テーマ:クラシックロック(754)
カテゴリ:洋ロック・ポップス
注目されない時期の要注目盤
ザ・キンクスと言えば、一般的なイメージは「ユー・リアリー・ガット・ミー」の初期のイメージだろう。次に、RCAレーベル時代の一連のコンセプト・アルバム群のイメージをお持ちの方も多いかもしれない。ちなみに筆者はRCAの時期が大好きで、以前に紹介した『この世はすべてショー・ビジネス(Everybody's In Show-Biz)』(1972年)以外にも、すぐれた作品が目白押しである。けれど、ここでは敢えて違うものを紹介しようと思う。 1971年以降、RCAレーベルで6枚のアルバムを発表した後、キンクスはアリスタへ移籍する。本作『ミスフィッツ』(ちなみに、以前は『歪んだ映像』という邦題が付けられていた)は、1978年に発表した同レーベルでの第二弾アルバムである。 1977年のアリスタ移籍以降、キンクスのアルバムはRCA時代のようなコンセプト・アルバム然としたものではなくなる。しかし、そのような要素が完全に消え去ったわけではなく、『スリープウォーカー』(1977年)や本盤『ミスフィッツ』は、どこかしらストーリー性を残している。 本盤では、そうした叙情性の比較的強い曲が実に輝いている。1曲目の表題曲「ミスフィッツ」は、作者自身(レイ・デイヴィス)が"3番目に好き"と語っている。4.「ロックン・ロール・ファンタジー」も絶品の出来。その一方で、2.「ブラック・メサイア」や7.「リヴ・ライフ」といったところでは、ロックバンドとしてのまとまりが素晴らしい。おまけにもう1曲付け加えるなら、目立たないが、9.「トラスト・ユア・ハート」も密かに名曲だと思う。 アリスタ時代のキンクスはパッとしないという印象を持っている人もいるかもしれないが、この『ミスフィッツ』とその前作『スリープウォーカー』のあたりは結構おすすめなので、機会があればぜひ一聴いただきたい。 [収録曲] 1. Misfits 2. Hay Fever 3. Black Messiah 4. A Rock'n'Roll Fantasy 5. In A Foreign Land 6. Permanent Waves 7. Live Life 8. Out Of The Wardrobe 9. Trust Your Heart 10. Get Up ~以下、現行CD(『ミスフィッツ+4』)所収のボーナス・トラック~ 11. Black Messiah [single remix] 12. Father Christmas 13. A Rock'n'Roll Fantasy [U.S. single edit] 14. Live Life [U.S. single mix] 1978年リリース。 ミスフィッツ +4/ザ・キンクス[SHM-CD]【返品種別A】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016年12月29日 21時28分24秒
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