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音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2013年05月08日
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テーマ:Jazz(1961)
カテゴリ:ジャズ

2種のアルトを楽しめる企画盤


 ジャズ界では 別々のレコーディングを組み合わせたりカップリングしたりという、よくよく考えてみれば、無茶な技が使われることがある。本盤『トゥー・アルトス(トゥ・アルト)』もその一例と言えるだろう。早い話、共演しているわけでもなんでもなく、アート・ペッパー(Art Pepper)とソニー・レッド(Sonny Redd)というアルト・サックス奏者である2人を組み合わせてアルバム作品らしきものに仕上げた風情。こんな身もふたもない言い方をすると熱心なファンの顰蹙を買ってしまうだろうか。

 とはいえ、そのような“無理な組み合わせ”が駄盤に仕上がるとは限らないことを本盤は証明してもいる。個々の演奏が素晴らしく、偶然(あるいは意図的)にうまく組み合わされた時には、好盤になることもあり得るのだ。このアルバムはそういう例の一つとも言えるんじゃないだろうか、と思ったりしている。内容的には1950年代前半の演奏が4曲(いずれもスタンダード曲)、1957年の演奏が2曲(いずれもオリジナル曲)という構成で、1.、3.、5.、6.がアート・ペッパー、2.と4.がソニー・レッドの吹き込み。6曲(総時間にして30分ちょっと)で、4種類の異なるメンバーでの吹き込みということだから、事実関係だけからすれば、確かにバラバラの寄せ集めではある。

 でも通して聴いた時には、癖がなく聴きやすい。それは何も特徴がないと言っているわけではなく、他のセッションと組み合わされてもちぐはぐにならなさそうな演奏が並んでいると表現してもよいかもしれない。以下、セッションごとに概要をざっと見渡してみたい。

 いちばん音源として古いのが5.で、1952年3月のアート・ペッパーの初リーダーセッションの吹き込み。『サーフ・ライド』の残り物の音源ということだが、同盤所収の3曲にこの曲を加えた4曲がその時の吹き込みとのこと。ピアノのハンプトン・ホーズにドラムのラリー・バンカーという面々はこの直前にクラブ出演もしていたとのことなので、演奏にこなれている部分があるように思う。

 次に3.も上記と同様にアート・ペッパーのワンホーンで、上記『サーフ・ライド』の冒頭3曲と同じときのセッション。上の5.にせよ、この3.にせよ、しっとりした部分があるために(疾走感のあるアルバムのイメージにそぐわなかった?)、上記の盤から外されてしまたのではないかという気がするが、本盤でじっくり安らぎながら聴くには、決して悪い演奏ではない。

 冒頭の1.および末尾の6.は、アルトにアート・ペッパー、テナーにジャック・モンテローズという二管での演奏で、同じく『サーフ・ライド』に収録されたセッションの残りから収録されたもの。モンテローズはこの2年ほど後に初リーダー作をブルーノートに吹き込むことになるが、彼独特の節回しはまだそんなに強烈には発揮されていない印象。何よりも1.のアート・ペッパーのアルトの舞い方が、筆者は個人的にお気に入り。

 そして最後に2.と4.がソニー・レッドの初リーダー・セッションの音源。いずれもバリトン・サックスでペッパー・アダムスが参加している。リズム隊はウィントン・ケリーはじめ定評のある3人で、安定感は抜群。水を得た魚の如く生き生きした演奏が気持ちよい。なお、この初リーダー・セッションは3曲吹き込まれたそうだが、もう1曲は別のアルバム(オムニバス盤『Jazz is Busting Out All Over』)に収められているとのこと(いつか機会があれば、こちらの盤も聴いてみたいと思いつつまだ実現していないけれど)。




[収録曲]

1. Deep Purple
2. Watkins Production
3. Everything Happpens To Me
4. Redd's Head
5. These Foolish Things
6. What's New


[パーソネル、録音]

1.と6.:Art Pepper (as), Jack Montrose (ts), Claude Williamson (p), Monty Budwig (b), Larry Bunker (ds)(1954年8月25日)
2.と4.:Sonny Redd (as), Pepper Adams (bs), Wynton Kelly (p), Doug Watkins (b), Elvin Jones (ds)(1957年11月12日録音)
3.:Art Pepper (as), Russ Freeman (p), Bob Whitlock (b), Bobby White (ds)(1953年3月29日録音)
5.:Art Pepper (as), Hampton Hawes (p), Joe Mondragon (b), Larry Bunker (ds)(1952年3月4日録音)






 
【RCP】【marathon201305_media】トゥー・アルトス/アート・ペッパー,ソニー・レッド[CD]【返品種別A】







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Last updated  2013年05月08日 07時41分03秒
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