていないのではないだろうか。「ブッダへの道と核爆弾への道」があったしたら、神秘思想は、彼らをして、「ブッダへの道」へと導かねばならないのは自明の理である。核爆弾への道を選択することを不可能にする必要がある。 この本の意図しているところは、東洋の知慧と西洋の科学精神の本質的な調和を示し、今までの科学のイメージを一新することである。そして、現代の物理学が科学技術をはるかに超えたものであり、物理学の道(タオ)は、スピリチュアルな知識と自己実現へと向かう心のある道(タオ)たり得ることを明らかにしていきたいと思う。改訂版p27 この本の意図が正しく理解され、より創造性の高い科学が発展することに寄与しているのなら、この本が、書かれてから34年以上経過しているのにまだまだ売れ続けていることを、喜びたいと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.06.30 20:57:32
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