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音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2013年12月26日
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テーマ:Jazz(1961)
カテゴリ:ジャズ

哀愁たっぷり本領発揮の名ピアノ盤


 ソニー・クラーク(Sonny Clark)と言えば、米国ではともかく本邦では一世を風靡した大人気の『クール・ストラッティン』があるだけに、ついついその陰にかくれがちな名盤の一つがこのタイム盤『ソニー・クラーク・トリオ(Sonny Clark Trio)』。陰にかくれがちと言っても、ジャズ・ファンの間では有名な盤の一つなわけで、要するに、名盤ガイド類などになるとどうしても1枚に的を絞らざるを得なくなってついつい後回しにされるという感じ。上記のような有名盤があると致し方ないのだろうけれど、それにしてもたまにしかそうした場で取り上げられないというのはもったいない。彼のリーダー作は、確かにホーン入りの編成もよい(さらにサイドマンとしての参加盤も魅力的なものが多い)のだが、ピアノ・トリオでもじっくり聴きたいとなると、さらに選択肢は増える。そんな中で、推奨盤かつ個人的お気に入りの一つが本盤である。

 ちなみに、『ソニー・クラーク・トリオ』というタイトルの作品は2つ存在する。一つは1957年ブルーノートの吹き込み。そして、もう一つは1960年のタイム盤。今回取り上げるのは、後者のタイム盤の方である。前者がスタンダード系の選曲であるのに対し、本盤の方は全編オリジナルで占められている。1960年という録音年月はオフィシャルなものではそう書かれているが、1990年代の未発表テープ発掘の経緯から1959年1月の録音だったのではないかとの説もあるようだ。

 さて、ソニー・クラークのピアノは、何といっても独特の引きずるようなタッチ、そしてとりわけマイナー調のもの悲しさが最大の特徴であり、魅力だとされる。1950年代途中まで西海岸で活動してから、57年に東海岸へ移り、そこから1~2年の間に、ヒットにこそ結びつかなかったもののブルーノートでは破竹の勢いで録音を行った。本『ソニー・クラーク・トリオ』の頃には、既に複数のリーダー盤やその他の吹き込みを行っていたわけなので、若々しく意気揚々と、というよりは既に経験を積んだピアニストとしての風格が出てきているように思う(とはいえ、この数年後、1963年にヘロインの過剰摂取で31歳でその生涯を終えている)。

 捨て曲なしの名盤なので、お気に入りをピックアップするのは意味がないと言われそうだけれども、敢えていくつか挙げてみたい。1.「マイナー・ミーティング」からしてソニー・クラークの本領発揮と言えそうな演奏。ピアノのタッチは粘り気があり、哀愁に満ちている。この典型的な彼のイメージを念頭に置くと、3.「ソニーズ・クリップ」、6.「ジャンカ」、8.「ソニア」といったところが聴きどころになってくるのではないだろうか。そうは言っても、ただだらだらともの悲しさの漂うピアノに酔いしれる、といった発想だけで聴くのではあまりにもったいない。2.「ニカ」の余裕を持った曲展開のスケール(別テイクではブラシが目立っていてリズムはこっちの方がいいかもしれないが、ピアノは正式テイクの方がいいのでこちらが正式テイクだったのだろうか)、そして、7.の気迫あふれるピアノは、ソニー・クラークのステレオタイプなイメージとは違う側面を見せてくれる演奏だと感じる。

 全体として、テーマからの展開も明瞭でピアノタッチもはっきりしているけれど、聴き手の“受け”を狙っているような感じは全くしない。ということは、こういう演奏こそが最もソニー・クラークのやりたかった、正直な演奏だったということではないだろうか。

 余談ながら、ジャケットの絵はミノ・チェレッティ(1930年生まれのイタリアの画家)なる人の作品。ピアノを弾くソニー・クラークを描いたものなのか、それともここに使われているからピアニストに見えてしまうのか、真相は不明。けれども、本盤を聴きながらじっと見つめていると、自然とこのジャズ・ピアニストを描いた絵に見えてくるような気がするのだけれど…。





[収録曲]

1. Minor Meeting
2. Nica
3. Sonny's Crip
4. Blues Mambo
5. Blues Blue
6. Junca
7. My Conception
8. Sonia
(以下、再発時の追加未発表トラック)
9. Nica –alternative take-
10. Blues Blue –alternative take-
11. Junca –alternative take-
12. Sonia –alternative take-



[パーソネル、録音]

Sonny Clark (p)
Max Roach (ds)
George Duvivier (b)

1960年3月23日録音。





 
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Last updated  2013年12月26日 06時49分48秒
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