テーマ:洋楽(3285)
カテゴリ:洋ロック・ポップス
“一発屋”で終わらなかった男、ロビー・デュプリーの復帰作 ロビー・デュプリー(Robbie Dupree)は1946年にニューヨークのブルックリンで生まれたシンガーソングライターで、今も現役で活躍している。1980年頃にAOR系のヒットが相次いだ時代に「ふたりだけの夜(原題:Steal Away)」をヒットさせ、2枚のアルバム(『ふたりだけの夜(原題:Robbie Dupree)』と『僕だけの街角(原題:Street Corner Heroes)』)をリリースした。けれども、セカンド・アルバムである『僕だけの街角』が思うようにヒットせず、あっという間に表舞台から姿を消してしまった。 これで終わっていたら、本当に“一発屋”なわけだが、ボビーはそれから8年後に突然の復帰を果たした。その後は現在まで派手ではないものの、そこそこコンスタントに活動を続けることになる。その復帰を飾ったのが、3作目となる本盤『キャリード・アウェイ(Carried Away)』で、これが発売されたのは1989年のこと。折しも日本でAORという表現が広まり、その手の曲がヒットを飛ばしていた時期である(ボズ・スキャッグスおよびボビー・コールドウェルの「ハート・オブ・マイン」の項を参照)。 とは言え、実は復帰後も大ヒットを飛ばしたわけではなく、米国においては、プロレスの人気タッグチームの入場曲の作者程度にしか覚えられていないようだ。なので、やっぱり“一発屋”と言われても仕方ないのだが、作品内容をよく吟味すれば、中身はまったく“一発屋”ではなかったと個人的には感じている。本作『キャリード・アウェイ』を聴けば、その評価もきっとわかっていただけるのではないかと思う。 最初の聴きどころは、1.「ディス・イズ・ライフ」。飲酒運転で命を落とした友人の死を歌にしたとのことで、この曲が最初に出来上がり、そこからこのアルバムに発展したとのこと。第二の聴きどころは、表題曲の6.「キャリード・アウェイ」。86年にコムサット・エンジェルズなるバンドが発表した曲のカバーで、音の重なりとしみじみしたボーカルがうまく調和した仕上がり。他には、4.「イン・リアル・ライフ」や8.「ホワイ」のような“いかにもAOR”な曲での彼の甘く哀しげなボーカルが活かされている。全体としては、前二作よりシリアスで内省的な曲が多く、ロビー・デュプリーのボーカルの良さが生きているという印象を持っている。 [収録曲] 1. This Is Life 2. Talk To You 3. Shadows On The Wall 4. In Real Life 5. Emotion 6. Carried Away 7. Tears 8. Why 1989年リリース。 下記ランキング(3サイト)に参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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