カテゴリ:ジャズ
ジャケットもカッコいいモブレーの三管盤 以前にも述べたように(『ソウル・ステーション』)、ハンク・モブレー(ハンク・モブレイとも、Hank Mobley)というテナー奏者は“B級”とか“イモ・テナー”などと言われてなかなか相応の評価を受けないという不遇にある。その一つの理由は、特定時期に多くの作品を吹き込んでおり、代表作と呼ばれるものはいくつかあるにせよ、どれから聴いていいかわからないと同時に似通った演奏(実際によく聴けばそうとは限らないけれど)のものがたくさん並んでいるような印象を与えるという点があるのかもしれない。 かく言う筆者も特定の作品しか聴いておらず、網羅的に聴いているわけではない。徐々に買っては聴き進めようと思いつつ、ちょっとずつしか進んでいない感じなので、偉そうなことは言えない。けれども、ハンク・モブレーという人はハード・バップを見事に体現し、その時代の勢いと雰囲気を存分に伝えてくれるジャズ・ミュージシャンだと思う。マイルス・デイヴィスやジョン・コルトレーンのような革新性や何か新たな展開みたいなものに期待するのではなくて、ハード・バップ全盛時代の音楽的フォームを前提として聴けば、こんなに多彩で素晴らしい演奏を繰り広げた奏者はそういないんじゃないだろうか。 本盤は、モブレーがもっとも精力的に活動していた1957年の録音。モブレイのテナーを含む3管編成で、ビル・ハードマンのトランペット、さらにはカーティス・ポーターのサックスが含まれている。ちなみに、カーティス・ポーターという人は、シャフィ・ハディの別名で知られるテナーおよびアルト・サックス奏者。本盤でもテナーとアルトの両方を演奏している。彼らの演奏を支えるのは、ソニー・クラーク(ピアノ)、ポール・チェンバース(ベース)、アート・テイラー(ドラム)。このがっちりとしたリズム隊の安定感があって初めて、上記のハンク・モブレーらしさが発揮されるんだと感じる。 いかにもと言われるかもしれないが、筆者のお気に入りは、1.「マイティ・モー・アンド・ジョー」と3.「バグズ・グル―ヴ」。どちらもベタなハード・バップそのものの雰囲気がたまらなくいい。後半(LPのB面)の2曲は、最初の3曲よりもやや長尺(それぞれ8分強)で印象としてはインパクトに欠けるが、よく聴けば、ハンク・モブレーのプレイを堪能できるじゃないか、というのに最近気がついた。濃すぎて後半には疲れが出るから印象に残りづらかったのかもしれない(筆者は本盤はCDでしか聴いていない)。これからは“B面”単独でももっとしっかり聴くようにしようと思っている今日この頃といったところ。 [収録曲] 1. Mighty Moe and Joe 2. Falling in Love with Love 3. Bags' Groove 4. Double Exposure 5. News [パーソネル・録音] Hank Mobley (ts) Bill Hardman (tp) Curtis Porter (as, ts) Sonny Clark (p) Paul Chambers (b) Art Taylor (ds) 1957年6月23日録音。 Blue Note 1568 【Joshin webはネット通販1位(アフターサービスランキング)/日経ビジネス誌2012】【マラソンsep12_大阪府】【RCP1209mara】ハンク・モブレー/ハンク・モブレー[CD]【返品種別A】 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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