STORM CORROSION(ストーム・コロージョン) ~ OPETH + PORCUPINE TREE
STORM CORROSION 『 Self-Title 』(1st Album , Roadrunner Records , 2012)・song-list:01. Drag Ropes02. Storm Corrosion03. Hag04. Happy05. Lock Howl06. Ljudet Innan07. Drag Ropes (*demo)08. Hag (*demo)*Bonus-Track Japan-Edition・Members: Mikael Akerfeldt ( Vo,Gt,Ba,Key and more... / OPETH )Steven Wilson ( Vo,Gt,Ba,Key,Sampler,Programing and more... / PORCUPINE TREE )*Additional-Member:Gavin Harrison ( Dr ,Percussion / PORCUPINE TREE )Ben Castle ( Woodwinds )♪Storm Corrosion - Drag Ropes (PV)⇒ http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=manW5v-AR7U※ 影絵仕立てのアニメーションだが、あまりにもダークな作風で、あまりにも救いようのない終わり方で子供が見たらトラウマになりそう...。あと、このアルバムの音楽性をよく表しているジャケット。百鬼夜行の中に紛れ込んでしまった少女といった趣のダーク・ファンタジーなイラスト。かつてデスメタルから始まった頃から聞いているOPETHファンは最新作『Heritage』での変貌にはウンザリしているファンが多いらしく、自分も遡ってではあるがその頃の音源から聞いているので7th Album『Damnation』でスティーヴン・ウィルソンが深く関わってきた(*3曲目「Death Whispered a Lullaby」の作詞など)時点からミカエル・オーカーフェルト(リーダー兼Vo,gt,key 他)のクリーン・ヴォイスで歌っている割合が増えたので「ん?なんか違くね?」と大がかりな路線変更を心配していたが次作の8th Album『Ghost Reveries』で以前の静と動のデスメタルに持ち直していたので安心した。が、9th Album『Watershed 』になるとまた歌モノ路線に。最新作の10th Album『Heritage』は曲づくりやキーボードのフィーチャーされた70年代のアートロックと呼ばれていた頃のクラシック・ロックっぽいアプローチが目立ち、明らかに初期のOPETHとは全く別モノの音楽になってしまっている。(ちなみに一番好きなアルバムは5th Album『Blackwater Park』)他のバンドにも言えることだが同じ曲、似たような曲ばっか演ってたんじゃや演る方も飽きる。それはよく分かっている。しかし聞く側からするとカッコイイから聞いているサウンド、変わらなくていいサウンドが変わってしまうことが何よりもつまらない事なのだ。はっきり言って自分はOPETHにはこういう変化はしてほしくなかった。最新作で作風が変わってしまってガッカリしたバンドとして他にもTHE HAUNTED、IN FLAMESなども。少し前につまらないバンド、ワースト・バンドを上げているサイト(☆METALSUCKS: http://www.metalsucks.net/2012/05/22/the-worst-bands-of-all-time/ )があったが最近のMETALLICAがやり玉に挙げられている。w話はカナリ反れたが、今回のSTORM COROSION(以下"ストコロ")。上記のとおりOPETHファンならモロにスティーヴン・ウィルソンが深く関わった『Damnation』を思い出す(だろう)が、ストコロは3曲目「Hag」の中間部では多少派手な演奏が見られるが収録時間の大部分はOPETHよりも静かなサウンドスケープであり、何かのサウンドトラックのスコアのような曲で、歌入りの部分は最小限に抑えられている。その歌詞の内容も"負"の要素が目立つ。この暗くてゆったりと揺蕩うサウンドを聞くと元JAPANのメンバー5分の4が参加した伝説のバンド(*JAPANのアルバムとみる向きもあるようだが)、RAIN TREE CROWを思い出す。補足だがスティヴン・ウィルソン率いるPORCUPINE TREEのリチャード・バービエリ(Key)もRAIN TREE CROWにも参加していた元JAPANのメンバー。自分は他のミュージシャンとは感性の異なる天才の二人が一緒になった事で新たなケミストリーがおこり、もっとテクニカルでプログレッシブな曲を期待していた分、物足りなさが残る。少なくともRoadrunner Recordsから出すサウンドではないと思う。ただ、試してみて分かったことだが、このアルバムはステレオで聞くよりもヘッドフォンで密着した状態で聞くことによって二人がこだわった音づくりの繊細な部分は理解できるような気がする。聞く側としては音質よりも曲質の方にこだわってほしかったが...。