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スーパーグループによる唯一のスタジオ作 ジェフ・ベック(Jeff Beck)というギタリストはいろんなスタイルを器用にこなすせいか、これが代表作というのが決めづらい。本盤が彼の代表作と呼ばれるならば、おそらくは異論も多いのではないかと想像する。けれども、ジェフ・ベックの特徴がよく表れた盤という意味では、本作ももっと注目されてもいいように思う。 名前の通り、ジェフ・ベック、ティム・ボガート、カーマイン・アピスの3人によるグループで、活動期間は1年半ほど(1972年~74年にかけて)しかなかった。そのため、スタジオ盤も1枚しか残されなかった(他には日本公演のライブ盤もあるが、個人的にはスタジオ盤の方がはるかに出来がよいと感じる)。 ジェフ・ベックは、ヴァニラ・ファッジで強力なリズム隊を組んでいたボガート&アピスとの共演を意図していたようである。だが、その機会はなかなか訪れなかった。1969年にバンド結成の可能性があったが、ヴォーカリスト候補のロッド・スチュワートに逃げられ(フェイセスに加入)、ベックが交通事故で休養する中、一度はバンド結成の機会を失ってしまう。 再び機会が訪れたのは1972年。ボガート&アピスが属するカクタスが解散し、ジェフ・ベックの方のグループ(第二期ジェフ・ベック・グループ)も解散となり、ヴォーカリスト招聘(ポール・ロジャース)は見送られたが、ようやく秋に活動を開始する。同年に吹き込まれたファースト・アルバム(本盤)は翌年2月に発売された。だが、5月の日本公演後にはボガートが交通事故で入院し、早くも解散の噂が囁かれるようになる。結局、1974年に入ってセカンド・アルバムの制作に入るも、ベックとボガートの確執が表面化し、第二作は完成せず、バンドは自然解散となった。 本作の特徴を簡潔に述べるならば、力強いリズム隊(ボガートとアピス)を前にギタリスト(ベック)が奮闘するといったところ。しかし、シーンは1970年代を迎え、時代的にはロックはますます多様化し、リスナーの選択も多様化していった。その状況下では、こういうバトル的発想自体、既に時代遅れだったのかもしれない。 とはいえ、このギターとリズム隊の対峙の仕方はやはり面白い。ぶつかり合うというよりは、実にぴたっと息があって“融合的”なのである。このぴたりとした絶妙のタイミング感は、もしリズム隊が豪快さを躊躇したならば、コンパクトに収まってまったく面白くなくなっていたであろう。ギタリストが我を張り過ぎたならば、ギターが浮いてしまい、一体感は損なわれたであろう。ところが、実際にはその逆のことが本盤を通して起こっている。こじんまり収まらずにベースとドラムが演奏したのもお見事ならば、そこで単なる“対決姿勢”にならずに、どんぴしゃのタイミングで存在感いっぱいにギターを演奏したベックもお見事だったというわけである。 セカンドが陽の目を浴びなかったのは、時間の経過とともにこの辺の折り合いがつかなくなっていったからではないかと想像してみたりもする。要するに、バンドがより一層の高みを目指そうとするのと、実際の演奏の折り合い(そこには演奏者間の緊張感の度合いも影響する)が最も良いバランスで保たれたのが、唯一この盤のタイミングだったということではなかっただろうか。 [収録曲] 1. Black Cat Moan 2. Lady 3. Oh To Love You 4. Superstition 5. Sweet Sweet Surrender 6. Why Should I Care 7. Lose Myself With You 8. Livin' Alone 9. I'm So Proud 1973年リリース。 下記ランキング(3サイト)に参加しています。 お時間の許す方は、“ぽちっと”クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓ ↓ [洋ロック・ポップス]カテゴリの最新記事
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