テーマ:クラシックロック(754)
カテゴリ:洋ロック・ポップス
CSN(CSNY)やスーパーセッションの立役者としての彼の才能を見直す
スティヴン・スティルス(スティーヴン・スティルス、Stephen Stills)は1945年米国生まれのギタリスト、シンガーソングライター。バッファロー・スプリングフィールド(1960年代後半に数年だけ活動し3枚のアルバムを残したフォーク・ロック・バンド)の中心的メンバーであった。 1968年にアル・クーパー、マイク・ブルームフィールドとの共演盤『スーパー・セッション』、1969年にはデヴィッド・クロスビー、グレアム・ナッシュとともに『クロスビー、スティルス&ナッシュ(CSN)』を発表。さらに翌70年にはこの3人にバッファロー・スプリングフィールド時代の盟友ニール・ヤングを加えたクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング(CSNY)として『デジャ・ヴ』をリリースしている。いま挙げた3つのアルバムはいずれもロック史上では指折りの名作とされるものであるが、同時に、いずれのプロジェクトにおいても、他の共演者に注目が行きがちでスティルスが主役として評価されることが少ない。 その後は1970年からソロ活動を本格化させたスティルスであるが、彼の名義(厳密には彼を中心としたバンド)でよく知られているのは、1972年の『マナサス(Manassas)』である。これはこれで別個に取り上げて然るべき必聴盤で、個人的にも大好きなアルバムなのだが、これと同様にもっと注目を集めてもいいと思うアルバムがある。それが本作『スティヴン・スティルス(Stephen Stills)』という次第である。 本盤『スティヴン・スティルス』は、1970年リリースのソロ第1作で、雪の中でギターを弾くスティルスの姿(これがまた何ともアピール力の弱いというか、インパクトのない写真!)がジャケットになっている。ジャケットの地味さ加減とは対照的に、参加メンバーの方は実に豪華で、1曲目(「愛への讃歌」)からクロスビーとナッシュがゲスト・ヴォーカルで参加。4.「追憶」では、ジミ・ヘン(ジミ・ヘンドリックス)がリード・ギターで参加し、これにスティルスがオルガンで応えるという演奏を展開している。また、続く5.「ゴー・バック・ホーム」では、エリック・クラプトンがソロ・ギターで参加し、二人のギタープレイの応酬を聴くことができる。さらに加えると、2曲(7.と10.)で“リッチー”というドラマーがクレジットされているが、これは元ビートルズのリンゴ・スターである。 この豪華メンバーを迎えたスティルスのオリジナル曲10曲からなる本アルバムを聴くと、スティルスの才能と同時に懐の深さがよくわかる。CSN(CSNY)の2枚のアルバムや『スーパー・セッション』の陰の立役者になっていたのは、このスティヴン・スティルスの才であって、それなくしてはいずれも成立していなかったのではないかということを改めて認識させてくれる。単体の名盤というのもあれば、他と併せて聴いて納得の名盤というのもあっていいと思う。『スティヴン・スティルス』は、『スーパー・セッション』、『クロスビー・スティルス&ナッシュ』、『デジャ・ヴ』と並べて聴いてこそその価値の深さがわかる、そんなアルバムなのかもしれない。 [収録曲] 1. Love The One You’re With 2. Do For The Others 3. Church (Part of Someone) 4. Old Times Good Times 5. Go Back Home 6. Sit Yourself Down 7. To A Flame 8. Black Queen 9. Cherokee 10. We Are Not Helpless 1970年リリース。 【メール便送料無料】スティーブン・スティルスStephen Stills / Stephen Stills (輸入盤CD)(スティーブン・スティルス) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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