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音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2009年09月13日
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テーマ:Jazz(1961)
カテゴリ:ジャズ

吸い込まれていく感覚に浸る快楽


 ジョージ・ウォーリントン(George Wallington)は、ビ・バップのムーヴメントに加わった数少ない白人。ちなみに、彼はイタリアのシチリア生まれで、出生名はジョージ・ウォーリントンはではなく、ジアチント・フィリアという。1940年代から演奏を始め、やがて50年代にはハード・バップに鞍替えし、東海岸の気鋭の若手たちを集めて演奏をする。ウォーリントン以外は全員黒人というグループが、この五重奏団である。それゆえ、本作『ライヴ・アット・カフェ・ボヘミア(George Wallington Quintet at the Cafe Bohemia)』若きJ・マクリーン、D・バードらを擁したハード・バップ創成期の貴重なドキュメントという言い方もされ、有名な"カフェ・ボヘミア"でのライブ録音盤である。

 何よりも驚かされるのは、全6曲を通してバンドの統率が見事なまでに取れている点である。曲ごとに見ると、それは強烈な一体感となって聴き手の耳に向かって飛んでくる。だからといって、各メンバーが遠慮しているわけでも抑制されているわけでもない。各曲の演奏パート単位で見ると、結構、個々が好きなことをやっている。例えば、マクリーン作の3.「マイナー・マーチ」のフロント2管のソロ(さらにはそれに続く残り3人のソロ)がそうである。この曲もそうだが、随所でP・チェンバース(ベース)のアルコも聴ける。4.の終盤でのA・テイラーはやりたい放題にすら聞こえる。

 それでいてこの一体感が生まれているのはどういうことなのだろうか。唯一考えられるのは、ジョージ・ウォーリントンによる統制だと思う。各人が好き放題やりながら、リーダーのウォーリントンが実は要所要所で手綱を締め、全体をコントロールしている。その制御の仕方は抑圧的ではなく、それがこの演奏の活気や熱気につながっているのだろう。

 こうして出来上がった名ライブ演奏は、深く考えずに、ただただ聴いていればよいのかもしれない。無心に聴いていると、1曲目「ジョニー・ワン・ノート」のスリル感に満ちたイントロとそれに続く2管にあっという間に引きずり込まれる。ややおとなしめに始まる2.「スウィート・ブランシェ」の頃には、完全に彼らの演奏に吸い込まれてしまう。あとはそのまま、勢いで全6曲。気がつくと、名曲6.「ボヘミア・アフター・ダーク」(&末尾のおまけ演奏「ザ・ペック」)まで、およそ45分があっという間に過ぎてしまう。この"吸い込まれていく感覚"こそが本盤の真骨頂だと思うのだが、いかがだろうか。



[収録曲]

1. Johnny One Note
2. Sweet Blanche
3. Minor March
4. Snakes
5. Jay Mac's Crib
6. Bohemia After Dark/The Peck


[パーソネル・録音]

George Wallington (p), Donald Byrd (tp), Jackie McLean (as), Paul Chambers (b), Arthur Taylor (ds)

録音:1955年9月9日






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Last updated  2012年06月21日 06時22分24秒
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