テーマ:クラシックロック(754)
カテゴリ:洋ロック・ポップス
デビュー盤での、既に完成された貫禄 1969年にデビューし、サザン・ロック、スワンプ・ロックの元祖とされるオールマン・ブラザーズ・バンド(The Allman Brothers Band)。セルフ・タイトルのデビュー作がこの『オールマン・ブラザーズ・バンド(The Allman Brothers Band)』である。オリジナル・メンバーは、デュアン(または原音に即してデュエイン)・オールマン(ギター)、グレッグ・オールマン(キーボード・ヴォーカル)、ディッキー・ベッツ(ギター・ヴォーカル)、ベリー・オークレー(ベース)、ブッチ・トラックス(ドラム)、ジェイ・ジョニー・ジョンソン(ドラム)。 中心メンバーのデュアン・オールマンは、セッション・ミュージシャンとしても数々の名演を残しており、スライド・ギターの即興的演奏で知られる。デレク・アンド・ザ・ドミノス『いとしのレイラ』への参加の他、別記事で取り上げたボズ・スキャッグスのアルバム(『ボズ・スキャッグス(邦題:ボス・スキャッグス&デュアン・オールマン)』)でも名演奏を披露している。1971年、バイク事故により24歳で死去し、半ば伝説的プレイヤーとして語り継がれている。 このアルバムは、何度聴いても“貫録”があるという印象が強い。デビュー作なら、普通はもっと若々しく(それゆえ未完成や未熟、あるいは荒削りな部分などが見られ)てもいいのかもしれない。けれども、オールマン・ブラザーズ・バンドは、見事に“出来上がって”しまっているのである。しかもそれは既存の枠にはまったありきたりな音楽ではなくて、ツイン・ギターにツイン・ドラムという特異な編成で、ブルースをベースとしながらも、後々“サザン・ロック”と呼ばれて定着していく米国南部の泥臭いロック・スタイルである。 少し広い文脈からこのスタイルの完成度を考えてみると、次のようなことになるのかもしれない。時代は、当初の試行錯誤の中でもがきながら産声を上げたブルース・ロックが消化され、既存のロックンロールが一皮むけて新たな形式をとり、いわゆるサマー・オブ・ラブを経て若者音楽の変革が訪れ、綜合的には現代へとつながるアメリカン・ロック・ミュージックの基礎が出来上がっていく…。そんな時代だった。この前後のミュージシャンたちは、某かの既存のスタイルに乗っかることは難しく、自ら“どんな音楽を演りたいのか”を否が応でも考えさせられた(あるいは、考えられなかった人たちはシーンから消えていった)。その意識が強かったからこそ、こういう完成されたスタイルが最初のアルバムから提示され、結果、私たちはそこに貫録すら見てとることができるのかもしれない。 “時代が熱かった”という一言で片づけるのは安直と言われるかもしれないが、オールマン・ブラザーズがその熱い時代の寵児であったのも確かということだろうか。 [収録曲] 1. Don't Want You No More 2. It's Not My Cross to Bear 3. Black Hearted Woman 4. Trouble No More 5. Every Hungry Woman 6. Dreams 7. Whipping Post 1969年リリース。 下記3つのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011年10月01日 14時39分42秒
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