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音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2009年09月22日
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90年代王道アメリカン・ロックの傑作


 ジョー・グルシュキー(Joe Grushecky)はペンシルヴァニア州の鉄鋼の町、ピッツバーグ(それゆえアイアンシティとも呼ばれる)出身のアメリカン・ロック・アーティスト。70年代後半から80年代半ばにかけて、アイアン・シティハウスロッカーズなるバンドに所属し(担当はヴォーカルとギター)、同バンドは"米国最高の"バー・ロック・バンド"との評価も受けた。80年代末にはこのバンドを大幅に再編成し、"ジョー・グルシュキー&ザ・ハウスロッカーズ"として再出発した。変わっているのは、ミュージシャン業が本業ではなく、教師として初等教育に携わってきたと言う点で、本業の合間をぬって時には年間150本ほどのライブをこなしてきた変り種である。

 ある時、ニューヨークでのレコーディング中にブルース・スプリングスティーンと知り合い、その縁でクラレンス・クレモンズ(E・ストリート・バンドのメンバー)の経営するクラブで演奏したり、ブルース自身のコンサートにも飛び入り参加するなどしている。そのような縁でブルースの参加(全面プロデュース、2曲共作、多くの曲でギターやマンドリンを演奏)を得て完成されたのが、1995年の本作『アメリカン・バビロン(American Babylon)』である。

 ブルース・スプリングスティーンが他人のアルバムのプロデュースをするのは82年(L・スティーヴンと共同プロデュースしたゲーリー・US・ボンズ)以来のことである。それほどにまで大御所を突き動かすほど、グルシュキーのロック・スピリットが優れていたわけで、そのことはアルバムのどの曲からも感じ取ることができる。

 音的にも詞的にもB・スプリングスティーンの諸作に通ずる点が多い。グルシュキーとスプリングスティーンの共作は1.「ダーク・アンド・ブラッディ・グラウンド」と7.「ホームステッド」。前者は、アメリカ先住民の迫害の歴史を振り返りながら米国がその上に成り立っていることをテーマとしている。後者は、グルシュキーのホームタウンであるピッツバーグにおける製鉄所の労働者の苦難の日々を綴ったもの。これら2曲はまさにブルース・スプリングスティーンが歌ってもそのままはまりそうな雰囲気である。これらに、4.「アメリカン・バビロン」と10.「ノー・ストリングス・アタッチド」を加えると、本作がいかにアメリカン・ロックの王道をいく作品であるかがよくわかる。その一方で、子どもたちから昔の体験を尋ねられる父親を歌った6.「ホワット・ディド・ユー・ドゥー・イン・ザ・ウォー」、テレビのトーク・ショーを批判的に捉えた9.「トーク・ショー」など、社会批判やシリアスな問題を扱った曲も含まれている。

 総じて、90年代はブルース・スプリングスティーンがおとなしめであったのに対し、この間、ジョー・グルシュキーは王道のアメリカン・ロックを地道に作り出していた。70年代~80年代にかけて隆盛を極めたあと、音楽シーンでは"アウト・オブ・デイト"になったかのように見えたストレートなアメリカン・ロックの脈がよりローカルなシーンでは脈々と続いていたことを示すアルバムであるとも言える。なお、日本盤の帯には"ボスの友人"なる宣伝文句(最初に見たときから、そんな売り込み方ってどうかと思ったが…)が掲げられているが、まさしくそうしたイメージのアメリカン・ロックを聴きたい人にはうってつけの一枚である。


[収録曲]
1. Dark and Bloody Ground
2. Chain Smokin'
3. Never Be Enough Time
4. American Babylon
5. Labour of Love
6. What Did You Do in the War
7. Homestead
8. Comin' Down Maria
9. Talk Show
10. No Strings Attached
11. Billy's Waltz
12. Only Lovers Left Alive

1995年リリース。




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