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音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2012年09月12日
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時代の狭間に消えたマイナー・バンドのデビュー作


 グリン(Grin, 英語でもともとは「にやりと笑う」の意味)は、1971年から74年まで活動した3人組の米国のロック・バンド。ハードな部分を含みつつもキャッチーなロックを軸にやっていたが、数年間、数枚のアルバムだけで消え去ってしまった。そのリーダーは、後にソロ活動やブルース・スプリングスティーンのバック(E・ストリート・バンド)で活躍したニルス・ロフグレン(ギター、ヴォーカル、キーボード)である。残る二人はボブ・バーバリッチ(ドラムス、ヴォーカル)、ボブ・ゴードン(ベース、ヴォーカル)。このバンドの活動のデビューは、ニルス・ロフグレンの名が知られるようになったところからだった。

 1970年、弱冠17歳のニルスは、ニール・ヤングのアルバム『アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ』に参加し、ピアノを担当。これがきっかけになって自身のバンドとなるグリンが翌1971年にデビューとなった。時系列的には発売順はこうなのだが、どうやら録音そのものは、本デビュー作『グリン』の方が先だったとのこと。ちなみに、ニルスは、後の1975年にもニール・ヤングの作品(『今宵その夜』)にも参加し、見事なギター・ソロを披露している。

 さて、このバンドの作品としてどれがベストかと言われれば迷うところだが、まず今回はデビュー作を今回は取り上げることにした。本盤『グリン』は、荒削りな部分もありながら結構よくできていて、はまると病みつきになりやすいタイプの作品だと思う。それって、要は、言い換えると、万人受けしたり、全米的(あるいは世界的)ヒットにはいかにもならなさそうなアルバムとも言えるのだけれど…(苦笑)。いやはや、筆者はニルス・ロフグレンが大好きで、グリン時代の作品も含めて気に入っているので、お許しあれ。

 独断と偏見で注目曲を挙げてみたい。何より本盤のベスト曲は1.「ライク・レイン」。グリンの短い活動期間全体の中でもベストと言ってよい名曲。次に気に入っているのは、さりげないラブソングの8.「テイク・ユー・トゥ・ザ・ムーヴィーズ・トゥナイト」、それから軽快な6.「ウィー・オール・サング・トゥゲザー」。これら3曲は、アルバム収録曲の中ではとりわけ軽め(あるいは甘め)の曲で、実はこれらの曲が生きているのは、もう少しハードなロック・ナンバーと併せてアルバムが作られているからだという風に感じる。そういう風に考えると、ハードめのヴォーカルと切れのあるギターが印象的な2.「シー・ホワット・ア・ラヴ・キャン・ドゥー」や12.「アイ・ハッド・トゥー・マッチ」なんかが実は重要と思えてくる。4.や11.も同じ流れの中にあるが、ギターとヴォーカルの総合的な出来では、ハードめのナンバーの9.「ディレクション」が一押しで、ギターのフレーズ(スライド・ギター含む)もなかなかカッコいい。ちなみに、10.「パイオニア・メアリー」では、ニール・ヤングがゲスト参加している。

 まあ、決して当時のニルスのヴォーカルは上手とは言い難いし、一般受けするには洗練度が足りず、コアなファン向けには中途半端にキャッチーで、ヒットしなかったのは仕方なかったのかもしれない。時代そのものを考えてもロックが“産業化”する以前、そもそも大きなうねりあってようやくいくつかのロックの方向性が見えてきつつあった70年代初頭、いわばロックが変容しその道筋をつけていく時期の狭間にひっそりと咲いた一輪の花がグリンというバンドだったというのは言い過ぎだろうか。



[収録曲]

1. Like Rain
2. See What a Love Can Do
3. Everybody's Missin' The Sun
4. 18 Faced Lover
5. Outlaw
6. We All Sung Together
7. If I Were a Song
8. Take You To The Movies Tonight
9. Direction
10. Pioneer Mary
11. Open Wide
12. I Had Too Much (Miss Dazi)

1971年リリース。




  
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Last updated  2012年09月12日 13時59分10秒
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