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カテゴリ:映画
20世紀末を象徴する民族紛争のひとつ、旧ユーゴスラビアでのPKF活動中の米軍が主役の
この映画、見事なまでに中身がない。 はなから、社会風刺などを期待してはいなかったが、アクション映画としても華のない作品である。 予告編は映画館で観たのだが、世間で若干注目されたらしい臨場感・スピード感はほんの一部のシーン でしか確認できなかった。DVD鑑賞であるという割引があることは確かだが。 まあ、ひさびさに米軍のとてつもなく高価な兵器(F-18戦闘機・空母)を盛大にアピールした 作品を観たことにはなる。しかし、脚本は非常にお粗末。とりあえず分かりやすくセルビア人勢力を 残虐非道にしておいて(これは事実の側面ではある)、問答無用の追跡者に演出。和平交渉の困難さは、 単なる障害物としての小道具となる(これはまあ致し方ない)。主人公はと言えば、自業自得で僚友を 巻き添えにし、地元の抵抗勢力を巻き添えにし、泣き言を繰り返し、ただ闇雲に「直線的に」遁走するのみ。 そして、エンディングにおいての解決方法は9・11前後の米国を象徴しているような手段。あれを やっちゃあ、相手と同じでしょが。根底に流れるものは、「ワンス&フォエバー」、「ブラックホーク・ダウン」と同様である。 キャスティングに関しては、しみじみとジーン・ハックマンの老いを実感。「ザ・ロイヤルテネンバウムズ」での お茶目な老いではなく、くたびれた老いは見ていて痛々しい。後の人物は、・・・没個性。 ※なお、この旧ユーゴスラビアを取り巻く悲劇の側面を知る資料として、 故坂口尚氏著『石の花』@講談社漫画文庫(全5巻)をお薦めしたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.06.04 02:15:19
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