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音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2011年03月08日
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ロック変革期の一大プロジェクト


 アル・クーパー(Al Kooper)が仕掛け役となり、別々の活躍の場を持っていたミュージシャンが共演、しかも自由なジャムセッションを行うという趣旨でマイク(マイケル)・ブルームフィールド(Mike Bloomfield)を招いてレコーディングした企画がこの『スーパー・セッション(Super Session)』の始まりだった。時は1968年5月末。もはや40数年も前の話である。他の参加メンバーは、マイク経由で参加を決めた元エレクトリック・フラッグのハーヴェイ・ブルックス(ベース)とバリー・ゴールドバーグ(キーボード、一部の曲に参加)、さらには、元チャーリー・マスルホワイツ・バンドのエディ・ホウ(ドラム)だった。

 アル・クーパーは1965年のボブ・ディラン「ライク・ア・ローリング・ストーン」でも名高いオルガンに加え、ボーカルやギターを披露。マイク・ブルームフィールドの方はポール・バターフィールド・ブルース・バンドでの活躍、その後のエレクトリック・フラッグの活動で知られ、上記ディランのセッションにも参加していた。つまりは、まったく見ず知らずのミュージシャン同士というわけではなく、既知の間柄でジャムセッションを録音するという企画だったわけである。

 1日目の録音でアルバムの半分を吹き込んだものの、2日目は“その日は気分が乗らない”といってマイクは姿を消す。急遽、代わりに引っ張り出されたのが、元バッファロー・スプリングフィールドのスティーヴ(スティーヴン)・スティルス(Steve/Stephen Stills)であった。結果、本盤の前半(アナログA面)と後半(同B面)で極端に雰囲気の異なる作品となった。

 前半はまさに企画通りのインプロビゼーションの効いたセッションもの。対して、後半は即興よりも解釈・アレンジに重きを置いた内容になっている。後半の出来をとやかく言う向きもあるようで、スティルスはこの企画に見合っただけの即興性に欠けるという言い方がなされたりもする。けれども、そこでスティルスをけなすのは少し的を射ていないように筆者には感じられる。思うに、M・ブルームフィールドはインプロビゼーションに長け、即興性に強い分、曲の細部の演奏を入念に作り込んで完成させていくタイプではない。対して、S・スティルスは正反対のタイプで、考えた上で演奏を繰り広げていくタイプだったと言えるのではないか。つまり、どっちがエライか、どっちかスゴいかなどという問題ではなく、根本的にミュージシャンとしてのスタイルが違っていたということなんだと思う。

 いずれにせよ、出来上がった2種類のセッションを一つのアルバムにまとめるためにアルが行った操作(ブラスセクションの追加)はお見事だった。BS&T(ブラッド・スエット・アンド・ティアーズ)というブラス・ロックの創始者だけのことはある。ロックの商業化が進み、トップ・アーティストたちが本当にやりたいことを模索していたこの時期、S・スティルスが参加したもう一つのプロジェクト(CS&Nこと、クロスビー、スティルス&ナッシュ、後にニール・ヤングを加えてCSN&Yに発展)と並んで、また、E・クラプトンとS・ウィンウッドの邂逅によるスーパーグループ結成(ブラインド・フェイス)と並んで、ロックという音楽の新たな希望や可能性を提示する試みであった。その歴史的意義を説くのも一つかもしれないが、これら三者に共通するのは、純粋に音楽としてカッコよく、そして斬新という点にあったのではないだろうか。40年以上という歳月を経ても、そこで表現され、そこから伝わってくるロック界そのものの胎動の“熱さ”とは色褪せない、というのは、聴き手側の単なる思い入れではなく、客観的にも言えることなのかなとという気がする。



[収録曲]

1. Albert’s Shuffle
2. Stop
3. Man’s Temptation
4. His Holy Modal Majesty
5. Really
(以上、Mike Bloomfield + Al Kooper)

6. It Takes A Lot To Laugh, It Takes A Train To Cry
7. Season Of The Witch
8. You Don’t Love Me
9. Harvey’s Tune
(以上、Steve Stills + Al Kooper)

1968年リリース。



  
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Last updated  2015年11月28日 15時10分37秒
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