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音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2012年08月03日
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テーマ:Jazz(1961)
カテゴリ:ジャズ

初期ガーナーの代表作


 エロール・ガーナー(Erroll Garner)は、1921年生まれで1977年没のジャズ・ピアニスト。『ミスティ』(1954年)や『コンサート・バイ・ザ・シー』(1955年)がよく知られた盤であるが、本作『ペントハウス・セレナーデ(Penthouse Serenade)』は、50年代に人気を博す前の、1940年代後半、ガーナーの活動全体からすれば初期の代表的な盤である。

 このピアニストの特徴はと言えば、良くも悪くも“ビハインド・ザ・ビート”が挙げられる。鍵盤に触れる左手が強いビートを刻み、右手は一瞬遅れてメロディを奏でるという演奏の特徴である。ある種、型にはまらないタイプの演奏なので、そもそも好き嫌いが分かれるかもしれない。また、バップ的というよりはポピュラー向きな演奏の傾向がある。そんなわけで、一般の人々からもジャズ・ファンからも評価されにくく、ある意味では不当な評価を受ける結果となってしまっているのだろう。つまり、一般大衆の側からは、エロール・ガーナーとはジャズに手を出してみて初めてその名を聴かされるような人物であり、ジャズの愛好家の中ではポピュラーよりな演奏内容と癖のあるスタイルでこう評価されにくいという構図である。

 彼の演奏の特徴は、どうやらその生い立ちにあるらしい。3歳でピアノを始めたが、楽譜を学ぶことなく自由に弾くという独学を続けた。勝手気ままにやっていたとはいえ、音楽環境は恵まれたもので、クラシックやジャズのレコードを多く聴ける環境だったという。母親がエロールにピアノ教師もつけたが、自由な発想でコードをうち、メロディを創作するばかりで、基礎的な音楽の知識には目もくれなかったらしい。さらに、彼は左利きであった。このことが左手の強烈なビートを可能にしたとされる。ガーナー自身もこうした“型破り”な部分にはかなり自覚的だったようで、「自分のスタイルは自分自身のもの。まったく同じスタイルのミュージシャンなど世界に二人といない」といった発言を残している。

 ともあれ、彼は10歳でその演奏がラジオでの放送にのり、地元ペンシルヴァニアで同地のバンドや歌手の伴奏などをこなすようになる。1944年にはニューヨークに進出し、47年にはチャーリー・パーカーのセッションに参加した。本盤には1945年と49年の吹き込みが収められていて、ちょうどこの頃というわけである。同時期の吹き込みは分散して複数枚の作品に収められているが、本盤はスタンダードを中心に彼の独創性がよく表れた盤になっていると思う。

 “独創的であること”は、必ずしも“奇抜である”という意味ではない。ガーナーは言う。「メロディゆえに弾きたいと思う曲がある。メロディを嫌いだなんて言う理由はないから」。本盤の曲を聴いても、やはり要はメロディなんだろうと思う。彼の奏法に着目すると、左手の音(ビートの側)に意識が行きがちだが、やはり右手の方で奏でられるメロディがメインなのだ。左手はメロディのための演出、そう意識してエロール・ガーナーの演奏を聴くと、いままでいまひとつと思っていた人も違った風に彼の演奏を聴けるかもしれない。例えば、2.「ラヴ・ウォークト・イン」や12.「スターダスト」、14.「オーヴァー・ザ・レインボウ」なんかは、いかにも有名曲で彼のメロディへの愛着が透けて見えるように感じる。収録曲はいずれも3分前後と短いので、メロディの方に集中して聴いてみるのもいいように思う。

 最後になったが、本盤はジャケットもよくできている。駄ジャケも結構多いサヴォイ・レーベルにおいて、このジャケは結構イケてるんじゃないかと思っている。赤という色の使い方が若干どぎついと思う人もいるだろうけれど、個人的にはインパクトもあってなかなかいいように感じるのだけれど。



[収録曲]

1. I Cover The Waterfront
2. Love Walked In
3. I Don't Stand A Ghost Of A Chance
4. Indiana
5. Somebody Loves Me
6. Body And Sou
7. Penthouse Serenade
8. Undecided
9. Red Sails In The Sunset
10. I Can't Believe You're In Love With Me
11. Stompin' At The Savoy
12. Stardust
13. More Than You Know
14. Over The Rainbow



[パーソネル、録音]

1.~3.,6.~11.,13.,14.:
Erroll Garner (p)
John Simmons (b)
Alvin Stoller (ds)
1949年3月29日録音。

4.,5.,12.:
Erroll Garner (p)
John Levy (b)
George De Hart (ds)
1945年9月25日録音。




  
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Last updated  2012年08月03日 08時07分31秒
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