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2010.06.06
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【くらしを見つめて】


  里人が生活の舞台として手入れを重ね、守ってきた山々。だが、現在は中山間地域の過疎や高齢化が進み、荒廃する森が増えている。豊かな森をよみがえらせるには、どうすればよいのか。環境保全や林業振興を図るためにも、森林に作業道を整えて間伐を続けることが急務となっている。県がモデル地域として取り組みを進める山口市阿東地福下の現場を訪ねた。
(青山直篤)


◆県モデル・山口市阿東地福下の我河内地区


  山口市阿東地福下の我河内(わんこうち)地区。県などが新しい林業モデルを探る舞台として2007年度から事業を進めてきたのが、阿武川の支流に沿って約312ヘクタールにわたって広がるスギやヒノキの人工林だ。舗装された林道から一歩入ると、曲がりくねったり起伏があったり、不規則に入り組んだ幅約3メートルの作業道が続く。間伐が済んだ森には心地よい光が差し込み、地面を下草が覆っていた。


  県の面積の7割を占める森林のうち、45%は植林した人工林だ。定期的に間伐を続けなければ、土や水を支える力のない細い木しか育たず、林業経営が成り立たないばかりか、土砂災害の原因にもなる。しかし、03年の県の調査では、県内のスギ・ヒノキの私有林の51%が10年以上、18%が20年以上、間伐されずに放置されていた。


◆実施3年 収益にめど


  過疎化が招く山の荒廃を食い止めるには、間伐材を切り捨てたままにする「保育間伐」だけでなく、運び出して売る「利用間伐」をどれだけ進められるかが鍵を握る。安価な外材に対抗して利用間伐を続けるには、安く造れて崩れにくい作業道づくりが不可欠だ。


  我河内地区で中心的に担ったのが、阿東町森林組合の高岡賢治さん(50)だった。07年に国の研修で学んだ工法を土台に、実際の地形に合わせて工夫を重ねた。同地区では国や県の補助金も入れて07年度から3年で約3・6キロと、国内の水準ではかなり密度の高い作業道を整え、約20ヘクタールで利用間伐を実施した。


  間伐で利益が出れば、コストを差し引いた分は山の所有者に渡る。高岡さんは3年間で「道を造ることで、どのくらい所有者に利益を返せるかというめどが立った」と話す。収益が出れば下刈りなど山の経営費用にも充てることができ、所有者も山に対して関心が向くのではないか。小規模な所有者が多い日本の山。高岡さんは「木の単価が安く、山はいらないから阿東町に寄付したいと話す人さえいた」と言う。


◆林業自立 課題は山積


  同地区は旧阿東町の町有林が多く、モデル事業が円滑に進んだ面があった。しかし、伐採期を遅くした大口径で高品質の木材販売と、利用間伐を組みあわせた近代林業を県全体に広げるには課題が山積しているのが現状だ。


  県は03~10年度の間伐目標を約5万8千ヘクタールと掲げたが、実際に達成できるのは約4万4千ヘクタールにとどまる見通し。山村から離れた小規模所有者から合意を取り付けて作業道を整備するのは容易ではなく、間伐作業にあたる労働力も不足。林業で自立する見通しが立たなければ補助金に頼らざるを得ず、経営合理化がますます進まない悪循環に陥る。


  県森林整備課の島谷雅治主幹は「山側のコスト削減と同時に、川下側(木材の利用)がどう歩み寄れるのかも課題」と言い、県産材への消費者の理解や、加工・流通業者の努力も必要と指摘する。


  「川上・川下」をひっくるめた包括的な林業改革は、民主党政権が昨年末に発表した「森林・林業再生プラン」でぶちあげた「国策」でもある。「コンクリートから人へ」の流れで細る地方の雇用の吸収や、国際公約で掲げた温室効果ガス排出削減といった多様な問題解決の糸口を「山」に向けているのだ。


  しかし、利用間伐を進めようにも、「木材があまりにも安く、採算が合わないままではボランティアでしか出せない」(高岡さん)といった現実もあり、「プラン」の理念と現場にはギャップがあるのも実情。50年、100年単位で進める林業には政策の一貫性が必要だ。阿東町森林組合の山本秀生代表理事(62)は「森林整備は失敗したらゼロからの出発はできない」と強調する。

出典
asahi.com

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利用間伐の持続的遂行:電気屋しょうちゃんの現場日記






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Last updated  2010.06.06 17:20:10



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