テーマ:洋楽(3284)
カテゴリ:洋ロック・ポップス
一通り有名曲になじみのある人にお勧め
ロイ・オービソン(Roy Orbison)は、1936年、米国テキサス生まれのシンガー。1955年にデビューし、とくに1960年から65年にかけては、「オンリー・ザ・ロンリー」(本盤1.)、「イン・ドリームズ」(同2.)、「クライング」(同6.)、「オー・プリティ・ウーマン」(同16.)をはじめヒット曲を立て続けにチャートに送り込み、次世代の多くのアーティストからリスペクトを受けることになった。さらに後には、大物アーティストが集った覆面バンド、トラベリング・ウィルベリーズに参加し、『ヴォリューム・ワン』の録音にも加わった。 本作は、ロイ・オービソンがロックの殿堂入りを果たした1987年、”ココナッツ・グルーヴ・セッションズ”と題して行われたライブ録音で、テレビ放送されたものである。ロイ・オービソンは商業的なライブレコーディングを認めないアーティストであったため、本作が唯一のライブ作品である。残念なことに翌88年の末に、心臓発作により52歳で亡くなってしまったため、結果的には、アルバム『ミステリー・ガール』と並んで彼の遺作となってしまった。 上で”次世代からのリスペクト”と述べたが、その”次世代”とは、本作の”フレンズ”であり、録音当時には既に名を成した一流ミュージシャンたちであった。参加アーティストには、ブルース・スプリングスティーン、トム・ウェイツ、エルヴィス・コステロ、ジャクソン・ブラウン、J・D・サウザー、ボニー・レイットといった、そうそうたる面々が名を連ねている。彼らのリスペクトぶりを示す例を一つ挙げると、ロイ・オービソンのロックの殿堂入りの際にプレゼンターを務めたブルース・スプリングスティーンは、次のように述べている。「ボブ・ディランのような詞で、フィル・スペクターのような音のレコードを作りたかったのだが、何よりもロイ・オービソンのように歌おうと心がけた」(実際、このスピーチでスプリングスティーンが言及した『明日なき暴走』所収の「涙のサンダーロード」という曲には、ロイ・オービソンの名が登場する)。 映画『プリティ・ウーマン』(1990年)の主題歌としての16.の再ヒット(この曲は、80年代にヴァン・ヘイレンがカヴァーしたヴァージョンもある)や、同じく映画の『ブルーベルベット』(1986年)の挿入曲としての2.などでロイの曲に接したことのある人もいると思うが、上で述べたように、彼を慕うアーティストたちが参集してのライブ演奏であるので、原曲に親しみたい方には、種々あるベスト盤類をおすすめする。本盤は、その上でさらに興味のある向きや、参加アーティストたちに関心のある人に勧められる一枚だと思う。 [収録曲] 1. Only The Lonely 2. In Dreams 3. Dream Baby 4. Leah 5. Move On Down The Line 6. Crying 7. Mean Woman Blues 8. Running Scared 9. Blue Bayou 10. Candy Man 11. Uptown 12. Ooby Dooby 13. The Comedians 14. (All I Can Do Is) Dream You 15. It’s Over 16. Oh Pretty Woman 1989年リリース。 【輸入盤CD】Roy Orbison / Black & White Night (w/DVD) 【K2017/2/24発売】(ロイ・オービソン) 【輸入盤CD】Roy Orbison / Black & White Night 【K2017/5/5発売】(ロイ・オービソン) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023年02月18日 05時32分33秒
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