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音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2009年10月03日
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テーマ:Jazz(1961)
カテゴリ:ジャズ

幻のブルーノート4052番


 ティナ・ブルックス(Tina Brooks)は1932年生まれのテナー・サックス奏者。50年代にライオネル・ハンプトン楽団などでキャリアを積み、ブルーノートのオーナー、アルフレッド・ライオンに紹介されて1958年から61年にかけて録音を残すが、その後はシーンから姿を消し、1974年に亡くなった。生前、正式にリリースされたリーダー作は、『トゥルー・ブルー』(Blue Note 4041)ただ1枚であった。

 ティナ・ブルックスには、別に"いわくつきの1枚"が存在した。それが、Blue Note 4052番として発売されるはずだった本作『バック・トゥ・ザ・トラックス(Back To The Tracks)』である。発売予定の番号を与えられ、ジャケット・デザインも決定し、カタログにも掲載されながら、実際には発売されなかった"幻の名盤"として知られる。アルフレッド・ライオンがなぜ本盤をボツにしたのかはよくわからないらしいが、とにかく、当時はこの演奏が人目に触れることはなかった。

 しかし、1980年代に音源発掘が進み、1990年になって初めてもとの形で復刻・発売された(ただしこの時は限定盤LPで、CD化は1993年、さらにルディ・ヴァン・ゲルダーによるリマスター盤は1998年)。そんなわけで、これから初めて聴く人には普通に売られている1枚。要するに、普通に販売されている今となっては、別にマニアなレア盤でも何でもないわけで、"幻の名盤"だなどと言って大仰なものを期待する必要はない。いや、むしろそうやって本アルバムを相対化する時期にさしかかっているのかもしれない。

 5曲が収録され、最初の3曲がティナ・ブルックスの自作曲。5曲のうち、2.「ストリート・シンガー」だけジャッキー・マクリーンが参加している別のセッション(『ジャッキーズ・バッグ』のセッション)からのもの。聴き所はやはりティナの演奏だと思う。この人の演奏は、派手さがあるわけでもなく、何か革新めいたプレイをするわけでもなければ、豪快さを兼ね備えているわけでもない。けれども、憂いのあるブルージーな音色と節回しが特徴である。ボクシングに喩えれば、豪快な1発のパンチではなく、何十発もの小さなボディブローが後から効いてくる感じである。1.「バック・トゥ・ザ・トラックス」や5.「ザ・ルビー・アンド・ザ・パール」あたりを聴いていると特にそう感じる。

 あと本盤の特色としては、メンバーの豪華さも挙げられるだろう。ブルー・ミッチェルは全編を通じて快調というわけではなさそうだけれど、随所で快演を聴かせてくれる。そして、本作のメンバーの中で何よりも大きな役割を担っているのは、ケニー・ドリューのピアノだと感じる。上で述べたティナの演奏に聴き入るには、それを支えている彼のピアノ演奏、合間に入るピアノソロがあってのことだと思う。


[収録曲]
1. Back To The Tracks
2. Street Singer
3. The Blues And I
4. For Heavens Sake
5. The Ruby And The Pearl

Blue Mitchell (tp)
Jackie McLean (as: 2のみ)
Tina Brooks (ts)
Kenny Drew (p)
Paul Chambers (b)
Art Taylor (ds)

録音: 1960年9月1日(2.)、10月20日(1, 3, 4, 5)





 
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Last updated  2016年02月19日 07時03分09秒
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